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現代美術情報コミュの坂田 英三展「海水デッサン ガルニ付き」@ L gallery

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坂田 英三展「海水デッサン ガルニ付き」
2015.2.14 (土) - 3.1 (日) 
13:00-20:00
作家在廊日 2/14(土)、15(日)、21(土)、28(土)、3/1(日)

L gallery
名古屋市名東区本郷1-43 The Apartment LiF F-1
http://l-gallery.jp/
https://twitter.com/Lgallery_F1

 フランス在住のアーティスト坂田英三は、これまでも、僧侶の格好でパフォーマンスをする、環境問題をテーマにアースワークを展開する、その地で採取したものを使用しオブジェを制作する、果汁の炙りだしによってKISSを蒐集する、雨にドローイングさせる、など表層だけを捉えれば、まったく異なる表現方法の作品を提示してきました。しかしそのどれもが、軽やかな社会批判を含み、諧謔味とライブ感に溢れたものとなっています。

 環境問題を提起する作品を多く制作してきた自身にとり、福島第一原発事故後、何をどう表現すべきか立ち止まり考えるため、2012年からは1日1枚ずつ、ドローイングを描いています。特に「墨と海水」で描かれた海水デッサンシリーズは、ライティングの具合で塩の粒がキラキラと光ります。

 今展ではそのドローイングを中心に、海水デッサンにまつわるドキュメンタリービデオ、「死海」の水でのインスタレーションを行います。また、雪によるドローイング、新シリーズ「フランス名画の旅(仮称)」第一作を展示しています。

*****

 坂田英三は、2011年の原子力発電所事故を契機に、環境をテーマにしたインスタレーションの制作から身をひいている。代わりに、1日1枚ずつ描くことをはじめた。一昨年の夏、彼が新たに手にとったのは、海水そして墨汁だった。塩水や雨によるドローイングはこれまでも行ってきたが、墨を画材に選んだことでより描くことにどん欲になり、モチーフを精査するようになったのでは、と思えばそうでもないらしい。具象と抽象程度の選択は事前になされるが、それとて「和食か洋食かをを選ぶようなものですよ」といつもの飄々とした口ぶり。「昨日のメニューは何だったかしら」という具合だ。

 かねてより「自分の手を離れたところにあるものの力を借り、どう世界をみて、許容しているかを再認識し、具現化していきたい」と坂田は話してきた。そして今、「ニースの海水」「ペルーの海水」など友人に持ち帰ってもらった、様々な海の水と墨でドローイングを試みる。海水温、塩分含有量、制作環境、滲みや垂れも重なり一筋縄ではいかない。外的要因に大きく左右される制作方法ゆえに、「思考が意味をなさない」とさえ言い放つ。しかし「ほとんど何も思わないように」描くからこそ、意識、無意識が混濁して反映され、その日その時にしか描けないものが生み出されるのだろう。

 作家が偶然に身を委ねるように、そこに何をみるかは鑑賞者に委ねられる。地層も神話も風景も、卵もドレスも女も、哀しみや畏れ、愉楽などの感情も、散り散りの積み重ねが年月であり人生となる。デイリードローイングは、その日をくぐり抜けたことの証明書。「今日」という1日を通り過ぎ、明日へと渡るパスポートなのかもしれない

コメント(1)

最終日に行ってきました。死海の水滴を並べたインスタレーション、この日雨だったために、乾いて前日まで結晶化していたという塩分が再び水滴となって美しく輝いていました。
不思議な光景でしたね。

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