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SLOWLY STORYコミュの【恋愛】LOVER SIDE

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とりあえず、最初なんで練習がてら短めに設定します。100回目のコメントで締めくくることを目標としますので、100回目でうまく終われるよう、みなさん協力し合って頑張りましょう(笑)

一応ルールとしては、PC上のこのコメント枠内に収まるぐらいの長さを1回分の投稿の最大文字数としたいと思います。

タイトルは後から流れをみてつけようかと思っています。

コメント(85)

スプーンとフォークを上手に使って食べる沙織。
コトの経緯を説明させられることから逃げるように、黙々とパスタをほおばってる。
パスタを食べる時はスプーンを使わない幸太郎。
スプーンを使って食べるスマートさに憧れて練習したこともあった。
「加奈子ちゃんはどっち派だろう?」
やっぱり加奈子のことばかり考えてしまう。
「ごちそーさま!!」
何事もなかったように、沙織は口元をナプキンで拭ってる。
「で、結局あんたはどうしたいわけ?」
沙織の言葉はいつものようにストレートだ。
「いや、どうしたいって言うか・・・俺にもわからないよ」

そこへマスターが食後のコーヒーと、そして俺にはもう一杯のグラスワインを持ってきてくれた。

「あ、俺頼んでないっすけど?」
「いいからいいから。幸太郎もさおりみたいにぶっちゃけたら?」
マスターの口車にうまいように乗せられ、幸太郎は目の前のワインを一気に飲み干し、話し始めた。
「よっし!!うじうじしてるな、幸太郎!!マスターとしゃべっている暇があるなら、気になってたまらんちーの加奈子に連絡取んなよ!!」

「おいおい、ちょっとマスターである俺に対して失礼な発言だな。。。。。それより、この前の例の女の子はどうなんだよ。あれ、智恵ちゃんだろぉ??」

「何それ!!?」沙織が叫んだ。「まだ元カノと会っているの??」
「。。。。本当、マスターも口が軽いなぁ。。お願い!!沙織。絶対言うなよ。別にあいつとはなんでもないんだよ。もう。。。」

この二人は俺の恋愛に関してものすごくおせっかいなのである。
改めて思い出すとこの日が大きな転機となった事は間違いない。ワインの力を借りつつ思いのたけを包み隠さず幸太郎は話した。

加奈子ちゃんの事・・
智恵の事・・
そして自分の事・・

幸太郎はこの日のblogにこう綴っていた。

「出逢いは偶然。この偶然を運命に変える事。それが今の俺の使命。一歩だけで良いから前に進んでみよう」
でも、偶然を運命に変えることなんてできるのか。運命っていうのは、もともと偶然に導かれたものじゃないのか。
blogを読み直しながら、幸太郎は思う。
偶然の積み重ねや見えない縁のようなものが運命なのだとしたら、加奈子との出会いは運命と呼べるものではないのか。
そう思った時、自然と幸太郎の手は携帯に伸びていた。
ワンコール、ツーコール・・・
「はい。もしもし、加奈子です。」
「あ、もしもし・・・俺です。幸太郎です。」
「うん、わかるよ。着信音でわかった。」
「え?着信音?」
「そう。幸太郎くんのは変えてあるんだ。」
「へえー。そうなんだー。」
とぼけたフリをしていたが、幸太郎は自分が特別扱いされている気がして、どうにも自分の気持ちを抑えることが出来なかった。ためていた心の内を伝えたいと思っていたが、先を越されたような気がしてその言葉が頭からどこかへ飛んでいってしまった。
「でもすごい偶然だね。今ちょうど私も幸太郎君に電話しようと思ってたところだったんだー。」
「えっ!?」
「私ね。ずっと幸太郎君に連絡したかったけど出来なかった。。」
「俺こそごめんね。ほんとは逢って話したいんだけど・・」
幸太郎はこの日、意を決して加奈子に電話してた。今考えればいつもの自分では無かったのかもしれない。
「俺・・吉野加奈子が大好きだ!!何て言えば良いのか分からないけど・・どうしようも無く愛してる!!」

そう。この日は自分の想いを伝えるだけで満足だったのかもしれない。

「私ね・・」加奈子が重い口調で話し始めた。
「この間、途中まで話したけど…、中学の頃、文通をしていたの。コウジくんっていう人と。会ったことはなくて、本当にお手紙だけの関係だったけど、とても優しい文章を書く人だったから、色々励まされたりしたの」
加奈子の声の調子が急に低くなったことに、幸太郎は気付いた。口にしたくない思い出なのだろうか?
「でもある日、『今までの手紙の僕は全てニセモノです。本当のことなんて何一つ書いていなかった』って手紙が来て…それっきり。私がいくらお手紙を出しても、もう二度と返事が来ることはなかったの…」
予想だにしなかった加奈子の様子に、幸太郎は喉元まで出かかっていた思いを口に出さなかった自分の強運に感謝した。

「俺・・吉野加奈子が大好きだ!!何て言えば良いのか分からないけど・・どうしようも無く愛してる!!」

言わなくて良かった、そう思った幸太郎は加奈子の秘めた思いを少しずつ引き出そうと試みた。彼女はもしかしたら何かトラウマのようなものを抱えているのかもしれない。軽はずみに自分の気持ちをぶつけるのはかえって彼女を傷つけてしまうのではなかろうか。
「私の心は手紙の中のコウジ君に奪われてたのかもしれないね。ずっとずっと忘れられなかったんだ。。だから一度だけで良いから・・・自分の目で確かめたかったの。。」

幸太郎は気の利いた相槌も打てないまま次の言葉を待っていた。心の奥では最悪の事態に対処できるように気持ちを整理してたのかもしれない。

「人の気持ちって不思議だね。コウジ君に逢った時にふわ〜っと気持ちが楽になった。今までの自分が嘘のような感覚って言うのかな〜」
「幸太郎君と会って、なんか吹っ切れたの。ずっと心の支えになっていたコウジ君は音信不通になってしまってなんか男の人が怖くなって、でもそれでも実際に会ってみて実はコウジ君はいつか私に本当の自分を見せるのが怖かっただけだって話してくれたのね。そんな時に幸太郎君と会って、また私には心の支えが出来たみたいで、私は昔みたいに怖がらずに男の人と接することができるようになったんだってわかったの。」

「そっか・・・コウジくんも加奈子ちゃんのこときっと好きだったんだよ。だから本当の自分は見せたくなかった・・・」
本当の自分・・・

俺は今までコウジのコトが気にかかっていた。
しかし、加奈子と話している今、
コウジの気もちがわからなくもない。。。
いや、痛いほどわかる。

「俺も本当の自分見せてないな。。。」
コウジの事・・加奈子ちゃんの事・・今の自分に何ができるのか?そして、どうしたいのか?幸太郎の中で大きな何かが動き出した。

「加奈子ちゃん。今から逢いに行って良いかな?」
「え・・今から?」
「うん。どうしても逢って話したい事があるんだ。」

時計の針は24時を回っていたが、今の幸太郎には関係無かった。今感じてる想いを今伝える事・・・ただただ素直な感情に身を任せる。その感覚が心地良かったのかも知れない。
「ごめん。今はムリだよ。友達のところに来てるし…。」
「ほんのちょっとだけでいいんだ!頼む!」
「…あのね、その子がちょっと落ち込んでたから今はそばにいてあげたいんだ。でも…少しだけ、ほんの少しだけなら私もちょっと外に出るから。幸太郎君は今どこにいるの?」
「俺は今三茶の自宅に。加奈子ちゃんは?」
「意外と近いところにいたんだ?私は桜新町。じゃあ駒沢公園の入り口でいい?」
「オッケー。ありがとう」
外に出ると暗闇に月だけが煌々と街を照らしていた。夜風は熱くなった幸太郎の体を冷ましていた。
素直な気持ちを伝えたい、ただそれだけが幸太郎の足を動かしていた。加奈子のもとへ。好きだという思いだけを伝えに。

本当の自分なんて俺にだってわかりゃしない。
びくついてんじゃねーよ。

ひとりごちながら幸太郎は感じていた。はっきりとした加奈子への気持ちが自分にあることを。その気持ちが自分を強くしていることも。玉砕に終わるかもしれない、それでも自分を強くさせる思いが全てだと思う今、幸太郎は決意していた。

公園の入り口で立っている加奈子が見える。
「加奈子ちゃん!!」
加奈子のもとへ歩みよる幸太郎。
「幸太郎!?」
加奈子は驚いた表情で後ろを振り返った。

????

自分の名前を呼び捨てにするその声の聞こえる方向は加奈子の後ろの電燈の陰だった。

「お前、なんでこんなところに!?」

暗闇の中で、まるでスポットライトに照らし出されるかのように智恵がゆっくりと姿を現した。
幸太郎は1週間前の智恵との出来事が頭をよぎった以外は、現実を受け止められなかった。
唯一感じられたのは・・・過去に愛した智恵と、今愛してる加奈子ちゃんが同じ場所に居る事だけ。

自分の頭の中を必死に整理していたその時!

「智恵〜何やってるんだよ〜早く戻って来いよ〜」

男の声が聞こえたのと同時に、木陰から男が現れた。
「え?」
加奈子が声を出す。
木陰からあわられたのはコウジだった。

加奈子の反応がかすかな記憶を呼び起こさせ、幸太郎もその男がコウジであることに気づいた。あのハチ公前で見かけたコウジ。智恵の出現だけでなく、そこにコウジがいることに幸太郎はなにがなんだかよく分からなくなっていた。

一体なんなんだ、この巡り合わせは!!
「幸太郎・・・」
重苦しい空気を打ち破ろうとしたのは智恵だった。
「何?」
って・・・ありきたりの言葉を発したものの、たいした説得力がない事は幸太郎も感じていた。

そんな幸太郎が全てをさらけ出そうとした瞬間に・・・

「なんなの・・?どうして私の幸せを邪魔するの・・??」

真夜中にも関わらず、公園に響き渡るかも知れない声で加奈子が思いを叫んだ。
「誰も邪魔しようとかじゃなくて。。。丸く収まっているというか。。。ね、加奈子ちゃん。大丈夫。。。というかなんというか。。」幸太郎はこれ以上もう何も言えなくなった。

誰一人として納得いかない顔、この重々しい雰囲気。
逃げ出したくなる要因はそろっていた。

「私、帰ります。。幸太郎さん!偶然にしては親しそうな女性の方とコウジくんの出現、、私、裏切られた気分で。。。」
消え入りそうなかすれた声で言い残し、走り去る加奈子。

「誤解だー」と叫びたかった。叫ばなければ。。
彼女の背中がどんどん遠ざかる。。
加奈子にしてみれば、この偶然の出会いは何か仕組まれたような気がして、誰を信じていいのかが分からなくなっていた。コウジの記憶を乗り越え、幸太郎を信じて前へ一歩踏み出してみようと思っていた矢先のことだっただけに、その衝撃は大きかった。

ただの偶然だったのかもしれない・・・だけど・・・

自分が走り出した時、幸太郎が何も言ってくれなかったことも気にかかっていた。
恋愛とは皮肉なものだ。

今まさに起こっている現実。そして過去。全てを受け入れる余裕が加奈子には無かったのかも知れない。
今の素直な気持ち・・・想いのままに突き進めればどんなに楽だろうか?簡単そうで難しい現実に直面していた。

「幸太郎くん・・・」

どうして良いのか分からない時に幸太郎からの着信が。電話を取ることすらできない加奈子の頭の中は不安でいっぱいだった。
公園に残された3人は。。。

依然として沈黙の闇に葬られたの如くであった。。。

智恵「・・・幸太郎には彼女いたんだ。。。」
コウジ「お前のまだ気になっている男って、、、彼??」

「コウジだって。。忘れられない子がいるぅなんて言うから。最近別れた彼にもそういわれて。。やっぱり誰からも愛してもらえないのかな、私。。。」

やり取りを静かに見守っていた幸太郎が口を開いた。。
「偶然にしてはできすぎている気がしてならないんだ。。
加奈子ちゃんにもきちっと説明するためにも。。良かったら、二人の出会いを教えてほしい。。頼む!!」
智恵とコウジの話しを聞いて幸太郎は我を失いそうになった。
忘れもしない去年のクリスマス。ささいな喧嘩が原因で智恵は家を飛び出した。あの喧嘩さえ無ければ・・もしかしたら・・智恵と俺は・・??そんな思いに耽りながらも、智恵とコウジの出逢いを知ってしまった。
「幸太郎。。私・・やっぱり・・幸太郎が・・・」
何かを整理しようとしてたのかも知れない。素直になろうとしてたのかも知れない。そんな智恵が・・・
「ごめん、俺、やっぱり今は加奈子ちゃんのことが気になってるんだ」
幸太郎は智恵の言葉を遮るように言った。二人で過ごした時間は心地よく、愛おしく懐かしいものだったが、それでも本能的に幸太郎には戻らないという決意があった。それというのも、冷静に考えれば、去年のクリスマスに智恵がコウジと出逢ったのだって、知らなかったとはいえ納得できるものではなかったからだ。幸太郎は、昔はあんなにも強く信じていた智恵を訝しく思い始めていた。
加奈子は携帯を握りしめたまま、幸太郎と出逢った事さえも忘れようとしていた。

「もしもし。幸太郎だけど。。」
考える余裕があったら電話に出なかったかも知れない。幸太郎を忘れようと・・・二度と幸太郎と逢わないと心に決めてたのかも知れない。
ただただ、握りしめていた指がとっさに反応してしまったのだ。
そんな加奈子の気持ちを察してか、光り輝く満月を見上げながら優しい声で幸太郎が話しを続けた。

「加奈子ちゃん。窓から月見える?きれいだよ・・・」
幸太郎の声が、乾いた加奈子の心に染み渡る。。

泣くことすら忘れていたその瞳に、どっと涙が溢れ出す。。


「月は遠くにあるときれいに見えるけど、近くで見ると表面ぼこぼこで、、地球には表しか見せないんだ、、裏にはUFOの基地があるっていうよな!!ってなにいってんだ俺、、、」

「ふふ」おもわず噴出す加奈子
「ごめん、ごめん、だってあまりのも変な事言い出すんだもん」
幸太郎の他愛もない話しがきっかけになったのかも知れない。
二人は自分の事、相手の事、今までの事、そしてこれからの事・・・時間を忘れる程、夢中で話し続けた。

「俺は・・加奈子ちゃんを・・・」

いろんな誤解が解けた事、加奈子の気持ちを聞けた事。それだけで満たされた気分になっていた。今はこのままが良い・・と感じてたのかも知れない。
結局、具体的な想いは伝えられなかった。


週末の金曜日。幸太郎は沙織と馴染みの居酒屋「TSUKIAKARI」で呑んでいた。
「あいよっ生二つね。最近さおちゃん店に顔出さなかったよねー。もうかれこれ15年ぶりぐらいじゃない?」
マスターの冗談は相変わらず微妙だった。
「ちょっとちょっと、そんなに若かったらお酒飲めないからっ!」
「お前しばらくぶりなの?」
「うーん、2週間ぶりくらい、かな」
「お前にしちゃ珍しいな。どうかした?」
「・・・なーんか疲れちゃってさ。」
「仕事に?」
「いや、人間関係とか。私自分で何やってんのかわかんなくなってきちゃったんだよねー」
幸太郎にはこの空間と距離感が心地良かった。
沙織の前だと素直になれる自分が居た。

「加奈子ちゃんの事は好きなんだけど・・・俺も良く分かんなくってさ〜〜何だか自分が自分じゃないって感じ??」
「その気持ち分かる〜遠慮するって言うか落ち着かないって言うか・・・」
「沙織の前だとぜ〜んぜん緊張しないんだけど、加奈子ちゃんの前だとかっこつけちゃうんだよね〜」
幸太郎の頭を小突きながら「私だってね〜彼氏の前ではかわいい女なんだから・・・何なら試してみる??」

初めて沙織を女として意識した瞬間だった。
真剣に沙織を見つめていた幸太郎を、我に帰らせたのは
「何、本気にしちゃってんの??」という沙織自身の、なんともあっけらかんとした言葉だった。

「旦那ぁ、よっぽど追い詰められてるみたいっすねぇ」とひやかしゲラゲラ笑う。

あまりに豪快に笑うので、つられて笑う幸太郎。。。。
でも、内心では激しく動揺していなくもなかった…。

しかし、沙織はあっさりしたもので、
「まぁ、私と呑んでいてもつまらなかろう!!ということで。。。」
「TSUKIAKARI」での夜から1ヶ月が経とうとしていた。
ほろ酔い気分だった夜更けに「幸太郎さんですか?実は智恵が・・・」
智恵のお母さんからの突然の電話に耳を疑った。
話を聞けば、智恵が精神的な病気で入院してしまい
「こうたろう。こうたろう。。」とうわ言のようにつぶやいてるとの事だ。

変わり果てた智恵を見捨てる訳にはいかなかった。

あの日からは仕事の合間を見て見舞いに通う日々。
徐々に回復の兆しを見せる智恵の姿にほっとひと息付く。

「明日は七夕か。。」やっと落ち着きを取り戻した瞬間だった。
ふと、窓を開けてみると夜空に輝く月明かり。
明日の七夕には、あの空で織姫と彦星は出会うんだろうか。。。
そんなコトをふと考え
「俺ってこんなにロマンチストだったか???」
と、幸太郎は少し苦笑いをした。

「疲れてんだな」
そうヒトリゴトをこぼした時、部屋の隅に無造作に置かれたカバンの中から携帯が鳴った。
智恵だった。
1ヶ月後には退院できるという報告の電話。。。

1ヶ月後、病院に迎えにいく幸太郎の足取りは重い。
2日前、いつものように仕事の合間を見計らって病室を訪ねた時に、

「本当に感謝してる。ありがとっ。おかげで明日退院だしっ!」と智恵に微笑みかけられたが、なんだかその笑顔が暗い。
幸太郎には、なんとなくそのときの笑みが心にひかかっていた。
「えっ?」

智恵の意味ありげな言葉に驚いた幸太郎の気持ちを察しながらも、智恵は、ゆっくりとその重い口を開いて話し始めた。

「ねえ、幸太郎。マリッジブルーって知ってる?」

この年になって知らない人もいないだろうと笑って済まそうとした幸太郎だったが、その先に待っている智恵の言葉を予想せずにはいられなかった。

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