ログインしてさらにmixiを楽しもう

コメントを投稿して情報交換!
更新通知を受け取って、最新情報をゲット!

衣の備忘録コミュの感染

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
●感染と感染症
感染は、しばしばその宿主に特定の病気を引き起こすことがあり医学上の問題になる。感染により引き起こされる病気のことを感染症と呼び、その原因となる微生物を病原体あるいは病原微生物、宿主に病気を起こしうる性状のことを病原性と呼ぶ。病原体だけでなく、その宿主に対する病原性がない微生物もまた感染を起こしうるが、このときを特に定着(ていちゃく colonidization)と呼ぶことがある。定着した非病原性微生物は常在細菌として、宿主を他の病原性微生物から保護する働きをする。


●病原体との接触から発病まで
ある病原体が宿主の生体内に入って感染症を起こすとき、厳密には以下のような順序を辿る。

感染源との接触→侵入→感染→発病

厳密な意味において「感染」とは、この順序の一段階を指すものであるが、一般には接触から発病までの一連の流れを含めたすべてを「感染」と呼ぶ場合も多い。又、1つの病原体による感染が成立したのちに、新たに加わった多種の病原体による感染が起こった場合、1つ目の感染を初感染、後者の感染を二次感染と呼ぶ。


●接触・侵入と感染
感染は病原体が宿主と接触することから起きるものであるが、病原体と宿主の接触が起こっても、必ずしも感染するとは限らない。通常、病原体が宿主の生体内で増殖できる場所(感染部位)はそれぞれに決まっており、感染が起きるためには、特定の入り口(侵入門戸)を通って特定の感染経路(侵入経路)を経て、感染部位に充分な数の病原体が到達する必要がある。例えば、食中毒の原因の一つであるサルモネラ菌では腸管が感染部位であり、サルモネラ菌が宿主の手についただけの段階では感染は成立していない。この後、手から食物などを介して口(=侵入門戸)に入り、そこから消化管(=侵入経路)を通る過程で唾液などに含まれる殺菌成分や食道粘膜の白血球、胃液など、生体の持つさまざまな生体防御機構による攻撃を逃れて腸管に辿り着き、そこでさらに他の常在細菌との生存競争に打ち勝ち、安定な増殖をするようになって初めて「感染」が成立したと呼べる。サルモネラ食中毒の場合、感染が成立するには一万個程度のサルモネラ菌の侵入が必要と言われる。


●感染と発病
病原体による感染が成立、すなわち生体内で安定な増殖を起こしても、必ずしも発病するとは限らない。発病するか否かは、病原体と宿主の力のバランスによって決まる。病原体の毒性(ビルレンス)が十分に高い場合や、宿主の抵抗力が低い場合には発病(あるいは顕性感染)に至るが、逆に病原体の毒性が低く宿主に充分な抵抗力がある場合には感染しても発病せず、結果として感染が起きていながら表には症状が現れない。このことを不顕性感染(ふけんせいかんせん)と呼ぶ。


●感染の終焉
微生物による感染が成立した後は、

発病→死亡
発病または不顕性感染→治癒(微生物の排除)
発病または不顕性感染→潜伏感染
という三通りの展開がある。

発病した後、生体の感染防御機構や医療措置などによっても処置できなかった場合には生体防御機構は破綻して、宿主は死の転帰をとる。逆に防御機構側が病原体に打ち勝つと、病原体が体内から排除されて治癒する。このとき同時に、宿主はその病原体に対する免疫を手に入れることも多い。

一方、病原体によっては生体防御機能から逃れて身を隠すことで排除を免れ、長期にわたって感染を継続させることがある。このような感染を潜伏感染と呼ぶ。単純ヘルペスウイルスなど一部のウイルスや結核菌などに見られる。潜伏感染する病原体の多くは、免疫システムの届きにくい神経細胞やリンパ球の細胞内に潜み、また自分自身の増殖や代謝を出来るだけ低く保つことで免疫による監視や排除から逃れているが、別の感染症や老化などにより宿主の抵抗力が低下すると、活性化して再び発病することで、日和見感染の原因になる。中でも特に潜伏感染と発病を繰り返し行う場合を回帰発症と呼ぶ。


●感染・伝染・流行
感染と類似の用語に、伝染と流行がある。これらは時に混同されることが多いが、厳密には

感染:一人(一個体)の宿主が対象
伝染:二人(二個体)の宿主の片方からもう片方への感染
流行:複数の宿主の間(社会)における伝染
という区分がなされる。また流行のうち、多国間にまたがって広範囲で起きるものを汎発性流行(パンデミック)、それよりも狭い地域で起きるものを地方性流行(エンデミック)と呼ぶ。





●感染の分類・種類
病原体による分類:真正細菌、ウイルス、真菌、原生生物、寄生虫、ウイロイド、プリオンなど
侵入門戸による分類:経口感染、経気道感染、経皮感染、創傷感染、接触感染、尿路感染、粘膜感染、胎盤感染など
感染源による分類:食物感染、水系感染、空気感染、飛沫感染、ベクター感染、血液感染、母乳感染、産道感染など
発病時期による分類:急性感染、亜急性感染、慢性感染、遅発性感染など
感染部位による分類:全身感染、局所感染、異所性感染、表在性感染、深在性感染、細胞内感染など
伝染様式による分類:垂直感染(母児感染)、水平感染

●特殊な感染について
[菌血症][敗血症][ウイルス血症]
血液中で病原体が感染を起こして全身感染したもの。特に重症なものを敗血症と呼ぶ。免疫力の低下などによる。


[日和見感染]
非病原性あるいは弱毒性の病原体が、抵抗力の低下した宿主に感染する。


[院内感染(病院内感染)]
医療機関にいる間に、あるいは医療行為によって感染するもの。特に薬剤耐性の病原体や日和見感染によるものを指す場合が多い。


[一次感染][二次感染]
最初にある病原体による感染が起こった後で、別の病原体による感染が起こった場合、前者を一次感染、後者を二次感染と呼ぶ。二次感染は日和見感染である場合が多い。


[混合感染(複合感染、多重感染)]
二種類以上の病原体が同時に感染する。


[持続感染][慢性感染][潜伏感染]
いずれも長期にわたって感染が続くもの。感染中にほぼ完全に病原体の増殖が止まり無症候である場合を潜伏感染、病原体の増殖がゆるやかに続く場合を持続感染、長期にわたって何らかの症候が出つづける場合を慢性感染と呼ぶが、必ずしもこれらの使い分けは明確ではない。


[異所性感染]
常在細菌が本来の定着部位と別の場所で感染する。


[細胞内感染]
病原体が細胞の内部に感染すること。ウイルス、クラミジア、リケッチアなどの偏性細胞内寄生体の他、チフス菌、レジオネラ、リステリア、結核菌などの細菌感染症に見られる。


コメント(1)

●●伝染の形式●●

●接触感染
皮膚同士のふれあい、または物体の表面を通じての間接的なふれあいで病原体が皮膚に付着し、感染が成立するもの。疥癬はこの接触感染による代表例である。MRSAなどの薬剤耐性菌の院内感染もこの形式によるところが大きい。日本脳炎なども蚊が媒介するため、この感染形式である。また、特殊な形態として性感染症がある。

●飛沫感染
咳やくしゃみで放出された体液の飛沫が病原体を含んでいて、これが他人の粘膜に付着することで感染が成立するもの。一般的な風邪はこの形式をとる。飛沫感染の原因となる粒子は5マイクロメートル以上と大きく重いため、すぐに落下し数メートルの短距離(3feet未満)までしか到達しない。そのため、患者がマスクを着用することで他人への伝染を予防する効果がある。

●空気感染(飛沫核感染)
飛沫として空気中に飛散した病原体が、空気中で飛沫の水分が蒸発して5マイクロメートル以下の軽い微粒子(飛沫核)となっても病原性を保ったまま、単体で浮遊して他人まで到達するもの(3feet以上)。SARSの原因となったコロナウイルスをはじめ、麻疹・水痘・結核もこの形式で伝染する。飛沫よりはるかに小さな粒子であるため屋内であれば建物全体の空気を汚染する恐れがあり、通常のマスクは通過してしまうため無意味である。対策には気密を保って低圧にした専用室への隔離、特殊マスクの着用が必要となる。

●血液感染
注射や輸血などといった医療行為が可能となったことにより出現した感染形式。HIV、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、クロイツフェルト・ヤコブ病などが代表的。輸血製剤については検出技術の向上、ストック期間の延長などの対策が行われる。注射器の針刺し事故の予防のためにはキャップの再装着(リキャップ)を避けることなどが提唱されている。

●母子感染
垂直感染とも。実際の感染形式としてはさらに、胎内感染(胎盤を通る血液を通じて感染)、産道感染(出産時の出血による血液感染)、母乳感染に分類される。
それぞれの対策としては胎内感染には妊婦への抗ウイルス薬投与(エイズの場合)、産道感染には帝王切開、母乳感染には授乳の禁止などを行う。

ログインすると、みんなのコメントがもっと見れるよ

mixiユーザー
ログインしてコメントしよう!

衣の備忘録 更新情報

衣の備忘録のメンバーはこんなコミュニティにも参加しています

星印の数は、共通して参加しているメンバーが多いほど増えます。

人気コミュニティランキング