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科学は愛ですコミュの飛行機が雲を変形、雪や雨を降らせる

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http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100617003&expand
数年前、2機の飛行機が雲に穴を開けるとそこから雪が降り出すという驚くような現象が起きた。この偶然の発見がきっかけとなって行われた最新の研究で、いわゆる“ホールパンチ雲”の謎が解明され、ごく限られた地域ではあるが飛行機が天候を変化させる可能性があることが示されたという。

 ホールパンチ雲の研究は1940年代から行われており、飛行機がその原因ではないかと長い間考えられてきた。

 今回、コロラド州ボルダーにあるアメリカ国立大気研究センター(NCAR)の氷微物理学者アンドリュー・へイムズフィールド氏の研究チームは、飛行機がこの奇妙な雲を実際に作れることを発見した。また、飛行機が雲に穴を開けることで降水を引き起こすという、それまで一度も観測されたことのなかったまったく新しい事実も明らかになった。

 ヨーロッパ西部やアメリカ北西部の太平洋岸で比較的よく見られるような、ある一定の高度と温度の雲は、摂氏マイナス15度近くまで温度の下がった水滴で飽和状態になっている。

 このような雲の中の水滴は不純物が非常に少ないため、微粒子を核として水蒸気が凝縮して氷になることがなく、水滴は液体のまま摂氏マイナス34度まで温度が下がる。ただし、雲の温度がそれよりも下がると、水滴は凍って氷の粒子となり、雨や雪を降らせることがある。

 ヘイムズフィールド氏によると、例えば飛行機のプロペラが雲の中で回転すると後方へ力が働き、この力が空気を薄く引き延ばすため、温度が摂氏30度も下がるという。

 ジェット機の場合は、空気が翼の上に押し上げられるときに同じことが起きるが、空気の温度は摂氏20度程度しか下がらない。

 飛行機が雲を押し出すことによって、過冷却された水が凍る温度を空気の温度が下回り、雲の中に氷の粒子の“種が蒔かれる”。

「浴室で室温より温度がやや低い鏡に水滴が付着するのと同じように、氷の粒子ができると、その周りに水蒸気が凝縮し、それが雪や雨となって降ってくる」とヘイムズフィールド氏は説明する。

 同氏の研究チームは2007年、ターボプロップ(プロペラエンジン)機に大量の計器を積み込んでデンバー国際空港を飛び立ち、空港付近の上空で雲の調査を行った。これが偶然にもホールパンチ雲の謎を解明するきっかけとなった。

 調査後、地上に設置したレーダーを見てみると、その地域の一部に原因不明の降雪が記録されていた。「そこで、飛行機の前方と下方を撮影したビデオカメラのデータを見ると、雲の塊の中に運河のような穴ができていた。下を見ると、穴から地上へ降る雪の筋が見えた」。

 アメリカ連邦航空局の記録から、同氏らの調査飛行の直後に別のターボプロップ機が同じルートを飛んでいたことがわかった。にわか雪は、2番目の飛行機が通過した5分後に降り始めていた。この雪は、長さ32キロ、幅4キロの地域に45分間降り、約5センチの積雪がみられた。

 穴が開くことによって雲の中で力学的な現象が発生するため、今回の研究で雲の循環についての理解がさらに進むかもしれないとヘイムズフィールド氏は期待する。

 また、雲を作る物質を散布するクラウドシーディングなどによって人工的に雨を降らせる方法の開発にこの研究が貢献する日が来るかもしれないと同氏は付け加える。つまり、これまでのように飛行機の運航が天候に左右されるのではなく、天候を飛行機のなすがままに変更できるようになるかもしれない。

 この研究は2010年6月発行の「Bulletin of the American Meteorological Society」誌に掲載されている。

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