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万葉集コミュの万葉集 巻4(484〜792)513

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4 513;相聞,作者:志貴皇子、恋情,逢会,植物,序詞

[題詞]志貴皇子御歌一首

大原之  此市柴乃  何時鹿跡  吾念妹尓  今夜相有香裳

大原の このいち柴の いつしかと 我が思ふ妹に 今夜逢へるかも
 
[おほはらの このいちしばの] いつしかと あがおもふいもに こよひあへるかも
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いつ逢えるか早く逢いたいと

強く思っていたあなたに

今夜たっと逢えましたよ
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* 大原は奈良県高市郡明日香村。
* 「いち柴」の「いち」は「いつ」と同じく勢いの盛んなことを表わす語。
* [おほはらの このいちしばの] 大原のこの盛んに繁る「いち柴」ではないが。序詞。
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志貴皇子の歌は万葉集に6首収められているが、いずれも繊細な美しさに満ち溢れる名歌である。

「石ばしる 垂水の上の さわらびの 萌え出づる 春になりにけるかも」

「神なびの 石瀬の杜の ほととぎす 毛無の岡に いつか来鳴かむ」

「大原の このいち柴の いつしかと 我が思ふ妹に 今夜逢へるかも」

「むささびは 木末求むと あしひきの 山の猟師に 逢ひにけるかも」

「采女の 袖ふきかへす 明日香風  都を遠み いたづらに吹く」

「葦辺ゆく 鴨の羽交(はがひ)に 霜降りて 寒き夕へは 大和し思ほゆ」

巻十(二〇四九)に、
「天漢(あまのがは) 川門(かはと)にをりて 年月を 恋ひ来し君に 今夜(こよひ)逢へるかも」

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志貴皇子 しきのみこ 生年未詳〜霊亀二(716)
天智天皇の第七皇子(続紀薨伝による。『類聚三代格』は第三皇子とする)。
母は越道君娘(こしのみちのきみのいらつめ)。
正室は多紀皇女(天武天皇の皇女で伊勢斎宮)。
側室に紀朝臣橡姫(白壁王の母)がいる。
子に白壁王(光仁天皇)・湯原王・海上女王などがいる。
名は芝基・施基・志紀などにも作る。
万葉集では志貴に統一されているが、『皇胤紹運録』『尊卑分脈』など施基と記す書も少なくない。
光仁天皇即位後の宝亀元年(770)、御春日宮天皇と追尊された。田原天皇とも称される。

天武八年(679)五月の六皇子の盟約に参加。
朱鳥元年(686)八月、諸皇子と共に封を加増され、磯城皇子と同じく200戸を加えられる。
持統三年(689)六月、撰善言司に任ぜられる。
同八年の藤原京遷都ののち、「明日香宮より藤原宮に遷居りましし後」の作歌がある。
大宝三年(703)九月、近江の鉄穴を賜る。この時四品。
同年十月、持統上皇御葬送の際、造御竈長官。
慶雲元年(704)正月、封100戸を加増される。
同三年の文武天皇難波行幸に従い、この時作歌がある。
同四年六月、文武天皇崩御の際、殯宮に供奉。この時三品とあり、翌年の叙品の記事と矛盾する。
和銅元年(708)正月、三品を授けられる。
同七年正月、長親王らと共に封200戸を益増。この時初めて封租を全給され、封租全給の初例となった。霊亀元年(715)正月、二品。同二年八月十一日(九日とも)、薨去。山陵は田原西陵と称され、高円山の東南、奈良市須山町にある。

万葉集収載歌は六首であるが、秀歌として名高い歌が多く、万葉集を代表する歌人の一人に数えられる。古今集以後の勅撰集には五首入集。(千人万首)
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<転載記事>『旅人』「志貴皇子ーたった一人の天智系皇子」より。
http://blogs.yahoo.co.jp/chiyokokkk/8016727.html
志貴皇子は、天智天皇の第 7皇子。白壁王(しらかべのおおきみ・49代光仁天皇)、湯原王らの父。施基・芝基・志紀などとも記す。天武天皇の皇子磯城皇子とは同名別人。
母は、越道君伊羅都売(こしのみちのきみいらつめ・越出身の釆女)
妻は、多紀皇女(たき・天武皇女)
霊亀元年(715)二品(にほん)を授けられ、翌 2年 8月薨。万葉集では元年 9月薨とある。
光仁天皇が即位すると、春日宮御宇天皇(かすがのみやにあめのしたおさめたまいし)と、追尊され、また墓の所在地により田原天皇とも呼ばれた。 6首。
志貴皇子の豪華なお葬式!(万葉集・巻2・230)
志貴皇子の宮殿は高円山の西北麓白毫寺町の辺りにあったといわれ、墓(春日宮天皇陵)は、高円山の東南麓、須山町東金坊にある。
「喪葬令」によれば、二品の皇子の葬送には、鼓80、大角(はらのふえ)40、小角(くだのふえ)80、幡 350、楯 7、これに金鉦(こんしょう)・鐃鼓(どうこ)を加えた鼓笛隊が随行する規定であった。
1000人を越える大葬列が、地獄谷を東に進み、その松明の火の行列は高円山の野焼きのように見えた。

「明日香宮より藤原宮に遷りましし後、志貴皇子の作りませる御歌」
♪釆女の 袖吹きかへす 明日香風 京(みやこ)を 遠み いたづらに吹く   (万葉集・巻1・51)
 (釆女らの 袖を吹き返していた 明日香風は 都が遠のいたので むなしく吹いている)
釆女は、各国から天皇に奉られた地方豪族出身の女性。郡司クラスが美女を差し出した。
694年藤原宮に遷都後、明日香の地にて孤独・懐旧を歌った。
変貌を続ける現実から見れば、敗者に映るかも知れない。だが、滅びていこうとする風土に、暖かいまなざしを向ける皇子。
明日香の地は、万葉人の理想郷でした。

巻8の巻頭歌、
♪石走(いはばし)る垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも(万葉集・巻8・1418)
滝のほとりのワラビが萌え出してきた。今まで雪や氷に閉ざされていた。それが解きほぐされて伸び伸びと、川の音も立ち、そして、そばにはワラビが、まさに握りこぶしをふりあげているような感じ。もう
淀みなく水も流れ、心も淀みなく伸びていくような感じ。

志貴皇子と紀櫲姫の子は、第一皇子白壁(光仁天皇)。
志貴皇子と多紀の子は、湯原・榎井・春日。

湯原大王(ゆはらのおおきみ)の歌。
♪吉野なる 夏実の河の 川淀に 鴨ぞ鳴くなる 山かげにして        (万葉集・巻3・375)
 (吉野にある 夏実の川の 川淀で 鴨が鳴いている あの山の陰で)
♪目には見て 手にはとらへぬ 月の内の 楓(かつら)のごとき 妹をいかにせむ   (巻4・632)
 (目には見ても 手には取れない 月の中の 桂のような あなたをどうしたらよかろう)
古代中国の俗言に、月には桂の木があるとされた。それは巨木でよく繁茂し、芳香を発する神聖な木。
お酒の「月桂冠」は、ここから名づけたのかな。
♪夕月夜(ゆふづくよ)心もしのに 白露の おくこの庭に こほろぎ鳴くも  (万葉集・巻8・1552)
 (夕月夜の 胸にせつなくなるばかりに 白露の 置くこの庭に こおろぎが鳴いている)
父・志貴皇子の素質をうけている。繊細な歌。

榎井王(えのいのおほきみ)の歌。
♪玉しきて 待たましよりは たけそかに 来たる今夜(こよい)し 楽しく思ほゆ   (巻6・1015)
 (玉を敷いて お待ちくだっさったのよりは ずかずか 参上した今夜こそ 楽しく思われます)
主人が接待の不備を詫びるのを遮って来客は、これで十分、何の不足があろうか、と挨拶するのが慣例。
737年、春正月に門部王の家での宴に行き、後で追和した歌。

春日王(かすがのおほきみ)の歌。
♪あしひきの 山橘の 色に出よ 語らひ継ぎて あふこともあらむ      (万葉集・巻4・669)
 (アシヒキノ 山橘のように 思いを口に出してしまえ 人が語り伝えてくれて 逢えることもあろう

安貴王(あきのおほきみ・春日王の子・志貴皇子の孫・妻は紀女郎)
♪しきたへの 手まくらまかず 間置きて 年ぞ経にける あはなく思へば   (万葉集・巻4・535)
 (シキタヘノ 手枕もしないで 遠く離れて 年が過ぎてしまった 逢わないでいるうちに)
 神亀元年(724) 因幡八上釆女(やかみのうねめ)を娶って、愛情盛んであったが、不敬の罪に当てられ
 本郷に退けられた後、悲嘆して詠んだ歌。
因幡国八上郡(鳥取県八頭(八頭)郡西北部)から具進された釆女の一人を、30才過ぎて無位の安貴王が娶ったということ自体異常であるが、更に無視できないのは、この釆女が、藤原麻呂の子・浜成を生んだ「八上釆女」と同一人物と考えられることである。
♪秋立ちて 幾日(いくか)もあらねば この寝ぬる 朝けのかぜは たもと寒し(万葉集・巻8・1555)
 (秋になって 幾日も経たないのに この寝てのあくる日の 朝の風は たもとに 寒く感じられる)立秋・秋風に驚いている歌。
一年を四季に分け、夏・秋などのけじめを、暦によって決め、それを実感としてではなく知的に感じとろうというのは、大陸から伝えられた一種の趣味。

市原王(いちはらのおほきみ・安貴王の子・志貴皇子のヒ孫)
♪時待ちて 落つるしぐれの 雨止みぬ 明けぬ朝か 山のもみたむ      (万葉集・巻8・1551)
 (時分よく 降り来るしぐれの 雨がやんだ 明日の朝には 山も紅葉していよう)
♪一つ松 幾代か歴(へ)ぬる 吹く風の 聲(おと)の清きは 年深みかも  (万葉集・巻6・1042)
 (このひともとの松は 幾代を経ていることであろうか この松を吹く風の音が清く澄んでいるのは 久しい年を経ているからであろうか)
市原王は、自分が一人子であることを嘆いている。


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