ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

カナダの歴史と政治コミュの緑の党のポール党首、辞任を表明

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 緑の党のアナミー・ポール党首は9月27日、党首を辞任する意向を表明した。党首の信任投票が、近く実施される予定だった。
 彼女は党首として初めて臨んだ2021年総選挙で、獲得2議席、得票39万7000票、得票率2.3%に終わった。メイ前党首が率いた前回総選挙では、獲得3議席、得票119万票、得票率6.6%だった。
 また彼女は選挙期間中のほとんどを、自身のトロント・センター選挙区で過ごし、他候補の応援にほとんど行かなかったにもかかわらず、3位で落選した。彼女は、2020年10月に実施された同選挙区の補選にも立候補し、落選していた。なお同党の一部の候補は、ポール党首に応援に来ないでほしいと要請していた。

 ポール党首の相談役ノア・ザッツマン氏は5月、フェイスブックに「緑の党の議員たちの中には、反ユダヤ主義や人種差別がある」「緑の党はお前たちを倒し、アンティファ・親LGBT・先住民独立派・シオニストを引き入れる!!!!!」と投稿した。これを受けてジェニカ・アトウィン議員が、自由党に移籍した。党理事会はポール党首に「ザッツマン氏を公的に非難しなければ不信任投票する」と通告し、彼女の党員資格剥奪さえ企て、党内抗争の様相を呈して来たが、彼女は野党第一党党首(いわゆる「影の総理」)ではなかったため、トルドー首相は配慮することなく解散・総選挙を行い、ポール党首の指揮下で選挙戦を戦うことになった。なおアトウィン議員は、総選挙で当選している。
 ポール党首は総選挙にあたり、自分を失敗させるため党から資金提供を妨害されたと訴えた。
「資金提供なしに総選挙に臨むとき、スタッフなしに総選挙に臨むとき、党から法廷闘争に訴えられる脅威の下で総選挙に望むとき、そのような状況を理解するのにロケット工学者は必要ない。そのような党に投票するよう人々を説得するのは、極めて困難になるだろう。」
「人々が理解する必要があるのは、私が選ばれてこの役割を受け容れたとき、私はガラスの天井を打ち破ったということである。私がその時に理解しなかったことは、私が打ち破ったガラスの天井は、破片となって私の頭上に降りかかり、私はその中を這って行かねばならなかったということである。これは容易なことではなかった。それは非常に痛かった。」
 ポール党首の主任秘書ビクトリア・ゲイリア氏は、トロント・センター選挙区には資金が1ペニーも提供されなかったと語った。
「彼女は、選挙で成功するために立てられたのではない。彼女は、失敗するために立てられたのだ。」
 彼女はまた、理事会の何人かはメイ前党首に忠誠を誓っていると指摘した。
 ダルハウジー大学で政治学を教えるローリ・ターンブル准教授は、13年も続いたメイ党首の影響力はいまだ大きく、後継者は苦労すると語った。
「長い間、それは本当にエリザベス・メイの党であり、彼女が党のブランドそのものだった。」

コメント(6)

 緑の党は、アナミー・ポール党首が9月27日に辞意を表明したにもかかわらず、1か月経ってもまだ辞任していないので、党首の信任投票を10月27日に開始した。投票は11月25日まで受け付けるという。
 党則は、総選挙のあと党首が首相にならなかった場合は、党首の信任投票を行うと定めている。ポール党首は、信任投票が行われることを9月26日に知らされ、翌日辞意表明した。だが、反対派は10月上旬に辞任するものと考えていたのに、辞任のための交渉が終わっていないという理由で下旬になっても辞任しないため、異例ともいえる辞意表明した党首の信任投票に突入することになった。なお「交渉」とは、反対派が彼女を追放するため裁判所に訴えた件で、彼女が負担した弁護士費用を党が補填するかどうかの交渉である。
 ジム・ハリス元党首は、ポール党首への不信任投票を党員に訴え続けている。
「党員は信任投票で、彼女の不信任に投票しなければならない。」
「それから我々は、党を建て直す作業にとりかかることができるのだ。」
「この星における我々の未来が、それを要求する。」
「アナミー・ポールの党首としての在任期間は、悲惨だった。彼女は、総選挙の直後に辞任しなければならなかった。」
 彼はそう述べて、グラスゴーで開催されるCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)に党が党首を派遣できなかった事実を、指摘した。
「アナミー・ポールは4週間以上前、これ以上任務を果たせないと世界に向けて言った。私は、彼女の要望を尊重したい。」
 緑の党のアナミー・ポール党首は11月10日、辞表を提出し辞任した。彼女は9月27日に辞意を表明していたが、まだ辞任していなかったため、党内で信任投票が始まっていた。彼女は離党届も提出し、党員資格を失った。
 ポール氏は、ツイッターで次のように述べた。
「私は9月27日、カナダ緑の党の党首を辞任するプロセスを開始した。私は今日、緑の党に正式に辞表を提出した。私は、党の党員資格も失っている。カナダ国民のために働いたことを誇りに思う。私は、新しい道に務めたい。」
 カナダ緑の党評議会は11月24日、天文学者のアミタ・カットナー氏(30歳)を暫定党首に指名した。カットナー暫定党首は、連邦議会に議席を持つ党の党首としては史上最年少で、(公表されたかぎりでは)最初のトランスジェンダー(ノンバイナリー)である。父はイギリスからの移民、母は香港からの移民で、最初の東アジア系の党首でもある。
 カットナー氏はブリティッシュコロンビア州ノースバンクーバーに生まれ、カリフォルニア大学サンタクルーズ校で天文学を学んだ。
 2019年連邦議会総選挙でtheyは、ブリティッシュコロンビア州バーナビー・ノース-シーモア選挙区から出馬し、得票率9.6%の4位で落選したが、得票を前回総選挙の2倍にした。2020年には党首選に出馬したが、第4回投票で得票率7.3%の6位で敗退した。
 党則により、正式な党首を選出する党首選は、暫定党首指名の6か月後までに開始し、2年後までに終えなければならない。カットナー暫定党首の任期は次の党首が就任するまでで、theyは党首選に出馬する考えはないという。theyは「正式な党首を決めるにあたり、長い準備期間と、短い選挙機関があるべきだ」と語った。
 緑の党は2021年7月以来、党員6259人と寄付者499人を失ったと発表した。カットナー暫定党首は、ポール前党首のリーダーシップにまつわる内紛が影響したと述べた。
 なお党首選出馬を噂されていたポール・マンリー前議員(2021年総選挙で落選)は24日、党首選に立候補しないと発表した。
 緑の党は、11月19日に新しい党首を選出する。複数のメディアは、エリザベス・メイ元党首が立候補し共同党首に就くことを検討していると報じた。
 メイ氏は2006年から2019年まで13年間も党首を務め、4度の総選挙を指揮し、2011年総選挙では同党初の当選者となった。2019年総選挙では、支持率が一時13%にまで達し、2桁議席獲得も期待されたが、3議席に終わった。彼女はその年結婚したこともあり、「家庭の事情」を理由に党首を辞任したが、後任のアナミー・ポール党首は、イスラエルによるパレスチナ空爆を非難しなかったばかりか、イスラエル擁護発言をした相談役を批判しなかったため、不信任投票され、辞任した。
 メイ氏は、党首は議会に議席を持つ人が好ましいと考え、マイク・モリス議員に立候補するよう要請したという。だが彼は「党首選に出馬してほしいという要請を、全国からいただいており本当にありがたく思う。ただ今は、自分を選んでくれた選挙区の住民のために働くことに専念したい」と語っていることから、メイ氏は自ら立候補し人権活動家のジョナサン・ペドノー氏と共同党首に就くことを考えているという。

 党首選には、ケベック緑の党のアレックス・タイレル党首が出馬を検討していたが、ロシアのウクライナ侵攻直後に「自分は暴力に反対する」「ウクライナは武器を供与されるべきでなく、ロシアとの交渉に応じるべきだ」と発言し、7月にカナダ緑の党を除名された。
 カナダ緑の党は8月31日、党首選の立候補者は4組で確定したと発表した。
 エリザベス・メイ元党首&ジョナサン・ペドノー氏、アンナ・キーナン氏&チャド・ウォルコット氏は、2人1組で共同党首として立候補する。あとの2人は単独党首候補で、セーラ・ガブリエル・バロン氏とシモン・グノッチーニ=メシエ氏である。
 メイ氏は候補の中で、唯一の現職下院議員である。キーナン氏は2019年と2021年、バロン氏は2006年(2021年には無所属で)、グノッチーニ=メシエ氏は2021年に緑の党から下院選に立候補し落選している。ウォルコット氏は、2018年にケベック州議会選で落選している。
 ナジブ・ジュット氏も立候補を予定していたが、義務づけられている英語とフランス語のテストについて後者を拒否したため、失格となった。

 党首選は、第一回と第二回の投票が行われる。第一回投票は10月14日までに行われ、同日集計し誰が第二回投票に進めるかが発表される。
 第二回投票は11月19日までに行われ、同日に当選者が発表される。
 緑の党の党首選が11月19日に開票され、エリザベス・メイ下院議員&ジョナサン・ペドノー組が得票率60.2%で当選した。メイ氏は2006年から党首を13年務めた知名度を活かし、圧勝した。なお党則には共同党首の規定はなく、両氏は党則の改正に取りかかる。現時点ではメイ氏が党首、ペドノー氏が副党首である。
 メイ新党首の言葉は、勝利したにもかかわらず歯切れが悪かった。
「新しい党首に就任する気持ちを、言葉にするのは難しい。」
「それは幾分デジャブーだが、ペドノー氏の存在は大きな違いだと言える。」
 投票率は有権者のわずか36%で、前回2020年の68.8%とは比べるまでもない。

 アナミー・ポール前党首は、女性で黒人でユダヤ系でもあった。2021年5月にイスラエルがガザを空爆すると、彼女の相談役ノア・ザッツマン氏がツイッターにイスラエル支持発言を投稿した。党員の多くはこれを批判したが、ユダヤ系のポール党首は彼を処分しなかった。
 党内でポール党首の資質を問う声が挙がるなか、総選挙が実施された。ポール党首の主張によると、党理事会は選挙資金を提供しなかったという。ポール党首は落選し辞意表明したが、一部の党員から告訴されたため、辞意表明から1か月以上辞任せずにいたことから、辞意表明したにもかかわらず不信任投票される異常事態となり、ポール党首は辞任した。
 アミタ・カットナー氏が暫定党首に就任したが、theyはノン・バイナリーだった。オンライン集会でカットナー党首を誤った代名詞で紹介した件について、ロレイン・レックマンズ党理事長は謝罪したが、カットナー党首は「党には長年にわたる黒人・先住民・有色人種・2SLGBTQIA+への差別がある」と発言した。実はザッツマン氏も「緑の党の議員たちの中には、反ユダヤ主義や人種差別がある」と語っている。これらの批判を受けレックマンズ理事長は、党内差別について調査するので、党首選をいったん停止したいと語った。
 ところが所属議員全員であるメイ議員とマイク・モリス議員は、党首選を停止するなら緑の党会派を離脱すると表明した。レックマンズ理事長はこれを「脅迫」だと語り、2022年9月9日に辞任した。これに続き、党首選管理委員の3名が辞任した。党首選は第一回・第二回の二度に分けて行う予定だったが、一度に変更された。

 ペドノー氏は、緑の党が直面する困難を認めたが、成長への経路があると語った。
「カナダは、少数派が強く、賢く、巨大な利権を凌駕できる地である。」
「我々は、愛する人とともにより多くの時間を過ごすことを望む家族のための党である。我々は、億万長者は存在すべきでないと考える人々のための党である。我々は、この星を守っていくと強く決意する人々のための党である。」
 メイ氏も、抱負を次のように述べた。
「我々は、カナダ人に信頼される党となる。そして、ほかの誰かを当選させないために特別好きでもない誰かにまた投票するかわりに、熱意をこめて投票できる選択肢を、次の選挙の前にカナダ人に与える。」


写真:上段左からエリザベス・メイ議員(1位)、ジョナサン・ペドノー氏、セーラ・ガブリエル・バロン氏(4位)。下段左からアンナ・キーナン氏(2位)、チャド・ウォルコット氏、シモン・グノッチーニ=メシエ氏(3位)。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

カナダの歴史と政治 更新情報

カナダの歴史と政治のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。