地元紙オーランド・センチネルによると、逮捕されたのは、反貧困ボランテイア団体「Food Not Bombs (爆弾ではなく食料を)」のメンバー。6月1日・6日に、レイク・イオラ公園でメンバーは30〜40人に食事サービスをしていた。オーランド警察は、食事配布が終わるのを見てメンバーを拘束。いずれもメンバーたちは手錠をかけられ、警察署へと運ばれた。同団体は、5月にすでに2度同じ公園で食事サービスを実施していた。
「Food Not Bombs」はここ数年、週2回市内の公園でホームレスや低所得者などに食事を提供してきた。ところが近隣の住民たちは「公園で多くの人々が無料の食事をとること」に不満、同市に苦情を申し入れてきた。それを受けて、市は「公園が特定の団体に独占的に使用されることから保護する」目的で条例を可決した。条例では、25人以上に食事提供する場合、市に許可申請することが義務づけられ、食事サービスは一つの公園につき年間2度までとなっている。
これに対し、「Food Not Bombs」とホームレス支援をしてきた教会は、条例は憲法上の権利を侵害すると主張、同市相手に訴訟を起こした。支援活動は政治的・宗教的見解に基づいていて、憲法修正第一条でその自由は保障されているという考えである。同団体と教会側は勝訴したが、市は判決を不服とし控訴裁判に持ち込み、最終的に今年4月、市の主張を擁護する判決が出た。
「Food Not Bombs」のウエブサイトによると、同団体は反貧困の他に反戦をかかげ、その活動は1990年代に広がった。反戦活動は2003年のイラク侵略戦争の際にピークだったという。現在国内外に400以上の支部があり、1000都市で反貧困運動として無料食事提供などの活動を続けている。