ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

万葉集コミュの万葉集巻第七(1068〜1417)1113・1114・1115 ・1116・1117・1118・1119・1120・1121・1122・1123・1124

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
7 1113;雑歌

[題詞](詠河)

此小川  白氣結  瀧至  八信井上尓  事上不為友

この小川 霧ぞ結べる たぎちゆく走井の上に 言挙げせねども 

このをがは きりぞむすべる たぎちたる はしりゐのへに ことあげせねども
・・・・・・・・・・・
この小川は霧が立ちこめている

急流の激しくしぶく轟音に向かって

神に言挙げはしていないのに 

立ちこめた白霧はまさに神の姿よ
・・・・・・・・・・・


7 1114;雑歌,序詞,土地讃美

[題詞](詠河)

吾紐乎  妹手以而  結八川  又還見  万代左右荷

吾が紐を 妹が手もちて 結八川 またかへり見む 万代までに
 
[わがひもを いもがてもちて] ゆふやがは またかへりみむ よろづよまでに
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
我が衣の紐を契りの標(しめ)に妻が結んだ

その名のとおりの結八川(ゆうやがわ)よ

またやって来て眺めよう 

いついつまでも妻との契りの紐を結んでくれた
  
万代までも添いとげん
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



7 1115;雑歌,序詞,土地讃美

[題詞](詠河)

妹之紐  結八<河>内乎  古之  并人見等  此乎誰知

妹が紐 結八河内を いにしへの みな人見きと ここを誰れ知る
 
[いもがひも] ゆふやかふちを いにしへの みなひとみきと ここをたれしる
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
契った妻が再会を祈って紐を結うという名の
 
この結八川(ゆうやかわ)の美しい河内を

いにしへの尊い人達は皆見たという

いまは誰か知る人皆忘れ誰れも振り返りもしない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 1116;雑歌,枕詞

[題詞]詠露

烏玉之  吾黒髪尓  落名積  天之露霜  取者消乍

ぬばたまの 我が黒髪に 降りなづむ 天の露霜 取れば消につつ
 
[ぬばたまの] わがくろかみに ふりなづむ あめのつゆしも とればけにつつ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
黒ぐろとしたわたしの黒髪に

降りかかる天の露霜

手に取ればたちまち消えていく 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 1117;雑歌

[題詞]詠花

嶋廻為等  礒尓見之花  風吹而  波者雖縁  不取不止

島廻すと 磯に見し花 風吹きて 波は寄すとも 採らずはやまじ
 
しまみすと いそにみしはな かぜふきて なみはよすとも とらずはやまじ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
島巡りの漁の時に

磯辺で見つけたあの花は

風が吹き波が打ち寄せようとも

きっと手に入れねばおさまらない
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
* 「島廻(しまみ)す」は漁の獲物を求めて島の周辺をめぐること。
* 「磯に見し花」は「磯」は岩の多い海岸、土地の美女を花にたとえる。
* 「風吹きて・・」は比喩、周囲に反対や困難な事情があろうともの意。


7 1118;雑歌,作者:柿本人麻呂歌集,三輪山,奈良,悲嘆

[題詞]詠葉

古尓  有險人母  如吾等架  弥和乃桧原尓  挿頭折兼

いにしへに ありけむ人も 我がごとか 三輪の桧原に かざし折りけむ
 
いにしへに ありけむひとも わがごとか みわのひはらに かざしをりけむ

[左注](右二首柿本朝臣人麻呂之歌集出)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昔の人も私と同じように

三輪の桧原の檜(ひのき)を手折って

山葛(やまかずら)として頭にかざしていたのでしょう
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
* 桧葉をかざすというのは三輪の神への信仰の行為だった。
 「桧原」は桧(ひのき)の生えている原。
* 桧原山で、神事に参加するしるしに桧葉のかざしを採り、山里から選ばれた女性が集まったと考えられる。
* 「ありけむ人」;
* 「あり」ラ行変格活用動詞「あり」の連用形。 (「生活する。住む」の意)
* 「けむ」は、過去推量の助動詞「けむ」の連体形。名詞「ひと」に付いて・・・生活していたのだろう人。
* 「か」は疑問の係助詞。
* 過去推量助動詞連体形「けむ」は、係助詞「か」の結び。
* 「簪折り」は、木の枝を簪にするために折ること。




7 1119;雑歌,作者:柿本人麻呂歌集,三輪山,奈良,悲嘆

[題詞](詠葉)

徃川之  過去人之  手不折者  裏觸立  三和之桧原者

行く川の 過ぎにし人の 手折らねば うらぶれ立てり 三輪の桧原は
 
[ゆくかはの] すぎにしひとの たをらねば うらぶれたてり みわのひはらは

[左注]右二首柿本朝臣人麻呂之歌集出
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
行く川も 人もただ過ぎ去るばかりで

桧の枝を折って簪にする人もいなくなりました

力なく立っているような三輪の桧原です
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
* 「過ぎ」は、ガ行上二段活用動詞「過ぐ」の連用形。
* 「に」は、完了の助動詞「ぬ」の連用形。
* 「し」は、過去の助動詞「き」の連体形。 過ぎ去ってしまった。
* 「過ぎにし」が「行く川」と「人」とを比喩的につないでいる。
* 「ね」は、打消の助動詞「ず」の已然形。
* 「ば」接続助詞、原因理由の確定条件。
* 「うらぶれ」は「悲しみに沈む。しおれる」意。



7 1120;雑歌,吉野,土地讃美

[題詞]詠蘿

三芳野之  青根我峯之  蘿席  誰将織  經緯無二

み吉野の 青根が岳の 蘿むしろ 誰れか織りけむ 経緯なしに
 
みよしのの あをねがたけの こけむしろ たれかおりけむ たてぬきなしに
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
吉野の青根が峰一面の苔蓆(むしろ)は

一体誰が織ったのだろうか

縦糸横糸も使わずに目もないほどに美しく
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

7 1121;雑歌,恋情

[題詞]詠草

妹<等所>  我通路  細竹為酢寸  我通  靡細竹原

妹らがり 我が通ひ道の 小竹すすき 我れし通はば 靡け小竹原
 
いもらがり わがかよひぢの しのすすき われしかよはば なびけしのはら
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
妻のもとへ私が通う道に茂っている篠(しの)やすすきよ

私のために穏やかになびいてくれ

篠の原よ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


7 1122;雑歌,序詞

[題詞]詠鳥

山際尓  渡秋沙乃  <行>将居  其河瀬尓  浪立勿湯目

山の際に 渡るあきさの 行きて居む その川の瀬に 波立つなゆめ
 
やまのまに わたるあきさの ゆきてゐむ そのかはのせに なみたつなゆめ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
山間を渡る秋沙鴨がどこかの川に宿るだろう

その川よけっして波立たないで迎えておやり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
* 「秋沙」は鴨の一種。


7 1123;雑歌,奈良,恋情

[題詞](詠鳥)

佐保河之  清河原尓  鳴<知>鳥  河津跡二  忘金都毛

佐保川の 清き川原に 鳴く千鳥 かはづと二つ 忘れかねつも
 
さほがはの きよきかはらに なくちどり かはづとふたつ わすれかねつも
・・・・・・・・・・・・・・・
佐保川の清らかな川原で

千鳥とカワズ(カジカの類)が鳴いた

どちらも忘れられないよ
・・・・・・・・・・・・・・・
* 「佐保川」は奈良市北郊を流れる川で、初瀬川に合流する。


7 1124;雑歌,奈良,恋情

[題詞](詠鳥)

佐保<川>尓  小驟千鳥  夜三更而  尓音聞者  宿不難尓

佐保川に 騒ける千鳥 さ夜更けて 汝が声聞けば 寐ねかてなくに
 
さほがはに さわけるちどり さよふけて ながこゑきけば いねかてなくに
・・・・・・・・・・・
佐保川で鳴き騒いでいる千鳥よ

夜がふけてからおまえの声が聞えてくると

目がさえて眠れないじゃないか
・・・・・・・・・・・

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

万葉集 更新情報

万葉集のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング