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万葉集コミュの万葉集322・323・324・325

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322;雑歌,作者:山部赤人,伊予温泉,道後温泉,愛媛,羈旅

[題詞]山部宿祢赤人至伊豫温泉作歌一首[并短歌]


[原文]ー[仮名]ー[訓読]

皇神祖之ーすめろきの ー天皇たるーみかど
神乃御言<乃>ーかみのみことのー神の命のー神の命が
敷座ーしきませるー敷きませるー統治なさる
國之盡ーくにのことごとー国のことごとー国の全てに
湯者霜ーゆはしもー湯はしもー温泉は
左波尓雖在ーさはにあれどもー多くあるけれども
嶋山之ーしまやまのー島山の
宣國跡ーよろしきくにとー宣しき国とー良い国として
極此<疑>ーこごしかもーごつごつした岩根ー険しい、「か・も」二語とも詠嘆終助詞。
伊豫能高嶺乃ーいよのたかねのー伊予の高嶺のー伊予の高嶺の
射狭庭乃ーいざにはのー射狭庭のー道後温泉裏に伊佐尓波(いさにわ)神社がある。その付近の岡。
崗尓立而ーをかにたたしてー岡に立たしてー岡に天皇がお立ちになって
歌思ーうたおもひー歌思ひー昔を回顧しながら歌を思いー斉明七年(661)、斉明天皇が亡き夫、舒明天皇を偲んで歌を詠んだ(万葉集1-8左注)ことを言うか
辞思為師ーことおもはししー辞思はししー神祭りの、言上げをなさったー言葉を練られた
三湯之上乃ーみゆのうへのーみ湯の上のー出湯のほとりの
樹村乎見者ーこむらをみればー木群を見ればー木々を見ると
臣木毛ーおみのきもー臣の木もー モミの木も
生継尓家里ーおひつぎにけりー生ひ継ぎにけりー今に生い継いでいる
鳴鳥之ーなくとりのー鳴く鳥の
音毛不更ーこゑもかはらずー声も変らずー声も昔と変わっていない
遐代尓ーとほきよにー遠き代にー遠く後の時代までも
神左備将徃ーかむさびゆかむー神さびゆかむーますます神々しくなっていくことだろう
行幸處ーいでましところー幸しところー天皇が行幸したこの地は
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
{{{:
天皇たる神の命が統治なさる国々の全てに

温泉は多々あるけれども

島山の良い国として

険しい伊予の高嶺の

伊佐尓波の岡に天皇がお立ちになって

昔を回顧しながら歌を思い

神祭りの言上げをなさった

出湯のほとりの木々を見ると

モミの木も今に生い継いでいる

鳴く鳥の声も昔と変わっていない

遠く後の時代までも

ますます神々しくなっていくことだろう

天皇が行幸したこの地は
}}}

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323;雑歌,作者:山部赤人,伊予温泉,道後温泉

[題詞](山部宿祢赤人至伊豫温泉作歌一首[并短歌])反歌


[原文] 百式紀乃  大宮人之  飽田津尓  船乗将為  年之不知久

[訓読] ももしきの 大宮人の 熟田津に 船乗りしけむ 年の知らなく

[仮名] ももしきの おほみやひとの にきたつに ふなのりしけむ としのしらなく

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{{{:
大宮人がこの熟田津から船出したであろう昔は

あまりに年月がたち過ぎて

その有様が想像できないほどなのだよ
}}}

熟田津に 舟乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな  額田王(巻一・八)

山の端に あぢ群騒き 行くなれど 我れは寂しゑ 君にしあらねば  斉明天皇(巻四・四八六)

  などに関わることか?

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324;雑歌,作者:山部赤人,神丘,神奈備山

[題詞]登神岳山部宿祢赤人作歌一首[并短歌]
神岳に登って、山部宿祢赤人が作った歌一首

[原文]ー[仮名]ー[訓読]

三諸乃ーみもろのー「み」は尊敬意の接頭語。神の鎮座する所。神が天下り降臨する所。
神名備山尓ーかむなびやまにー神なび山にー神奈備山に
五百枝刺ーいほえさしー五百枝さしー多くの枝を広げて
繁生有ーしじにおひたるーしじに生ひたるー「しじに」数多く。生い茂っている
都賀乃樹乃ーつがのきのー栂の木のー栂の木のように
弥継<嗣>尓ーいやつぎつぎにーいや継ぎ継ぎにー次々に
玉葛ーたまかづらー玉葛ーまた玉葛のごとく
絶事無ーたゆることなくー絶ゆることなくー絶えることなく
在管裳ーありつつもー (状態の継続)
不止将通ーやまずかよはむーやまず通はむーこのように通い続けたいと思う
明日香能ーあすかのー明日香のー明日香の
舊京師者ーふるきみやこはー古き都はー旧都は
山高三ーやまたかみー山高みー山も高く
河登保志呂之ーかはとほしろしー川とほしろしー川も雄大に流れている
春日者ーはるのひはー春の日はー春の日には
山四見容之ーやましみがほしー山し見がほしー 山を見飽きる事がなく
秋夜者ーあきのよはー秋の夜はー秋の夜には
河四清之ーかはしさやけしー川しさやけしー 川音がさやかである
<旦>雲二ーあさくもにー朝雲にー朝雲に
多頭羽乱ーたづはみだれー鶴は乱れー鶴は乱れ舞い
夕霧丹ーゆふぎりにー夕霧にー夕霧に
河津者驟ーかはづはさわくーかはづは騒くー蛙は鳴き騒ぐ
毎見ーみるごとにー見るごとにーこの光景を見るたびに
哭耳所泣ーねのみしなかゆー音のみし泣かゆー思わず泣けてしまうことだよ
古思者ーいにしへおもへばーいにしへ思へばー古き時代に思いを馳せると
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
{{{:
神が天下り降臨する神奈備山に

多くの枝を広げて次々に 生い茂っている栂の木のように

また絶えることのない玉葛のように

通い続けたいと思う明日香の旧都

山は高く峻厳で

川は雄大に流れている

春の日には 山を見飽きる事がなく

秋の夜には 川音がさやかである

朝雲に鶴は乱れ舞い

夕霧に蛙は鳴き騒ぐ

この光景を見るたびに

思わず泣けてしまうことだよ

古き時代に思いを馳せて
}}}

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325;雑歌,作者:山部赤人,神丘,神奈備山,飛鳥

[題詞](登神岳山部宿祢赤人作歌一首[并短歌])反歌


[原文] 明日香河  川余藤不去  立霧乃  念應過  孤悲尓不有國

[訓読] 明日香河 川淀さらず 立つ霧の 思ひ過ぐべき 恋にあらなくに 

[仮名] あすかがは かはよどさらず たつきりの おもひすぐべき こひにあらなくに

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{{{:
明日香川の川淀を離れず

立ちのぼっては過ぎ去る霧

その霧のように

私の思いは簡単に思い切れる

そんな慕情ではないのに
}}}

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(千人万首)

山部赤人 やまべのあかひと 生没年未詳

奈良時代の歌人。制作年の知られる歌はすべて聖武天皇代の作である。
神亀元年(724)の紀伊国行幸、同二年の吉野行幸・難波行幸、同三年の播磨国印南野行幸、
天平六年(734)年の難波行幸、同八年の吉野行幸などに従駕し、土地讃めの歌を作る。伊予温泉や勝鹿真間、田子の浦などで詠んだと思われる歌もあり、広く各地を旅していたらしい。閲歴は全く不明であるが、下級官人であったろうと推測される。また故藤原不比等邸の「山池」を詠んだ歌があり、藤原氏との深い関係が窺われる。
万葉集収載歌は長歌十三首、短歌三十七首。三十六人集(歌仙家集)の一巻として伝わる『赤人集』は、大半が万葉集巻十の作者不明歌で占められており、万葉集抄出本と呼ぶべきものである。

古来柿本人麻呂と並称された歌仙。大伴家持の書簡に記された「山柿の門」の「山」は赤人を指すと見る説が有力であり(但し山上憶良説などもある)、古今集序では人麻呂と共に歌仙として仰がれている。勅撰集には拾遺集を始め五十首程入集している。

コメント(1)

はじめまして
万葉集はなにか広々としていいですね。
古今集ファンとしてもその良さを認めざるをえません。
長歌を読ませて頂いていると物語を読んでいるように
思われます。
恋を孤悲と文字を当てているのにとても感心しました。
ありがとうございます。

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