科学は愛ですコミュの宗教は「幸福な人生に関連している」

（Religion 'linked to happy life'：3月20日英語版配信分全訳）

神への信仰心がより満足した人生に通じる、ということが研究によって示さ
れている。

信心深い人々は、失業や離婚などのショックに対してより良く対処すること
ができる、と主張する研究が王立経済学会の会合の場で発表された。

何千人にも上るヨーロッパ人から集められたデータによって、信仰心をもつ
人たちの「人生の満足度」がさらに高いレベルにあることが明らかになって
いる。

しかし、研究者のアンドリュー・クラーク教授によると、信仰とは関連のな
い宗教的な育て方のもつ他の側面が、将来の幸福に影響を及ぼしている可能
性を指摘している。

宗教と幸福の関連性を指摘する研究は、今回のものが初めてではない。多く
の心理学者たちは、信仰心かその習慣のいずれかに含まれるある要素が恩恵
をもたらしている、と考えている。

パリ経済大学院のクラーク教授と、共同執筆者であるヨーロッパ社会保障政
策・研究センター のOrsolya Lelkes博士は、キリスト教徒（カトリックと
プロテスタントの両方）を対象に、彼ら自身の幸福だけではなく、失業など
の問題に対する心構えを分析するため、世帯調査から得られた情報を用いた。

彼らによると、人生の失望から守ってくれる「心の余裕」を宗教がもたらし
得る、ということを示す発見が得られたという。

クラーク教授は次のように述べている。「もともと我々は、なぜ一部の欧州
諸国では、他の国々よりも気前の良い失業給付金が支払われているのかを明
らかにするためこの研究をはじめたのですが、分析結果が示していたのは、
信心深い人々はそうではない人々に比べて、失業によってもたらされる精神
的苦悶にあうことが少ない、ということでした」

「彼らは人生の満足度がさらに高かったのです」

▼人生の目的

礼拝へ出席する人たちは、当然ながら離婚に対して反対の立場をとる割合が
高かったが、そういう事態が起きた時は、夫婦の離別による心理学的な影響
は双方ともに比較的少ないものであった、と彼は語る。

「信心深い人々は、将来のためにご褒美を蓄えるよりも、むしろその日にご
褒美を経験している、ということを私たちは見出しました」

しかしながら、今回用いた調査方法では発見されていない要因が含まれてい
ることが考えられており、信心深い人々のライフスタイルや養育法に秘密が
隠されていて、安定した家庭での生活や人間関係などのようなものが、この
ような高い満足度をもたらしているのかもしれない、と彼は述べている。

メンタルヘルスに対する宗教の正確な貢献度については議論が続いているが、
幸福感を直接的に改善させるとするその他の証拠も存在する、と語るのはウォー
リック大学のLeslie Francis教授である。

彼によると、信者たちによって感じられる「人生の目的」が高まることによっ
て、恩恵がもたらされるのかもしれないという。

「宗教は自身喪失や失敗に通じ得るものであり、それによってネガティブな
効果が及ぼされる、とする他の見方も存在しますが、これらの調査結果は、
宗教にはポジティブな効果があるとするその他の研究と一致するものです」

「宗教が人々に害をもたらすと考える人々は、まだたくさんいます」

▼「無意味なもの」

英国世俗協会（無神論者と不可知論者の利害を代表する組織）の会長を務め
るTerry Sanderson氏は、幸福と宗教の間にある関連性を示そうとする諸研
究を「すべて無意味なもの」と述べる。

「非信仰者たちは、幸福になるためとして信念に依存することすらあり得ま
せん。もし宗教的な主張が信用できないと気づいたら、自己実現という観点
から、期待していた報酬が何であれ、彼らを信用することはなくなります」

「とにかく、幸福とは捉えどころのない概念なのです。私はクラシック音楽
を聴くとこの上なく幸せを感じ、フットボールを見ると嫌な気分になります」

「他の人々は、まさにこれと反対のものを感じます。結局、個々人によって
異なるものであり、さらには遺伝子質によって異なるのです」

しかし、福音主義同盟の会長を務めるJustin Thacker氏は、信仰と幸福との
間にある関係性について、もはや疑問の余地はないとする。

「これには複数の理由が存在しています。その内の一つに、連帯感や育まれ
た人間関係が挙げられますが、それだけですべての説明がつくものではあり
ません」

「その大部分は、神を信じることでもたらされる意味、目的、価値によるも
のであり、それに反して神を信じないということは、それらのものがもたら
されず自らが置き去りになるということなのです」