科学は愛ですコミュの脳波を使ってロボットアームを操作、米研究機関がサルを使った実験に成功

（Monkey's brain controls robot arm：5月30日英語版配信分）

【Technobahn 2008/5/30 16:38】米研究機関がサルの脳から直接取り出した
脳波を利用して、サルの意図する通りに自在にロボットアームを操作させる
実験に成功していたことが29日までに、英科学雑誌「ネイチャー」に掲載さ
れた論文により明らかとなった。

この実験を行ったのは米ピッツバーグ大学（University of Pittsburgh）の
アンドリュー・シュワルツ（Andrew Schwartz）教授を中心とする研究グルー
プ。

研究グループは脳波を使ってロボットアームを動かすことができるような実
験装置を開発。その上でサルの脳に取り付けた電極をその実験装置に接続し、
サルが自分の考える通りにロボットアームを操作できるように訓練。その結
果、サルは自分が考えるだけで、ロボットアームを使って食べ物を掴み、そ
れを口に運ぶ動作を行うことが可能になったとしている。

脳波を使って外部に接続された機械を操作するという研究は他の研究機関で
も続けられているが、脳波は非線形的な性質を持つため、機械を操作すると
いったことに利用するのは非常に困難だった。

今回、研究グループはサルから取り出した脳波を同時に開発したプログラム
で処理することにより、非定常的、非線形的な要素を取り除き、特定の動作
に適したシグナルだけを抽出することに成功した。

研究グループでは今回の成果はまだ、研究の初期段階に過ぎないとしており、
今後、より精緻な操作が可能となるように研究を続けるとしている。

[Technobahn]
http://www.technobahn.com/news/2008/200805301638.html