ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

ニュージーランドワイン友の会コミュのニュージーランドワインにとっての日本

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
今月末のメルマガ発行に先駆けてNZワインナゲット(こぼれ話)を先行公開します。
日本でもずいぶん気軽に手に入るようになったNZワインですが、私たち消費者に届くまでの過程におけるいろんな裏話です。
いろんな人のいろんな作業と想いが詰まって日本に届くNZワイン、これからさらに種類も量も増えるよう、どんどん飲んで楽しみましょう!

*************************************************

今回はニュージーランドのワイン産業から見た日本についてです。映画ロスト・イン・トランスレーションにあるような“西洋の目からみたエキゾチックな経済大国”に映っているのか、はたまたSayuriのような“古典保守的な芸者の国”と映っているのでしょうか。そして、ニュージーランドのワイナリーにしてみれば、日本という国はどのように映っているのでしょう。

『ワイナリーに取って』ということは『ワインを売る相手』ということになり、もっと平たく言えば『自分たちのワインにお金を払う国』となります。そういった観点から、どうしたら自分の所のワインが日本に受け入れられるのか、という質問をワイナリーのマーケティング担当者から受けることも少なくありません。日本ではどのようなワインが好まれて飲まれているのか、どういうワインのラベルが好感を持たれているのか、スクリュー・キャップはどう思われているのか…云々。

日本の景気は下降線を辿ったままだとか、円が弱いだとか、夏が暑すぎるだとか、いろいろなニュースはニュージーランドにも入ってきますが、依然、アジアの中では断トツでトップの市場として君臨しています。ニュージーランドワインの輸出先の中で日本は第7位、更に輸出高は年々増加しています。本当に質の高いワインを造るワイナリーはインポーターさんの念入りなリサーチや情熱的なアプローチによって、ほぼ日本へ輸入されています。

これだけ聞くとニュージーランドと日本のワインマーケットにおける関係は全くもって明るい未来だと言わんばかりですが、もちろん良い話しばかりではありません。
ステレオタイプの例を出しても面白くないと思いますので、今までの経験からの話しを出させて頂きますが(なのでオフィシャルなデータとは取らないでくださいね)、ニュージーランドのワイナリーは日本マーケットは下記の3つの理由によりとても難しいと考えられています。

理由1:言語
英語が日本の第一言語だとしたら、IT関係でも何でも既に世界に冠たる堂々たる地位を築いているだろうと言われているほど、日本は日本語を話すがために日本から見ても外国から見ても進出しづらい国であることは確かです。英語が出来る日本のビジネスマンは沢山いますが、日本語ができるNZ人はあまりいません。
これが実はマーケティングには大きく作用する要因で、英語が出来る人や会社から聞き出さない限り分からない情報と、自分本位で行うリサーチより得る情報では全く異なってきます。どこのワイナリーも日本語を巧みに操るエージェントや翻訳者を抱え込めるほど余裕があるわけではありませんから、結果としてワイナリーに入ってくる情報はごくたまにニュースレターに掲載される日本の情報など、とても限られてしまいます。
また、ワインの価格面にもこれは影響を及ぼしており、例えば、ワインを輸出するときも、ワインが日本に入るときには法律により日本語で書かれたラベルを貼る必要性が出てきます。これにより、各ワインは50セント〜1ドルほど値上がりします。また、商談中にかかる翻訳、エージェントを使う費用は結果としてワインの値段に反映されます。

理由2:文化
日本の文化はよい意味でも悪い意味でもはっきりとものを言いません。ビジネスだとこれが顕著になります。良く言われるのが「検討します」という意味がどちらかと言えば、ほぼNOであるあるのに対して、西洋文化ではとてもポジティブになり、きっと良い方に検討して貰っているに違いない、いつその結果を聞けるのだろうとワクワクして待つことになります。YES、NOをすぐ言えば時間の節約にもなるし、自分の意思を相手に直接伝えるもっとも簡単な方法としているのがニュージーランド、あまり良いとは思わないけど検討してみますよ、というのが日本的な言い回しですね。
こんな勘違いも耳にしました。知人が日本のある会社に自社の商品を勧めて「上司に確認を取るので待ってくれ」と言われ、ずっと待っていたにもかかわらず返事がもらえず、途中何度もせっついたにも関わらず、ずっと同じ答えだったそうです。やきもきして遂に通訳を雇って日本へ行き、直接話したらその商談はとっくになくなったものだと考えて、目の前のガイジンは何をしに来たのか分からない日本の会社、NOと言われなかったのでいつまでも可能性を信じてわざわざ日本まで行った友人も目が点、という話を聞きました。
日本の会社は折角来てくれたのだから…と友人をディナーに招待し(フグ鍋だったらしいです)、その後はウィスキー・バー&カラオケにて楽しいひとときを過ごしたと、友人はますます訳が分からなくなったそうです。これはもう勘違いというより、悲劇ですね。

理由3:距離
ニュージーランドと日本は10000キロ離れています。ニュージーランド航空さんが一生懸命飛んでいてくれ、飛行時間はたったの10〜11時間ですが、それでも10時間です。実際、10時間という時間はニュージーランドに取って遠すぎる距離ではありません。UKへ行くには27時間かかりますし、アメリカ西海岸やカナダ(共にニュージーランドの主要なワイン輸出国)でも13時間かかります。先に書いた言葉と文化の問題がこの10時間を100時間にもしています。
出張先が言葉も土地鑑も問題ない国と全く知らない国では、数日の出張でもいつも気軽に行くという訳には行かないかも知れません。

反面、日本マーケットの特異性も十分評価されています。
日本ではワインが元来の嗜好品ではないため、興味ある人は仕事の後にスクールに行き学んだりするチャンスに恵まれ、世界中の人々を魅了してきたワインという飲み物がどういうものであるのかすぐに試すことが出来ます。大都市に行けば大体の国のワインが手に入り、地方に住んでいてもオンラインショッピングにて簡単に手に入ります。
このように知識欲が高く、新しいものや良質なプロダクトには必ず興味を示す日本人は、その大変発達した流通経路や情報網により手軽に欲しいものを素早く安全に手に入れることができ、一度気に入ると続けて購入するという特徴もあるそうです。これらがニュージーランドワインという商品に向く部分も多くあり、文化こそ違うけれどもニュージーランドワイン産業を魅了してる部分でもあります。
また、日本人は正直者であるため、欺いたり、お金を支払わないで行方をくらましたりという企業はものすごく少ないのも日本びいきなワイナリーが多い要因とも言えるでしょう。もちろん、前回のコラムにも書いた、日本食とニュージーランドワインの相性も重要な要素です。お金を抜きにしても、ワインメーカーやワイナリーのスタッフが面と向かって日本人と接すると決まって日本人は素晴らしいと言います。相手を尊敬する態度や良いものを大切にする姿勢に感銘を受けるそうです。

こうやってビジネスレベルではなく、個人的付き合いに限りなく近いところで日本人を評価してくれるニュージーランドワイナリーが多いのも、実に嬉しいことですね。こうやって、日本の良いところをどんどん評価して貰い、日本にもワインを気軽に楽しむ人がどんどん増えれば、より一層多くのニュージーランドワインが日本へ入っていく事となるでしょう。

コメント(0)

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

ニュージーランドワイン友の会 更新情報

ニュージーランドワイン友の会のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。