万葉集コミュの万葉集２３・２４首目

23；作者：時人,麻続王,愛知,伝承,枕詞,地名,植物

[題詞]麻續王流於伊勢國伊良虞嶋之時人哀傷作歌

[原文]　打麻乎　麻續王　白水郎有哉　射等篭荷四間乃　珠藻苅麻須

[仮名],　うちそを,　をみのおほきみ,　あまなれや,　いらごのしまの,　たまもかります

[訓読]　打ち麻を　麻続の王　海人なれや　伊良虞の島の　玉藻刈ります

[左注]（右案日本紀曰天皇四年乙亥夏四月戊戌朔乙卯三位麻續王有罪流于因幡一子流伊豆嶋一子流血鹿嶋也是云配于伊勢國伊良虞嶋者若疑後人縁歌辞而誤記乎）

24；作者：麻続王,愛知,伝承,歌語り,枕詞,植物,地名

[題詞]（麻續王流於伊勢國伊良虞嶋之時人哀傷作歌）麻續王聞之感傷和歌

[原文]　空蝉之　命乎惜美　浪尓所濕　伊良虞能嶋之　玉藻苅食

[仮名],　うつせみの,　いのちををしみ,　なみにぬれ,　いらごのしまの,　たまもかりはむ

[訓読]　うつせみの　命を惜しみ　波に濡れ　伊良虞の島の　玉藻刈り食む

[左注]右案日本紀曰天皇四年乙亥夏四月戊戌朔乙卯三位麻續王有罪流于因幡一子流伊豆嶋一子流血鹿嶋也是云配于伊勢國伊良虞嶋者若疑後人縁歌辞而誤記乎

23
あゝ麻続王は海人(あま)なのだろうか
伊良胡の島の玉藻を刈っていらっしゃる

それに麻続王が和した歌

24
この世のひとときの命を惜しみながら
波に濡れて伊良胡の島の玉藻を刈る

　,　,　,　,　,　,　,　,　,　,　,　,　,　,　,　,,　,　,　,　,　,　,　,　,　,　,　,　,　,

　　　　

打麻乎ーうちそをー打ち麻をー「そ」は「麻」の古語。枕詞ー「おみ」にかかる。　
麻續王ーをみのおほきみー麻続の王　
白水郎有哉ーあまなれやー海人なれやー海人(あま)なのだろうか。　
射等篭荷四間乃ーいらごのしまのー伊良虞の島の　
珠藻苅麻須ーたまもかりますー玉藻刈りますー玉藻は「藻」の美称。
　　　

空蝉之ーうつせみのーこの世のひとときの、　
命乎惜美ーいのちををしみー命を惜しみー命を惜しみながら、　
浪尓所濕ーなみにぬれー波に濡れ、　
伊良虞能嶋之ーいらごのしまのー伊良虞の島の、　
玉藻苅食ーたまもかりはむー玉藻刈り食む。