News | Weill Cornell Medical College | Cornell University
コーネル大学医学校の遺伝医学の教授Ronald G. Crystal博士らにより開発されたこの「コカインワクチン」は、一般的な風邪の病原体の一つであるアデノウイルスに、コカインによく似た構造の化学物質をくっつけたもの。コカインはほかの小分子薬剤と同様に、そのままでは免疫系により「敵」と認識されることはありませんが、すでに「敵」として覚えられている風邪のウィルスにくっつけることにより、「敵とつるんでるこいつも敵だ」という感じで覚えられ、次にやってきた時にはウィルスと一緒でなくても「排除すべき侵入者」と認識され、取り囲まれて攻撃され脳へ到達できなくなる、というわけです。
コカイン自体を使っても同じ原理でワクチンを作ることはできるのですが、Ronald G. Crystal博士らはコカインより安定性が高く免疫を作る効果も高い類似物質を使用したとのこと。なお、ワクチンに使われるアデノウィルスは、免疫系に認識される部分だけを残して無害化されたものなので、ワクチン投与時に風邪の症状を引き起こす心配はありません。