あのね。その小説にはある国の首相が出てくるんだけど、その首相っていうのがいつでもウィットにとんだセリフを吐くわけ。哲学とか箴言とかを駆使しながらね。でもね、そいつは自分で考えてセンス最高のセリフを吐くんじゃなかったの。すべてはそいつが肌身離さずもってるMADE IN JAPANの扇子のおかげだったってわけ。扇子をあおぐだけでその場にぴったりの文章があらわれてたのよぅ。ねぇねぇ、これってあの水野郎も同じなんじゃないの?あの扇子は実は小型のコンピューターでさ、水鏡先生からのメールが届いてるとか。やっだぁー。そしたらあいつすんごい食わせもんじゃなぁい。あの動いたり動かなかったりする牛車もたぶんあいつの発明じゃないわよ。兄者に知らせなきゃぁ。でもどうやって漢中まで行こうかしら?やっぱ赤兎?