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万葉集コミュの万葉集 20・2122・23・24

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20;雑歌,作者:額田王

[題詞]天皇遊猟蒲生野時額田王作歌

茜草指  武良前野逝  標野行  野守者不見哉  君之袖布流

あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る

[あかねさす],むらさきのゆき,しめのゆき,のもりはみずや,きみがそでふる

[左注](紀曰 天皇七年丁卯夏五月五日縦猟於蒲生野 于時<大>皇弟諸王内臣及群臣 皆悉従焉)

滋賀,野遊び,求婚,宴席,枕詞
・・・・・・・・・・・・・・・・ 
茜色に輝く紫草が栽培されている野には
天皇の番人がいます
その番人たちに見られてしまうではありませんか
あなたが私に袖を振っているのを
不安です

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21;雑歌,作者:大海人,天武

[題詞](天皇遊猟蒲生野時額田王作歌)皇太子答御歌 [明日香宮御宇天皇謚曰天武天皇]

紫草能  保敝類妹乎  尓苦久有者  人嬬故尓  吾戀目八方

紫の にほへる妹を 憎くあらば 人妻故に 我れ恋ひめやも

むらさきの にほへるいもを にくくあらば ひとづまゆゑに われこひめやも

[左注]紀曰 天皇七年丁卯夏五月五日縦猟於蒲生野 于時<大>皇弟諸王内臣及群臣 皆悉従焉

滋賀,野遊び,求婚,宴席,枕詞
・・・・・・・・・・・・・・・
茜色の紫草のよう
美しいあなたを憎く思うなら
もはや人妻であるあなたを
これほどまでに恋しいはずはない
どんなに危うかろうと
人妻であろうとあなたが愛しい

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22;作者:吹黄刀自,十市皇女,阿閇皇女,三重,予祝

[題詞]明日香清御原宮天皇代 [天渟中原瀛真人天皇謚曰天武天皇] / 十市皇女参赴於伊勢神宮時見波多横山巌吹黄刀自作歌
十市皇女の伊勢神宮に参り赴(おもむ)く時に、波多(はた)の横山の巌(いはほ)を見て、吹黄刀自の作る歌。

河上乃  湯津盤村二  草武左受  常丹毛冀名  常處女煮手

かはのへの, ゆついはむらに, くさむさず, つねにもがもな, とこをとめにて

川の上の ゆつ岩群に 草生さず 常にもがもな 常処女にて

[左注]吹黄刀自未詳也 但紀曰 天皇四年乙亥春二月乙亥朔丁亥十市皇女阿閇皇女参赴於伊勢神宮
・・・・・・・・・・・・・・・
川のほとりの神々しい岩々に草が生えないように
変わらずにいてください
いつまでも若い乙女のままで
・・・・・・・・・・・・・・・
【補記】十市皇女は天武天皇の皇女であり、壬申の乱で同天皇に敗れた大友皇子の妻でもある。「波多の横山」は三重県一志郡一志町の山というが、現在のどの山にあたるかは不明。

河上乃 ーかはのへのー川の上のー川のほとりの、 
湯津盤村二ーゆついはむらにーゆつ岩群にー「ゆつ」は接頭語で、神聖・清浄の意を表わす。 
草武左受ーくさむさずー草生さずー草が生えない(ように)、  
常丹毛冀名ーつねにもがもなー常にもがもなー「がもな」は終助詞「がも」に詠嘆の終助詞「な」のついたもの。詠嘆を含む願望を表わす。  
常處女煮手ーとこをとめにてー常処女にてーいつまでも若い乙女のままで。
・・・・・・・・・

23;作者:時人,麻続王,愛知,伝承,枕詞

[題詞]麻續王流於伊勢國伊良虞嶋之時人哀傷作歌

打麻乎  麻續王  白水郎有哉  射等篭荷四間乃  珠藻苅麻須

うちそを, をみのおほきみ, あまなれや, いらごのしまの, たまもかります

打ち麻を 麻続の王 海人なれや 伊良虞の島の 玉藻刈ります

[左注](右案日本紀曰 天皇四年乙亥夏四月戊戌朔乙卯三位麻續王有罪流于因幡 一子流伊豆嶋 一子流血鹿嶋也 是云配于伊勢國伊良虞嶋者 若疑後人縁歌辞而誤記乎)
・・・・・・・・・・・・・・
あゝ麻続王は海人(あま)なのだろうか
伊良胡の島の玉藻を刈っていらっしゃる
・・・・・・・・・・・・・・

24;作者:麻続王,愛知,伝承,歌語り,枕詞

[題詞](麻續王流於伊勢國伊良虞嶋之時人哀傷作歌)麻續王聞之感傷和歌
それに麻続王が和した歌

空蝉之  命乎惜美  浪尓所濕  伊良虞能嶋之  玉藻苅食

うつせみの, いのちををしみ, なみにぬれ, いらごのしまの, たまもかりはむ

うつせみの 命を惜しみ 波に濡れ 伊良虞の島の 玉藻刈り食む

[左注]右案日本紀曰 天皇四年乙亥夏四月戊戌朔乙卯三位麻續王有罪流于因幡 一子流伊豆嶋 一子流血鹿嶋也 是云配于伊勢國伊良虞嶋者 若疑後人縁歌辞而誤記乎
・・・・・・・・・・・・・・・
この世のひとときの命を惜しみながら
波に濡れて伊良胡の島の玉藻を刈る
・・・・・・・・・・・・・・・
打麻乎ーうちそをー打ち麻をー「そ」は「麻」の古語。枕詞ー「おみ」にかかる。 
麻續王ーをみのおほきみー麻続の王 
白水郎有哉ーあまなれやー海人なれやー海人(あま)なのだろうか。 
射等篭荷四間乃ーいらごのしまのー伊良虞の 
珠藻苅麻須ーたまもかりますー玉藻刈りますー玉藻は「藻」の美称。
空蝉之ーうつせみのーこの世のひとときの、 
命乎惜美ーいのちををしみー命を惜しみー命を惜しみながら、  
浪尓所濕ーなみにぬれー波に濡れ、  
伊良虞能嶋之ーいらごのしまのー伊良虞の島の 
玉藻苅食ーたまもかりはむー玉藻刈り食む。

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