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デラの小部屋コミュの無題(「DJデラのナニコレ休み自由研究・デラのおんどく用教材」、3月8日、横浜東白楽gallery hhr、A4コピー用紙(3枚連続)、フォント10.5)、ポエトリーリーディングに使用

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赤・青・白が帯となって回転していた。手垢でよごれたガラスに囲まれ。寄せては返すひとの波は。
ひっそりとむしりとられていった。両手に刃物をにぎるお前が。椅子の背骨を砕いたせいで。
おれの背中に張り付いていた影は消え。明るすぎて底の見えない排水溝へどこまでも落ちていった。
そのときだった。「かゆいところはございませんか?」って。まぎれもなく。お前は言ったのだった。
おれのかゆいとこなど知って。お前はいったいどうするつもりだ?
キャバレーのドサ回りに日々を費やし。ひどくただれた喉の奥に。陰毛が詰まったような音を叫びながら。
頭から水を浴びせられるおれは。無数の点がつつきあい・砕けあい・ほどけあう縄によって鞭打たれる。
おれは布で顔をふさがれ。水はいつの間にか熱を帯び。
頭上でさわぐうたかたのふつふつと消え行く音を。いつまでも聞いていたのだった。

控え室には誰もいない。ただ。ひっくり返ったオリジン弁当だけが。
この世界のはざまを分かつべく。ケツの二房を乳房に重ね合わせていた。
その他大勢の群れが痕跡を引きずりながら。遺伝情報を酌み交わしている。優先席に座ったおれは。
何かをゆずり合うこともできず。シガニー・ウィーバーの殺したエイリアンの数を。
おれが殺すはずだった101匹のワンちゃんに。重ね合わせていたのだった。

そーいえば最近「どぶ」を見てねえな。久々に「どぶ」のやつを見に行くと。黄色い湯気が立ち上っている。
塩素ガス系の危険な臭気。これはやばい。被害が拡大するまえに。フリーダイヤルにおつなぎしなければならない。
あっ。しまったあああっ。携帯電話からでは。おつなぎできなかったではないかっ。
0120-888-888。0120鎌倉幕府。公衆電話はどこへいったのだ?
空母に搭載された四人乗りの公衆電話は。山梨県の山中で遺体となって発見された公衆電話は。
そのときだった。桟橋の向こうで手をふる女。赤くて緑っぽい紫の女。北極点のバラをぱりぱりと握りつぶした女。
女の姿に気づいたおれは。横もれギャザーの健闘むなしく。デリケートな部分のかゆみが爆発した。
世界は核の炎に包まれた。おれは死が間近であることを悟った。
全国小中学校・約5000本の蛇口がいっせいに開く。ジャジャジャー。
迫りくる300メートルの津波。しかし下水処理施設へ見学に訪れた小学生達が大量の片栗粉と砂糖をぶち撒いたため。
300メートルはゲル状の甘いうねりとなって人々を襲う。
東京ドーム3杯分の水が。一般ピープルをゆったりと浸していく。
そうして屋根裏は水底に沈み。建設が中断された高架橋は静かに錆び付いていく。
降り積もる灰に冒されたからだは。高層ビルの山頂から飛び立ち。無数の眼球とともに地平に炸裂した。
毛穴から染み出す経血の噴水。そいつをレトルトパウチに詰めて。煮沸して焼いて粉末状にしたのち。きなこをまぶし。
「ねるねるねるね」に混ぜたのだった。練れば練るほど色が変わって。こうやってつけて。うまいっ!
後光がほとばしるほどの旨味成分。鈍器で殴られたような後味。
虹色の味覚は常軌となって空にのぼる。やがて冷やされ固まり成長しながら地に降り注ぐ。桜並木の人体模型にも。

おれはそのとき泣いていた。いや待てよ。…。思い出した思い出した。やっぱ泣いてねえやゴメンゴメン(笑)。
窓のそばに近づいてさ。ガラス割ったんだった。
ガラスが割れた瞬間。窓の外に輝いていた朝はカシャリと夜に切り替わった。
おれは「ガラスと一緒に太陽を割ってしまったか」とビビったが。割れたのは。おれの眼球のほうだった。
おまえはそれ自体で完結していたので他者を必要としなかった。
しかし。おまえとともに生まれるはずだった理論上の子どもたちは。
あの荒れ地に突き刺さって炭と化した木々とともに。この宇宙から消えた。
すり減った映像を何度となく逆再生したが。症例1の医学的根拠をすべて洗い出したが。
おまえはついに見つからなかった。
おれはそのとき泣いていた。いや待てよ。…。思い出した思い出した。やっぱ泣いてねえやゴメンゴメン(笑)。

ミキサー車に攪拌された固まりが乱雑に立ち尽くす。ここにも・そこにも・あそこにも。
だから。おまえの直角をへし折った。皮膚に縫い付けたボタンが着替えのたびに擦れて痛む。
ぎちぎちと関節をきしませ。伸びていく手と手と手と手と手と手と手と手。
からみあい・からめとり・かわききった骨と皮が大きく愚鈍な肉の嵐に膨らんでいく。
ああ。天にまします255リットル冷蔵庫よ。誰もいない静かな部屋で「ヴン!」と鳴ったのは。
アイスリンクで私たちの霜降りを。滑走させるためなのですか?
鼻息まで凍った夜を。熱のポツダム宣言によって乱暴に剥ぎ取るためなのですか?
村の観光事業が下火となる一方で。自分がミッキーマウスの中に入っていたと告白した38歳は。
モンゴロイドの狙撃兵に命を狙われ。セクハラシステムの尊き奴隷となった。
公民館の裏で飛びかうマグロのさしみ。地面に散乱しているサイコロステーキ。
「1パック・いくらかしら?」と主婦がつぶやく開幕戦の序盤。センター前にタイムリーヒットを放つ。

闇に宙吊りとなった満月は・椀にそそいだ液体にゆらぎ・気づくといつもいなくなってしまっていた。
風が頬をゆったりと撫で・とおくの灯りがまたひとつ消えた。
記憶の断片がまたひとつ・どこかへ流れ去ってしまった。
目覚めとともに何かを忘れ・眠りとともに思い出す。
失くしたものを探しあぐねて泣いていた・そんな子どものように・すべては漠然としていたのだった。
どうして理由を問わねばならなかったのか・真っ先にそれが問われねばならなかっただろうに。
あのときは・誰もいない場所で・たえず誰かのために・手を振っていた気がする。
海に浮いていても・海を見たことが無かったなんて。
まるでベルトコンベアーに運ばれる・量産品みたいだよね。

実験室では人工的な愛の培養が行われている。
ガラスに密封されたふたりは。
ビンが割れてしまえば数秒も耐えられない肺しか・持ち合わせていない。
ふたりは互いに・ふたり以外の何かに組み込まれることを望んでいた。
しかし愛の対象が不在であることに気づき。
夕暮れがすべてを赤くやがて黒く染め出す時刻に。
もう吸わないと固く誓ったタバコに火をともし・実験室に火を放ち・ふたりの体に火をつけた。
時刻は黒に染まっても・その小さな3つの炎だけは・ぼんやりとくすぶっていたのだが。
最終的に隣の床屋のババアにバケツで水ぶっかけられて「ぢゅっ!」って感じで消えて死んだ。

夜の通訳がルーズリーフの亡霊を訳している。全自動の観客は二人一組で上下運動を続ける。
囲むアリーナの中央にしつらえた銀の砂場でマネキン家族が団欒している。
顔面にだらしなく咲いた傷口でわずかばかりの会話を楽しんでいる。母親の口は音節ごとに肉を切り裂く。
縫われてマスクメロンみたいな網をかぶせられた弟の頭皮も剥がされて中身がグシュグシュ出てしまっている。
観客席の馬は鞭で尻を叩き合っている。二足歩行が禁じられたためだ。
窓ぎわで東京ミルクタンクがはじけていた。掘削工事中の看板に照らされた作業員は舌打ちしながらユンボを操る。
そのため外の景色こそ。砂場の雨でざらついていたかもしれない。
鞭打ちと掘削に粉砕された破片から浸透液が染み出してはきらめく。
両側にでっぷりと厚く開いたステーキのひだを押し入り。桃色の湿気で室内が蒸れる。
ドコサヘキサエン酸が豊富な裏のほうを表側からくちゃくちゃとかき回されて奥のほうに凝り固まった肉の塊も乱暴な摩擦熱でどろどろに溶け出し熟れたゼリー状の肉となって無理に醜く穿たれた穴から吸っても吸っても溢れてくる。
李白が湖水に映る月のおもかげを追って入水したときに見た夢によってやっと。
その肉はもと来た場所に収められたのだった。

今日も・最終バスの終わった停留所のあかりに・行列は伸びている。
あいつらは・誰も入る予定のない墓を・いつまでも守り続けているのだ。
幼児のまま腐って死んだ・0と1の配列。
もう血も涙も流れることのなくなった・メチルアルコールの傷口。
焼けた鉄板のうえに足を浸してからというもの。
おれは心臓のそばで律動するシリンダーを一個失くしてしまった。
朝起きて鏡を見たら・顔も失くしてしまっていた。
今日に存在しないはずのおまえは・一体どこから飛んでくるんだ?
尻をこちら側に向けて・左右の頭をくねらせながら・記憶のなかにしかない事実を・大事そうに抱えて。
ほんの数グラムの世界から・親切戦争は始まった。
最新鋭の人間工学に基づいた・野生的なピンポンダッシュで・芋の煮え加減を調節せよ。
まぶたの裏に貼りついて動かなくなった景色を・100円ショップで購入せよ。
壁に映る穴だらけのおまえの影を。人差し指で神経ごと貫く。
丸の内OLの約75%がバッグの中に忍ばせている生首は・熱帯雨林で転がり出した。
やがて食卓にのぼった畜肉は・何本もの触手を伸ばし・くれないの花を咲かせるだろう。

だから今日は。おまえの頭が誰かの頭と入れ替わったとしても。気にしないことにするよ。
迷路のような施設。打ち捨てられた石油プラントに住み着き。灰色の雨に打たれて矯正されるしかなかったおまえ。
すっきりした頭脳に生まれ変わったおまえは。閉じた回路でしか作動しなくなった。
だからおれは。よどんで悪臭を放つ大気圏へ。あらゆる季節の星々に挑みかかった。
廃品の地平線で。おれはおまえの部品を探す。たとえ見つからなくてもな。
こうなるまえからずっとずっと。
永遠に死ぬことのないこの世界で。生きながら死んでしまったおまえの。
15個の頭部のうちの12個をおれは。TASPOでタバコを買いながら探す。

借物競争の夜には洗濯物がナナメ45度で回転している。それだけだ。
あのタバコ屋の角を曲がって。待ち構えるストーカーを撃退して帰宅すると。
待っていたのはエプロン姿のマイケルジャクソン。ぼくの帰りを待っていてくれたのだ。
しかし。「なぜ今晩にかぎってYシャツの襟にキスマークを付けてこなかったのですか?」と言いやがる。
カッとなって今さっきほどいたばかりのネクタイで首を絞め…というのは想像の世界だ。ぼくはやさしく言った。
「おまえにキスマークを付けてもらおうと思って」
この事例に対し。片目に5円玉をはめた医師はこう忠告する。
「授乳中のコサックダンスはお控えください。胎児同士が意志を交換してしまいますからね」
噴火のたびに溶岩のなかに埋もれてしまう街が今年も再建されている。
電力供給線は地中深くに埋もれているのだが。ときおりモグラが齧ってしまい地底人の感電事故が後をたたないそうだ。
消え去るべきものだけが消え去ることなく。消え去らざるものだけが消え去る。
消え去るべき文字が寄って立つこの文章には意図的に挿入され意図的に削除された言葉が1つずつある。

例えば。そこに何があったのかを想像してみてくれ。
おそらく。どこかに置き忘れてしまってここに来るまで思い出せなかったものを。
あなたは思い出すはずだ。
思い出したらデラまで教えてください。〒162―0056 新宿区若松町28―25 山根グランドハイム802号室のデラまで。どしどしご応募まってるね。

といったところで笑点おひらき。また来週。

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