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科学は愛ですコミュの微生物は鉱物の“電線”で電子を交換

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http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120611001&expand#title
細菌は生きるのに必要な化学物質を作り出すために、土壌中の鉱物を“送電網”として利用することが最新研究によって明らかになった。異なる種の細菌同士が、この送電網を通じて、負の電荷を持つ亜原子粒子である電子をやり取りしているのだという。

 電子は、微生物からヒトまで、あらゆる生物にとって重要なものだ。例えばヒトの体内では、糖など、生命維持に不可欠な化学物質の合成・分解をするために、化合物間での電子の授受を常に行っている。

 異なる種の微生物同士が互いに電子をやり取りし、そのままでは消化の難しい栄養源の処理を助け合っていることは以前から知られていた。

 この協力的相互作用には、微生物同士が直接接触する方法と、電子を乗せた分子を微生物の周囲に拡散させる方法があることがわかっている。

 しかし今回の研究では、微生物が導電性ミネラルを“電線”として利用することで、電子のやり取りを促進していることが初めて証明された。

「微生物は導電性ミネラル粒子の豊富な環境で進化してきたため、電子の移動など、さまざまな目的にミネラル粒子を利用する能力を微生物が有していたとしても不思議ではない」と、研究共著者で東京薬科大学の微生物学者である渡邉一哉教授は述べている。「ただし微生物間に流れる電流はごく弱いものなので、土壌中に流れる電気が人にショックを与えるようなことはない」。

◆助けあう微生物たち

 今回の研究には、2種の土壌細菌、ゲオバクター(Geobacter sulfurreducens)とチオバチルス(Thiobacillus denitrificans)が用いられた。

 ゲオバクターは、生合成の構成要素としてよく用いられる酢酸を、電子を奪うこと(酸化)で分解することができる。一方のチオバチルスは、窒素化合物である硝酸に電子を与えること(還元)によって生命を維持している。

 実験の結果、培養液中に導電性酸化鉄であるマグネタイトまたはヘマタイトの粒子を添加した場合にのみ、これらの微生物は電子の授受を行う傾向を示した。

 これらの導電性ミネラルは多くの場合、細菌の表面にしっかりと付着しているのが観察され、ときには細胞同士をつなぐ構造を形成していた。

 海底堆積物中に生息する細菌は、センチメートル単位という微生物にとっては大きな距離を超えて電子をやり取りできるとみられるが、今回の発見はそれが可能な理由を説明しうるものだと研究チームは述べている。

 これに対し、デンマーク、オーフス大学の微生物生態学者ラース・ペーター・ニールセン(Lars Peter Nielsen)氏は、導電性粒子がそれほどの距離を何の助けも借りずに電子を運べるとは信じがたいと話す。

 おそらく細菌は粒子が導電体として機能するよう、何らかの方法で積極的に手を加えているのではないかとニールセン氏は推測している。同氏は今回の研究には参加していない。

 またミシガン州立大学の微生物学者ジェンマ・レギュエラ(Gemma Reguera)氏は、今後、細菌が実際に自然環境中でどのように導電性ミネラルを利用しているのかを調べる研究が必要だと述べている。

 レギュエラ氏によると、この種の研究は、微生物燃料電池の開発促進につながるという。微生物燃料電池とは、微生物を使って化学物質の汚泥から電気を作り出す装置だ。

 今回の研究成果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌オンライン版に6月4日付で発表された。

Image courtesy Souichiro Kato

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