H16本を読むこと＝教養コミュのモンテ・クリスト伯

アレクサンドル・デュマの時代小説です。

マルセイユの若き船乗りエドモン・ダンテスは、
結婚式の最中に突然、無実の罪で逮捕され、
孤島の牢獄シャトー・ディフに収監されてしまいます。

14年後。
パリ社交界に突如、イタリアの貴族モンテ・クリスト伯
と名乗る人物が現れます。
巨万の富、深い教養、不思議な魅力で周囲の注目を集めた彼は
銀行家ダングラール、陸軍中将フェルナン、検事総長ヴォルフォールに近づきます。
この3人こそ14年前エドモン・ダンテス陥れ、
のちに成功をおさめた者達だったのです。

ナポレオンの三日天下等、時代背景を盛り込みつつ、
エンターテイメント性が高い娯楽作になっています。
テーマはやはり「復讐」。
持てる知恵・権力・財産と、情熱の全てを自分から
全てを奪った者達への復讐に傾けるモンテクリスト伯。
その「復讐者」としての人物造形が渋いです。

知略を尽くした復讐劇はエレガントに決まりすぎ、
といった印象を受けました。
多分僕がハリウッド映画などに毒されすぎなのか
もしれません。
全てを復讐に捧げた復讐者は、
復讐を成し遂げた後、どこへ行くのか？
ラストは注目です。

文庫本で全7巻です。
電車で通勤の際にちょっとずつ読んで、
1ヶ月ちょっと楽しめました。
発表当時が新聞連載のだったせいか、
なんだか妙に冗長に記述してあるくだりがあり、
ちょっと途中で息切れしそうになりました。