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黒澤明・スピルバーグ他研究会コミュの「プライベート・ライアン」を観ました。

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もう5回は観てると思いますが、久々にスピルバーグ監督の「プライベート・ライアン」を観ました。
ほぼ3時間という上映時間なので、いささか疲れました。
けれど、やっぱりこの作品良いですね。
今観ても、よくできてると思います。
戦争というものは、兵士が葛藤しながら続いているというのが、よく映画的に組み合わさっています。そういう意味では、オリバーストーンの「プラトーン」、キューブリックの「フルメタル・ジャケット」も良かったですが、「プライベート・ライアン」が、一番映画的にまとまっているのではないでしょうか?
何のために戦っているのか、よく分からないまま戦うという点では、イラクで戦っている米軍を中心とする国連軍の兵士の、今の葛藤にも通じる気がします。
まずは、ノルマンディー上陸作戦で一番の激戦地区だったオマハビーチでの、米独の攻防戦から、この映画は始まります。
米側(正確には連合軍側なんですけど、アメリカ人しか出てこないので、ひとまとめに米軍とします)の上陸用舟艇のハッチが開いた瞬間に、独軍の機関銃に舟艇に乗っていた米兵が全員バリバリバリとなぎ倒されるシーンに、まず度肝を抜かれた人は多いと思いますが、何回か観ると慣れてきて、そんなにたいしたことはないです。ただ戦争の極限状態はよく描かれているとは思いますが。
それよりも、僕が印象に残っているのは、オマハビーチを制圧した直後の米軍の兵士が、泣くんですよね。このシーンは見過ごす人多いと思います。
極限状態を乗り越えると人間て泣くもんなんですよね、これ他の映画では観たことなくて、スピルバーグの丁寧に人間を描こうとしている所に非常に好感をもてました。
それと、戦闘状態の緊張感と、しみじみと身の上話をするほのぼのしたシーンがうまく組み合わさっていて、手塚漫画みたいにヒョータンツギが出てくるような、コメディリリーフは流石にないですけど、映画のリズムの緩急がうまくて、ほぼ3時間という長丁場を最後まで見続けることができます。
そして、一番の葛藤は、四人兄弟の末っ子のライアン二等兵(プライベートというのは米軍用語で二等兵という意味です)を、上の三人の兄が全て戦死したという理由で救出しにいくチームを、トム・ハンクス中心に結成されて、独軍の真っ只中に飛び込んでいきます。それは三人の兄の戦死通知を確認した米軍参謀総長の命令で、そうなったのですが、実際に現場でライアンを探す兵士にはたまったもんじゃありません。
空挺部隊として敵中に降下したライアンに行き着くまでに、チームの中の二人の兵士が、それまでに二回ある戦闘シーンの中で死にます。そして、当然チーム内でも不和が起きます。なぜライアン一人を助けに、八人の兵士が命を賭けて行くのか、よく理解できないのです。僕も最後まで理解できなかったです。その理由自体がアメリカ的なのだろうと思うのですが。実話ではなさそうなので、アメリカ人には理解できるかもしれませんが。
連れて歩けないという理由で、味方が一人死んでいるにも関わらず、独軍兵士を一人殺さず開放したために、ライベンという兵士が我慢できず、もうこれ以上、ライアン探しに、つまりトム・ハンクスに付き合えないと勝手にチームを離れようとします。これを、トム・ハンクスがなだめるのですが、そのシーンも良いです。是非観てください。
そして、何とかライアンを探し当てたのですが、ライアンが橋を守る仲間と共に引き続き戦場に残ると言い出し、トム・ハンクス達も一緒に橋を守る戦闘に参加し、ライベンとアパム以外の兵士は全員戦死します。
ライアン二等兵は、この戦闘の後、命令通り帰国するのですが、この事をその後の生涯でずっとひきずり、トム・ハンクスの墓標の前で、私の人生は間違っていましたかと訴えかけます。このシーンも良いです。
また自分が開放した独兵に、皮肉にもトム・ハンクスは撃たれて死にます。
もう一つ、この映画の最大の魅力と言えるのは、アパム伍長の行動です。
これが、この映画をただの戦争映画にしていない魅力だと、僕は感じます。
アパムは、戦闘中逃げ回ります。ライフルを持っているのにも関わらず、独軍兵士と鉢合わせたアパムは、降伏を意味する手をあげて、独兵はそれを無視して通り過ぎます。
結局生き残ったアパムは、トム・ハンクスを撃った降伏しているその独兵を殺して、この映画はいよいよラストになります。
僕はアパムを観て、自問自答します。
僕は戦場ではアパムみたいに腰抜けになるのではないか、と。昔、塾講師のバイトをしていた時に、生徒がアパムは情けないと言った時は、それは映画の中の世界であって、実際には自分がアパムになるかもしれないと思います。何のために勇敢に戦って死なないといけないのか、戦争の中で自分が死ぬ意味を見出せないからです。
「父親達の星条旗」も最近DVDで観ましたが、米軍を描く時は、その圧倒的な物量が描かれます。そこには「ラストサムライ」のサムライ魂とか戦いに対する精神的な美学みたいなものは、全くありません。
けど「プライベート・ライアン」は人間を描ききれてる作品だと思います。
ノルマンディー上陸作戦から三日経ったオマハビーチには、大量の兵士と共に、サンドイッチが積まれています。それを冷ややかな目で見るトム・ハンクスの一瞬の演技もとても好きです。これをワンシーンで抜いたスピルバーグもすごいと思います。
ほとんど観てない方には、ネタバレのように思われるかもしれませんが、この映画には他にも見所が沢山あります。
是非観てください。

コメント(12)

ヒトラーユーゲントのナイフを手にして泣いた兵士は、そのナイフをドイツ兵に奪われ、心臓を刺されて死にますね。ユダヤパンを切ると冗談言ってた彼が、そのナイフで殺されてしまう。ナチスとユダヤの因縁のような話しです。
多分、泣いた兵士が、奪ったヒトラーユーゲントのナイフで心臓を刺されて死ぬのだったと思います。また時間あったら、確認しますね。
ナチスとユダヤの因縁ですか。そこら辺の伸さんの見方は面白いですね。
よろしくお願いします。シナリオや、ロケ現場での演出でもスティーブンはインスピレーションを受けるように思います。NHKの取材番組を観て感じたことですが、彼は人間性も素晴らしいですね!
その取材番組、見たかったです。
黒澤さんにしろ、スピルバーグにしろ、人間性も素晴らしいんでしょう(おそらく、きっと)、でないとあれだけの人達を動かせないですよ。
ロケ現場は、人間と人間のぶつかりあいですからね。
そこで生まれてくるものが好きだ、自分の思い通りなだけに終わると、逆につまらないと黒澤さんは言ってましたよ。スピルバーグもそうなんでしょうね。
だから演出を、ずっと続けているんでしょうね。
誰か言ってましたよ確か土屋嘉男さんが、みんな黒澤さんに遠慮し過ぎるんですよって。演出や台詞等いろいろ感じたことを黒澤さんに言いましたが喜んでくれてたように思いますと。晩年の作品では私みたいに口だしする役者がいなくて少し残念ですね。黒澤さんは私を尊重してくれてましたからと。黒澤監督影武者や乱の騎馬武者エキストラ一人一人と握手したりしてますね。天皇と言うよりも、無邪気な芸術家と言った方がいいでしょう。スティーブンもそうじゃないかな〜と思います。
土屋嘉男さんですか。「七人の侍」では利吉、「赤ひげ」では森半太夫を演じた人ですね。実直な役を演じるイメージがありますね。
黒澤さんの願いは、黒澤さんの言葉にすると、「このシーンは映画になった」の、「映画になる」、ということに全精力を注ぎ込んでいるんで、「乱」「影武者」で、そのシーンが突き抜けて「映画になった」時は、嬉しくて仕方がないのでしょうね。
だから礼儀としてエキストラ一人一人と握手したのではなくて、嬉しさを表現したくて無邪気に握手してたのだと思います。
映画になったよ、君達のおかげだ、ありがとう、ってね。
多分そうだと思います。
僕は、黒澤さんと手塚治虫と、野球のイチローは、100年に1人の人だと思っています。天皇というよりは、そっちですね。
手塚やイチローは天皇とは呼ばれないでしょ。100年に1人の人です、黒澤さんも。一時でもこれらの人々と生きれたことはラッキーですよ。
昔、スピルバーグの「太陽の帝国」のメイキングを見たのですが、千人以上の群集シーンだったのですが、撮影が終わると、スピルバーグは拡声器で「君たちは、偉大な人達だ(グレイトピープル)」と言ってましたよ。こっちは礼儀的なものだと思いますけどね。ちょっと黒澤さんとはニュアンスが違うと思いますし、確かに黒澤さんは、その点で、無邪気な芸術家なんでしょうね。
それと伸さん、今小説執筆のかたわら、2チャンネルにハマっているのですが、「プライベート・ライアン」のところもかなり面白いことになってますよ。のぞかれてみれば。お奨めですよ。
カズさん ありがとうございます。いつもながら勉強になります。
伸さん、僕のコメントなんかで勉強になってるなんて言ってちゃダメですよ。
伸さん、2チャンネルです。良いです。ハマッてます。
僕なんかよりすごい論客沢山いますよ。僕なんか、まだ優良可の可ぐらいですよ。ギリギリ単位もらってるレベルです。優良の人達、2チャンに、沢山いますよ。
それらの人々と論戦してバトッてください。メチャクチャ楽しいですよ。
グーグルかヤフーで、2チャンネルと検索し、でてきたらスピルバーグでも黒澤明でも、何でも興味のあることを打って検索にかけてみてください。
すごい広大な世界が待ってますよ。
カズさん わかりました!参考にします!
そうです。
http://find.2ch.net/
へジャンプしてください。
めちゃ面白いですよ。
カズさん ありがとうございます。面白そうですね!

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