このタイプで世界初の施設が、Enel Green Power(元国営のイタリア大手電力会社ENELの子会社)によって実現され、2015年からシチリア州プリオーロ・ガルガッロで稼働するだろう。30メガワット時の出力をもち、40,000世帯にエネルギーを供給することになる。これは、太陽熱発電において世界トップの規模であると同時に、すべてイタリア製のクリーンテクノロジーで、太陽熱発電技術に溶融塩を用いている。
かつてENEA(L’Agenzia nazionale per le nuove tecnologie, l’energia e lo sviluppo economico sostenibile :新技術エネルギー環境機関 )の社長だったノーベル賞学者カルロ・ルッビアが立ち上げたシステムで、太陽熱の集積装置と、塩の混合物(硝酸ナトリウムと硝酸カリウムを利用していて、技術の名前はこれに由来する)を用いることを想定している。実際、これに太陽熱を蓄積して、日没後も稼働してエネルギーに変換することができる。要するに非常にインテリジェントな太陽熱発電なのだ。