・2006年2月にリリースされたFranz Ferdinandの「Fallen(Ruined By Justice)」 ・2006年3月に日本限定リリースされたDaft Punkの「Human After All-Remixes」 ・2006年4月にJusticeの「Waters of Nazareth Part 2」 どれを取っても今年を代表し、「今」を代表する作品となった。
Franz Ferdinandのロック・サウンドを、ヒップ・ホップ・ビートを生かしダンス・トラック として成立させ、フロアーで機能させたJusticeのリミックスは、ロック・ミュージックを 根本からひっくり返し、リスナーを驚かせ、ダンス・フロアをも湧かせてくれた。 そして、フレンチ・ハウス・シーンを引っ張り続けて来たDaft Punkのリミックス集は、 2006年を劇的に変革して行ったアーティスト達、例えばErol Alkan、Justice、Soulwax、 Para One、DigitalismやSebastianのリミックス・ワークを集め、これらのアーティスト達を 紹介するだけでなく、「これから来るであろう新しい流れ」をも提示した作品だった気がする。
2006年10月にGanban Nightで初来日を果たし、新曲「Phantom」が出来上がったばかりの Justiceにとって、2006年はまさに飛躍の年となった。全世界的なリリースとツアー展開は 大好評で、ロングヒットを続けていた「Never Be Alone/We Are Your Friends」が 全世界的にポピュラーミュージックシーンでも大ヒットし、MTV Europeから ベスト・ビデオ賞を受け、米クラブ雑誌のXLR8Rの2006年ベスト・アクトを獲得し、 表紙を飾った。また、やはり2006年で最も活躍したリミクサーであろうErol Alkanの リミックスを含んだ、Justiceの「Waters Of Nazareth Part 2」が、 2006年の「ロックするダンス・ミュージック」シーンを決定付け、証明し、 2006年のサウンドを代表するトラックとなった。 Justiceは、2007年デビュー・アルバムのリリースを控えていて、オーストラリア最大の 野外イベントBig Day Outへの出演も決定している。 2007年も、Justiceから目がはなせない1年になるだろう。
Justiceの所属レーベルであるEd Banger Recordsも、DJ Mehdiの「Luck Boy」の発売で シングルだけでなくアルバム展開をスタートさせ、2007年はJustice、SebastianやUffie等の デビュー・アルバムの発売も控えているようだ。そしてレーベルとしては、 米ダンス紙のURBからLabel Of The Yearを獲得し、1995年くらいからのダンス・シーンの 最先端が、フランスからベルリンへ、そしてニュー・ヨークへと移り変わって来たのであれば、 またフランスに戻って来たようだ、とまで絶賛されている。 数年前からロックとダンス・シーンを底上げして来たニューヨークのレーベルDFAの 今までの役割を、2006年以降はEd Banger Recordsが担うことになるのかもしれない。
最近シザー・シスターズのUKツアーの前座を果たしたばかりで、BBCラジオのトップ10入り し、Sonyと全国契約を果たしたばかりの米インディーズ・ハードコア・アーティストの3人組、 The Gossipの「Standing In The Way Of Control」や、英ポップ・スターRobbie Williamsの 「Lovelight」をリミックスしたSoulwaxも、これらのリミックスを通して最近復活して 来たようだ。上記のアーティスト達の楽曲やリミックスを収録しているKitsuneのコンピ 「Kitsune Maison 3」も、また素晴らしい内容になっているので是非チェックしてみて欲しい。 Erol Alkanが、The Raptureの「House Of Jealous Lovers」とJosh Winkの 「Higher State of Consciousness」をマッシュアップしてDJしたのが始まりだった。 このマッシュ・アップも最近になってMighty Dave "Rose" Del Mar名義で 「Inner State」としてアナログ盤が発売されている。これら全てが同じ場所を 指し示しているような気がする。 Kaiser Chiefsの「Every Day I love You Less」のリミックスを手掛けたBoys Noizeは、 ロックミュージックをダンス・フロア向けに作り直しただけなのか? 今や、これらのアーティスト達を、「枠=ジャンルを超えた存在」として語る必要は なくなって来たのかもしれない。彼等によって、もう、Disco-Punkも、Electro-Houseも、 Dance-Rockも、枠=ジャンルなんか関係無いことは、既に証明されたのだ。 これが今のロックであり、今のポップ・ミュージックだ。