松田聖子コミュの聖子ちゃん、NHK大河出演

　聖子ちゃんがNHK大河の『平清盛』に出演するそうです。詳しくは、それについての報道をネットで検索して下さい。大河はしばらく見ていませんでしたが、来年は聖子シーンを中心にじっくりと見る必要がありますね。

　歴史ドラマというと映画『千年の恋』以来ですね。千年の恋は、紫式部の『源氏物語』をベースにしていましたが、ヒーローである絶世の美男子である光源氏は聖子ちゃんの先祖でした。正確には、物語上の人物の光源氏ではなく、光源氏の実在モデルとされる源融（みなもと・の・とおる）の子孫です。
　源融は嵯峨天皇の子で、嵯峨源氏の初代で、従一位大納言で左大臣という最上級の公家です。

　この源融から聖子ちゃんまで、どのように繋がるのか、『蒲池物語』や『蒲池家譜』『筑後国史』その他から簡単におさらいします。

　源融の三男の源昇（みなもと・の・のぼる）の子で従三位中納言の源是茂（みなもと・の・これしげ）の四代後の源満末（みなもと・の・みつすえ）が、従五位下の位で、京の都から、九州の肥前国神埼荘に下ります。
　源満末は神埼で武家となり、その孫の源久直（みなもと・の・ひさなお）が、源平合戦に参加し、壇ノ浦合戦での勲功で、鎌倉幕府の鎮西御家人となり、筑後国蒲池邑の領主となります。
　自分の領地の地名を苗字として源久直は、蒲池久直（かまち・ひさなお）と名のり、この人が蒲池家の初代になります。
　南北朝の時代に蒲池久直の子孫の男子が合戦で討死し、蒲池家の娘は女性の身一人で家を守り、久留米市郊外の高良大社で運命の出会いをする宇都宮久憲（うつのみや・ひさのり）と夫婦になります。（※聖子ちゃんが神田正輝氏との結婚披露宴で着ていた白無垢の緞子に刻まれていた家紋の「左三巴」は、この宇都宮久憲＝蒲池久憲以来のものです）。
　宇都宮久憲は、平安時代の藤原氏の中でも最も権勢を極めたとされる藤原道長の兄の藤原道兼の子孫で、道兼の孫の藤原宗円の孫の宇都宮朝綱に始まります。
　宇都宮久憲改め蒲池久憲の６代後が、鉄の如き義将として現在も地元の柳川で知られる蒲池鑑盛（かまち・あきもり）で、鑑盛は、南筑後に12万石を領し、柳川城の城主であり、筑後国を統括した領主でした。
　鑑盛は晩年は出家し、蒲池宗雪（かまち・そうせつ）と名乗りますが、大友氏と島津氏が戦った日向国（宮城県）の耳川の合戦に、大友氏方の武将として、三千の兵を従えて出陣し、壮烈な討死をします。
　後継者は、鑑盛の嫡子の蒲池鎮漣（かまち・しげなみ。鎮並とも）ですが、蒲池統安（かまち・むねやす。鎮安とも）という弟がおり、蒲池氏の支城の塩塚城の城主でした。
　この蒲池統安が、蒲池氏の一族の中で、聖子ちゃんの生家の祖になります。
　本家の蒲池鎮漣の一族は、佐賀の龍造寺隆信の卑劣な騙し討で殺され、その一族は、隆信の冷酷な仕打ちで皆殺しにされます。鎮漣の子で落ち延びたのは、娘の徳姫こと蒲池徳子（かまち・のりこ）他、数人でした。
　蒲池統安の子は、僧籍にあったため、龍造寺氏による殺戮から免れ、応誉（円蓮社応誉上人）として柳川郊外の瀬高の来迎寺の住職になっていました。
　江戸時代になり、立花宗茂が柳川藩主となり、正室の誾千代の菩提寺の良清寺を開く時、滅びた蒲池氏のことを知る宗茂は応誉を呼び、良清寺の開山（初代住職）にします。
　応誉の子孫は、良清寺の歴代住職家となると共に、滅びた蒲池家の名跡を再興し、柳川藩の家老格の武家となります。
　幕末に、上記の蒲池徳子の子孫で、江戸で幕府の旗本となり九州の西国郡代として１６万石を預かった窪田鎮勝（蒲池鎮克。かまち・しげかつ）と、柳川藩の蒲池鎮之（かまち・しげゆき）が、現在も西鉄大牟田線の蒲池駅の東方にある蒲池氏の菩提寺だった崇久寺で面談したという記録が残っていますが、この蒲池鎮之が、蒲池法子こと聖子ちゃんの高祖父（曽祖父の父）になります。
　木下英治『魔性のシンデレラ。松田聖子ストーリー』（角川書店）の最初の方に、
　「蒲池孜と一子が、この荒木町に居をかまえたのは、法子が生まれるほんの数年前である。孜は、福岡県柳川市出身である。柳川藩の名家の血筋を引くお寺の子息で、一子とは、見合い結婚であった。」
とあります。ここで「柳川藩の名家の血筋を引くお寺の子息」とあるのは、柳川藩の家老格で、鎌倉時代以来の由緒を持つ蒲池家が守ってきた上記の良清寺の蒲池家の息子ということです。

　うーーん、ちょっとした日本史のお勉強みたいになりましたが、とにかく聖子ちゃんに至る先祖の歴史が簡単に分かると思います。個々を詳しく見ていけば、もっといろんな興味深い話はいっぱいあります。
　
　いずれにしても、聖子ちゃんの体内には、こうした先祖の遺伝子というのでしょうか、歴史の記憶が、聖子ちゃんも知らないところで伝わっており、その意味でもNHK大河への出演は興味津々です。
　
※蒲池氏の系譜については、マイミクの思想家であり、蒲池氏の歴史にも詳しく、そして聖子ちゃんのデビュー以来の大ファンでもある千坂恭二氏（http://mixi.jp/show_friend.pl?id=7146920）のアドヴァイスを受けました。