ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

科学は愛ですコミュのブタから新たな万能細胞が作製される

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

(Pigs offer new stem cell source:6月9日英語版配信分)

  『豚の人工多能性細胞は異種移植を可能にするのか?』
   http://www.mypress.jp/v2_writers/beep/story/?story_id=1835163
   [科学ニュースあらかると]
Pigs offer new stem cell source BBC News 6/3

この記事で扱われているのは、人工的に作成された「豚」の人工多能性細胞です。

今回、ウイルスを使って「大人の豚の細胞」に化学物質を導入し、細胞を「再プログラミング」して、胚の段階で見られる万能性(あらゆる細胞に変化しうる能力)を持つものに変化させる、という中国の研究者達の試みが成功したそうです。

豚という生物は、人間の為の「実験動物」として多用される、人間と良く似た生物的特性を持つ生き物で、実際にこれまでも「人間にその臓器を移植する為に、豚に遺伝的な操作を加える」事などを含めて、様々な試みが行われてきました。

もちろん「豚」は「ヒト」ではありません。異種生物の臓器を移植に用いる危険性は、低いとは言い難いものですが、実際に大人の豚から「万能性を持つ細胞」が作成された事によって、「人間の命を救うための臓器」を「豚」で成長させる試みには再び注目が集まる事になるのかもしれません。

「人間(自分)の細胞を使った再生臓器」が最良の手段である事は言うまでもありません … でも、時間がもっとも貴重な条件である場合、「豚」は選択肢としてあり得るものなのです。

中国の科学者達は、成長した豚から採取した細胞に、embryonic stem cells(ES細胞:受精卵に由来する幹細胞)のように身体のあらゆる組織に成長する能力を与えました

研究者達は、今回のブレークスルーが人間の病気の研究と、人間への臓器移植の為の動物の繁殖を助ける事になるかもしれない、と期待しています。

それは、swine flu(豚インフルエンザ)のような病気に対して抵抗力を持つ豚の育種も可能にするかもしれません。

今回の研究は、「Molecular Cell Biology」誌のオンライン版で発表されました。

今回の研究を率いたShanghai Institute of Biochemistry and Cell Biology(上海生物化学・細胞生物学研究所)のLei・ Xiao博士は、これまで成長した動物、例えば豚など細胞を「pluripotent(分化万能性を持つ)」幹細胞に変化させようとする多くの試みが行われてきたが、全て失敗に終わっていると語っています。

「そういった試みが行われてきたのは、それがまったく新しい事で、非常に重要なものであり、人間と動物の両方の健康にとって、多数の用途が存在しているからなのです」、と彼は語っています。

Xiao博士の研究チームは、ウイルスを使って「化学薬品の混合物」を豚の耳と骨髄から採取された細胞に導入し、それらの細胞を reprogrammed(再プログラム)しました。

テストによって、再プログラムされた細胞が発達中の胚で3枚の層を作る細胞タイプの全てに成長できる、という事が示されました。

理想的な供給源

「豚の組織」は人間が持つ同じ組織と機能の面でも大きさの面でも非常に似通っているので、豚という生物は移植のための器官の「ideal source(理想的な供給源)」であり得るのだ、とXiao 博士は語っています。

Xiao博士は、再プログラムされた幹細胞では、拒絶反応の危険性を最小限にする為に、豚の器官が人間の免疫系に互換性を持つように操作するという事もできるかもしれないのだ、と語っています。

作成される細胞は、豚という生き物で人間の病気を模倣する為にも有用なものに成り得ます。それによって研究者達は人間のボランティア達を必要とせずに、新しい治療法を検証出来るようになるのです。

Xiao博士は、今回のブレークスルーでは医療面での用途に加えて、豚の繁殖という側面でも有用かもしれない、と語っています。それは豚をより健康的にし、成長する方法を管理出来るようにするかもしれない技術なのです。

しかし彼は、今回の研究が示唆している医学分野での応用の可能性のうちのいくつかが、実際に医療の現場で使えるようになるにはまだ時間がかかるかもしれない、と警告しています。

University College London(カレッジロンドン大学)の再生医療の専門家であるChris・Mason教授は、「今回の研究は、人間の組織の性質を持つ臓器、糖尿病患者の為のすい臓や、慢性腎不全の患者の為の腎臓といったものを豚の体内で成長させる、 pig stem cells(豚幹細胞)を作り出す、という探索を復活させる可能性を持つものです、と語っています。

「humanised porcine(ヒト化豚)の組織や臓器を医療現場で用いるxenografts(異種移植)は、最近成功した小規模の臨床試験までこぎつけるまでに、長い時間を必要としました。

「でも、異種移植というアプローチに長期的な積み重ねが必須だ、とは必ずしも言えませんし、このブレークスルーは臓器不全の治療という分野で大きな方向転換を意味するかもしれません」

「それは10年以内に、実際に何百万もの患者達に利益をもたらす可能性を持っているかもしれないのです」

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

科学は愛です 更新情報

科学は愛ですのメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング