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万葉集コミュの万葉集巻三(235〜483)279・280・281

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ハンノキ(榛の木)  カバノキ科
学名:Alnus japonica
 花期:早春
 落葉高木。雌花は紅紫色で成熟すると長さ 2 センチほどの松毬状の果穂になり翌年の春まで木についています(写真にも写っています)。これが染料として使われるそうです。ヤマハンノキは雌花が細長く,先がやや尖っています。         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

279;雑歌,作者:高市黒人,羈旅,兵庫

[題詞]高市連黒人歌二首

吾妹兒二  猪名野者令見都  名次山  角松原  何時可将示

我妹子に 猪名野は見せつ 名次山 角の松原 いつか示さむ

わぎもこに ゐなのはみせつ なすきやま つののまつばら いつかしめさむ

* 妻に与えた歌。
* 猪名野  今の兵庫県伊丹市から尼崎市あたりの平野。
* 名次山  西宮市名次町の丘陵。
* 角の松原 西宮市松原町の津門(つと)の海岸という。
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妻よ

あなたに猪名野は見せたよ

名次山と角の松原も

いつか見せてあげたいものだ
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【先蹤歌】中皇命「万葉」1-12

我が欲りし 野島は見せつ 底深き 阿胡根の浦の 玉ぞ拾(ひり)はぬ
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280;雑歌,作者:高市黒人,羈旅,兵庫

[題詞](高市連黒人歌二首)

去来兒等  倭部早  白菅乃  真野乃榛原  手折而将歸

いざ子ども 大和へ早く 白菅の 真野の榛原 手折りて行かむ

いざこども やまとへはやく しらすげの まののはりはら たをりてゆかむ

* いざ子ども  旅の同行者に対する呼びかけ。
  妻がこの歌に返答しているので、一行の中には妻も含まれていたか。
* 白菅  カヤツリグサ科の植物。スゲの一種。
* 真野  神戸市長田区真野町あたり。琵琶湖西岸の真野とする説もある。
* 榛原  ハンノキ林。ハンノキはカバノキ科の落葉高木。低湿地に生える。紅葉が美しい。
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さあ皆の者よ

大和へ早く帰ろう

白菅の茂る真野の榛(はん)の木の林で

小枝を手折りつつ行こう
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【主な派生歌】

いざ子ども 香椎の潟に 白妙の 袖さへ濡れて 朝菜つみてむ  (大伴旅人[万葉])

いざ子ども 早く大和へ 大伴の 御津の浜松 待ち恋ひぬらむ  (山上憶良[万葉])
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281;雑歌,作者:高市黒人妻,羈旅,兵庫

[題詞]黒人妻答歌一首(夫の黒人の歌(3-280)に和した歌。)

白菅乃  真野之榛原  徃左来左  君社見良目  真野乃榛原

白菅の 真野の榛原 行くさ来さ 君こそ見らめ 真野の榛原

しらすげの まののはりはら ゆくさくさ きみこそみらめ まののはりはら

* 白菅の  真野の代表的な景物をあげて、枕詞風に修飾した句。榛(はん)の木や白菅の生える湿原があったらしい。
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真野の、ハンノキの林がある湿原

旅の往き帰りに

あなたは度々眺められるでしょう

私は再び見ることもないでしょうから

よく眺めておきましょう

この美しい真野の榛原を
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高市黒人 たけちのくろひと 生没年未詳

持統・文武朝頃の歌人。伝不詳。
高市氏は県主(あがたぬし)氏族の一つで、古来大和国高市県(今の奈良県高市郡・橿原市の一部)を管掌した。
大宝元年(701)の太上天皇吉野宮行幸、同二年の参河国行幸に従駕して歌を詠む。
すべての歌が旅先での作と思われる。
下級の地方官人であったとみる説が有力。
万葉集に十八首収められた作は、すべて短歌である。勅撰集では玉葉集に初出。

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