米カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)のリチャード・クレーマー(Richard Kramer)氏らの実験では、遺伝子変異によって誕生から数か月で網膜の桿体(かんたい)視細胞と錐体(すいたい)視細胞を死滅させたマウスが使用された。視力の程度は不明だが、マウスは注射後に学生たちが照射した明るい光を避ける動きを見せ、光を感知するようになったことが確認できたという。
米シアトル(Seattle)にあるワシントン大学(Washington University)眼科部長で論文共著者のラッセル・ヴァン・ゲルダー(Russell Van Gelder)氏は、「視力回復の分野で非常に大きな進歩。まだ物質の安全性と、人間への効果の有無を確認しなければならないが、今回の実験結果はアミノアントラキノン類が遺伝的疾患による失明状態の網膜の光感受性を回復することを示している」と述べている。(c)AFP