仏ノルマンディー(Normandy)にあるカーン大学(University of Caen)のジル・エリック・セラリーニ(Gilles-Eric Seralini)氏らの研究チームは9月、米アグリビジネス大手モンサント(Monsanto)製の遺伝子組み換えトウモロコシ「NK603」と、同じくモンサント製の除草剤「ラウンドアップ」の両方、または、これらのいずれかを与えたマウスに腫瘍ができたと発表した。
『仏ルモンド紙「モンサントの遺伝子組み換え食品に毒性の疑い』 http://vogelgarten.blogspot.jp/2012/09/blog-post_5857.html [Canard Plus] メスには乳房に腫瘍、オスには肝臓や腎臓障害、そして両方の性で寿命の短縮・・・ Food and Chemical Toxicology誌の次号に掲載される予定であるカーン大学の生物学者ジル・エリック・セラリーニが行った研究が物議を醸している。と言うのも、ラットを対象に行ったこの研究は、モンサント社が商業化している遺伝子組み換えトウモロコシ(別名NK603)の摂取が、(遺伝子組み換えトウモロコシが耐性を持たされている除草剤ラウンドアップとの組み合わせのあるなしに関わらず)有毒な効果を持つと初めて主張するものだからである。
現在まで異なる遺伝子組み換え食品に対して、異なる被験動物を使って数多くの中毒学研究が行われてきたが、対照グループと実験処置を加えた動物との間には、大きな生物学的差異は認められて来なかった。これらの研究は、最近英国ノッティンガム大学チェルシー・スネルの編集する文学雑誌に集められ、今年一月Food and Chemical Toxicology に発表されたが、2年よりもはるかに短い期間の実験であり、被験動物に対する生物学的パラメーターの数もずっと少ない。その上ほとんどすべての研究が農化学会社自身が直接行ったか、または出資をしたものだった。