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THE SONICSコミュの1st『Here Are The Sonics(米NORTON盤CD)』解説

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2003年春頃にソニックス1stの米NORTON版CDを、国内仕様にした際に俺が書いたアルバムの解説文です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00000IR00/sr=8-1/qid=1152305945/ref=sr_1_1/249-3207232-8799552?%5Fencoding=UTF8&s=gateway
権利関係とかの契約など全くないですんでw、そのまま全文掲載してみます(問題発生したら即削除します)。
解説の内容に関して答えのはっきりしている誤りがありましたらどんどんご指摘ください!俺自身、かなり手探りで調べて仕上げた原稿ですんでまだまだ知りたいことがたくさんあります。
では、以下です。長いですが、よかったら読んでみてくださいませ。


ノース・ウエストの王者〜ザ・ソニックス登場!!
(THE SONICS / Here Are The Sonics)
■日本国土の約半分という広大な面積をもつ米国最北西部(ノース・ウエスト)のワシントン州。その主要都市タコマには富士山とほぼ同じ高さを誇る休火山、レーニア山がそびえている。今から遡ること40年ほど昔のこと、決して噴火することのないその山に代わってロック・シーンの中で大噴火を起こしたバンド、それがソニックス。その噴火の影響は今も鎮まることなく、今日もまた新たな若者に飛び火して...云々...って、もういいか。あなたが手にしたこのCDは、とてもラッキーなことに「ガレージ・パンク」を知るためには最適な一枚であり、最初に聴かれるべきである最も重要な一枚だ。サウンドとしてのパンク誕生の瞬間をこれ以上はっきりと捉えているアルバムは他にない。
■近所に大手航空会社ボーイングや空軍の基地があるために、思いついたバンド名は、音速またはジェット衝撃波音(飛行機が音速を超えるときに生じる爆発音に似た音)を意味する。サウンドにジャスト・フィットするクールなネーミングだ。
■「ウィッチ」が生まれる前にもこのバンドには長く複雑な歴史がある。レス・ポールと一緒に録音技術の研究をしつつ、母親とともにスイング・バンドをやっていた叔父に影響を受けたLARRY PARYPA(g)は、おんぼろギター(弦高が数センチあったとか)を手に入れ当時流行のインスト・バンドを’60年に結成。兄のANDY(b)、黒人のTONY MARBIN(sax)、STUART TURNER(g)、MITCH JABBER(スネア・ドラム)に加え、ステージで数曲のみインペリアルズというバンドをやっていたRAY MICHELSONがヴォーカルで参加するという編成(当時のノース・ウエストはこういうスタイルが主流)で始動した。最初期から「ルイルイ」など、おなじみのパーティー・ナンバーを演奏する、フラット・ロック・スタイルのバンドだった。やがてMITCHに代わってBILL DEAN(d)が加入。軍隊に入ったSTUARTに代わって先輩であるウェイラーズに在籍していたRICH DANGEL(g)が同じくウェイラーズのバック・シンガーのMARILYN LODGE(vo)とともに加入(RICHはウェイラーズでは”Mashi”などをプレイした)。バンドは技術的にレベル・アップし、LARRYもギターをさんざん仕込まれたようだ。この頃ソニックスはレスリー・ゴーアのバック・バンドを経験した。そして徐々にバンドはリズム・アンド・ブルースに傾倒していく。'63年には元ウェイラーズのコンビが脱退。その後、結婚のため、バンドを離れることになったRAYに代わって、インペリアルズからの友人でサーチャーズ(英国のそれとはもちろん違う)というトリオで活動していたGERRY ROSLIE(key)とBOB BENETT(ds)が加入。ちなみにサーチャーズの残りの一人は後にモビー・グレープを始動させるJERRY MILLERである。GERRYとBOBの提案で、更にインペリアルズからROB LIND(sax)を呼び、結果、TONYとBILLをリストラ(別説もあるが、割愛)。こうして「ウィッチ」を録音することになるメンバーが揃った。やがて、シャイな気性のGERRYが実はとんでもない喉を持つことが発覚。時代の流れもあり、vocalナンバーも増えたため、GERRYは正式にvo、keyのパートを受け持つこととなる。
■俺達はブリティッシュ・インヴェイジョンに影響を受けて始まったバンドではない。ノース・ウエストのインスト・バンドの伝統、それから、リズム・アンド・ブルースこそがソニックスのルーツだ、とLARRYは語る。
■エチケット・レーベルを経営するウェイラーズのBUCK ORMSBY(b)とKENT MORILL(vo)の目に止まり、同レーベルと契約し、まずリトル・リチャードの「キープ・ア・ノッキン」のカヴァーをレコーディングした。
■アンプのスピーカーにアイス・ピックで穴をあけ音を震わせ、当然のごとくヴォリュームはフル・ドライヴ。音がクリアに反響することを嫌い、卵の殻を壁に張り付けた。更に、録音時は入力レベルを示すメーターの全てが、常に最大に振り切っているようにすることをエンジニアに指定。こうして生み出される、重厚なノイズ音をそのまま生かすやりかたは...メンバーも自覚して狙っていた。フィル・スペクターの「ウォール・オブ・サウンド」と同じ効果を。この本能的触覚と言える感覚は見事だ。「ウォール・オブ・サウンド」へ接近しようとして、こういう生々しさへのアプローチに配慮できた者が、かつていったいどれだけいただろうか。現在ですらそれほど多くはないはず。あの響きの最も重要な要素は、決してエコー・チェンバーではないのだ。
■最強編成のソニックスは1stシングル「ウィッチ / キープ・ア・ノッキン(’64年、ETIQUETTE 11)」をリリース。当初、ラジオ局からは内容が過激すぎて売れないだろうと無視されていたが、ライヴを見た若者達の熱狂的リクエストにより次第にプレイされる(だが、午後3:00以降限定で。理由は奥様方には耐えられない音と判断され、子供たちが学校から帰る時間帯からのみ、オン・エアされることとなった)。若者の熱狂的な支持を受け、次作「サイコ」も「ウィッチ」2回目のリリース時のB面曲ながら大ヒット。当初リリースされた「ウィッチ / サイコ(’65年、ETIQUETTE ET-11)」の悪夢のようなカップリング・シングル盤はノース・ウェスト史に残る記録的ローカル・ヒットとなった(後にサイコはA面曲として正式発売。当然だ)。そんな大サービス・シングル効果もあってか、アルバムすら出していないインディ・レーベル所属バンドながら、シアトル・コロシアムで、ビーチ・ボーイズを始めとするビッグ・ネーム達と競演。1万人の観衆を前に演奏した。ちなみに最盛期はジャン・アンド・ディーン、ジェイ・アンド・アメリカンズ、ハーマンズ・ハーミッツ、ライチャス・ブラザース、キンクス、ラヴィン・スプーンフル、ママス・アンド・パパス、バーズ、シャングリラスなどのオープニング・アクトを努めた、「期待の新人」扱いだったようだ。
■その勢いに乗って作られたのがこの1stアルバム「Here Are The Sonics」である。プロデュースは同じくエチケット・レーベル / ウェイラーズのお二人。
■アルバム中のGERRY ROSLIEによるオリジナル曲の歌詞、訳(大意)は前トピックに全て掲載しましたのでご覧ください。
■ソニックスによって原曲をブチ壊された、その他のカヴァー曲群について、オリジナル・アーティストを。?'62年コントゥアーズ、?'58年チャック・ベリー、?も彼の’56年の「Too Much Monkey Business」の歌詞を変えたもの。?'65年、同郷の先輩ウェイラーズのナンバー。?リチャード・ベリー・アンド・ザ・ファラオスの「続・ルイルイ」と言える曲、?はその「ルイルイ」から生まれた「ハング・オン・スルーピー(’65年マッコイズ、BERT RUSSEL / WES FARRELL作)」の改作。?'60年バレット・ストロング、?'63年ルーファス・トーマス、?'57年ナッピー・ブラウン、?、?'58年、'57年、リトル・リチャード。GERRY ROSLIEは、別名「白いリトル・リチャード」と言われる。全くその通りだ。
■?〜?までがオリジナル1stアルバム”Here Are The Sonics ('65年ETIQUETTE ETALB-024)”の内容。収録曲順も同じ。?はファースト・シングル”The Witch”('64年ETIQUETTE-11)のカップリング曲、?〜?は”Merry Christmas ” ('65年ETIQUETTE。ウェイラーズ、ギャラクシーズとのスプリット・アルバム)からの収録曲。
■続く2ndアルバムの快進撃、メジャー移籍でコケた3rdアルバム、ザッパ絡みのオリジナル・ラスト・シングル、その後も続いたオリジナル・メンバー不在の? ”ソニックス ”、ファースト・パンク世代によるリバイバルにともなうGERRYの復活と失敗作、音楽ビジネスへの絶望、そして再び隠遁生活へ...などなど色々あるけれど、それはまたの機会に。
■Three chords , Two tracks , and One hell of a band....フラット・ロックの最終兵器。ノース・ウェストの王者。これが、ソニックスだ。

(2003年春頃)

コメント(2)

 さすがトミーさんや!読み惚れた。ガレージといわれるモノがあるとしたら、ソニックスとカイザースがあたくし外せません。
あー!さすがですねー。準国内盤?は手でない、でもライナー気になるよね。得したなあ。ありがとう!

某店在庫のライブ盤、気になって。いいのかな?トミーくん放出の品ですか?

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