新撰組出陣！コミュの新撰組主要隊士一覧-か行-

●加藤羆(かとう･ひぐま)
生　不詳
没　慶応3年6月23日(1867・7・24)

慶応3年6月10日(1867・7・11)の幕府召し抱えでは平士として連記されている｡
慶応2年9月12日(1866・10・20)の夜、三条大橋制札事件に出動して
7両2分の褒賞金を賜わった。
慶応3年6月10日(1867・7・11)の幕府召し抱えでは
平士として見廻組並に名を連ねている。
しかし、12日後の6月22日、武田観柳斎の離隊とともに逃亡を企てるが
翌23日(1867･7･24)枚方で切腹した。
壬生光縁寺に合葬碑がある。
合葬碑に刻まれた名は、加藤羆正徳とある。

●加納道之助（かのう・みちのすけ）
生　天保10年11月9日（1839・12・14）
没　明治35年（1902）10月27日

伊豆の人。
加納伴平宗通の長男。
元治元年10月、近藤勇が帰府の時に伊東甲子太郎らとともに応募入隊。
その時の記録に、加納鷲尾ともある。
後に､伍長加納鵰雄、鷲雄、鵬雄、伊豆太郎。
名も政道、通広といった。
伊東、篠原らと御陵衛士を拝命して、新撰組を分離。
七条油小路の血闘で生きのび、近藤勇を伏見街道で狙撃。
慶応4年4月４日（1868・4・26）流山で投降の大久保大和を近藤と看破。
明治4年開拓使となり、北海道札幌に赴く。
墓は、東京都港区青山霊園1種ｲみ号15側7番。

●河合耆三郎（かわい・きさぶろう）
天保　9年（1838）播州高砂の米穀商、河合儀平の長男として生まれる。

永倉新八が大坂浪人と記した理由は
妹のきくが嫁ぎ先の大坂平野町の八百源から新撰組に応募したため。
武芸劣等ながら勘定に長け、その才を発揮した｡
近藤勇の妾、御幸太夫の身請け金500両用立ての段になって
帳簿に対する不足金50両の穴埋めが間に合わず
切腹ということになったというが､身請け話は1年も前のことで
その真相は究明されていない。
壬生寺の墓に、河合耆三郎源義輝とあるが
光縁寺の合葬墓には、河合譜三郎吉輝と刻んである。

●河合鉄支部（かわい・てつごろう）
生　弘化3年（1846）
没　不詳

中島登の『戦友絵姿』にいわく
「元幕臣たりしが､東京を脱する時貫義隊たり。
会津に来り、故あって新撰組に加入し
9月4日（1868･10･19）山口二郎に従って如来堂にて討死にす」とあるが
粂部正親、池田七三郎、吉田俊太郎らと新遊撃と称し、下総の銚子で降伏。
高崎藩士、菅谷団次郎の報告書に
「濃州岐阜七回町　河合鉄五郎廿三才」と記されている。
この時、猪野豊之助を名乗った粂部正親や河合ら32人は
山下御門外の松平図書館の屋敷へ送られた。

●菊地　央（きくち・たのむ）
生　弘化4年（1847）月日不詳
没　慶応4年閏4月25日（1868・6・15）

中島登の『戦友絵姿』に
「菊地央　行年二十二　元津軽藩ナリ｡新撰組エ加入シ､后会津ニ来リ｡
辰四月廿五日､白河口攻撃ノ中､終に討死ス」と書き残しているが
白河市大工町皇徳寺に建立されている墓碑には
正面に、誠忠院義勇英剣居士。
左側面に、弘前、俗名菊地央五郎。
右側面に表記の没年月日
裏面に明治二己巳年七月十三日、水木真俊建之とある。

●清原　清（きよはら・きよし）
生　天保3年（1831）
没　慶応4年閏4月25日（1868・6・15）

肥後熊本の産。
名は重奏。
戊辰の析、武川直枝と改称。
新選組加盟は慶応元年4月27日（1865・5・21）土方､伊東:らが帰京の際に募集した時｡
慶応3年3月10日（1867・4・14）伊東らと御陵衛士となって、新撰組から分離。
戊辰戦争では、伊地知正治の薩州4番隊に属して、宇都宮、白河と転戦した。
白河の激戦で斃れた武川は、同所長寿院の墓所に葬られた。
同寺の過去帳に「雲外忠浄居士、武川直枝、行年三拾七才」とある。
墓は、白河城址と京都東山戒光寺墓地。

●粂部正親（くめべ・まさちか）
正　天保12年4月17日（1841・6・6）
没　明治43年（1910）9月25日午後11時

近藤芳助の書によれば、大坂天満与力の息とあるが、判然とﾉしﾉない。
永倉新ハは､｢御府内浪士」と認め、島田魁は｢浪花｣としている。
中島登は「山城京都ノ産」と書き残し、辰の9月4日（1868・10・19)会津如来堂で
山口二郎と共に討死した:とているが
その実は、虎口を脱し池田七三郎らと新遊撃隊、猪野豊之助として銚子で捕らえられた。
維新後は、新政府の陸軍に出仕。
墓は、宮城県白石市の専念寺墓地。
称応院釈教念居士と号す。

●近藤　勇（こんどう・いさみ)
生　天保5年10月9日(1834・11・9)
没　慶応4年4月25日(1868・5・17)

武州多摩郡上石原村、宮川久次郎の三男。
幼名を勝五郎と称し、後に島崎勝太、島崎勇。
4代天然理心流宗家を継いで近藤勇。
清河八郎らの帰府に従わず、芹沢鴨ら23人の仲間と京都に残留して
新撰組の母胎となす。
文久3年8月18日(1863･9･30)の政変に出動。
この日、武家伝奏から｢新撰組」を命名される。
9月、新見錦、芹沢鴨の両局長を死に至らしめ
新撰組を掌握、新撰組の頂点に立つ｡
元治元年6月5日(1864・7・8)の池田屋騒動で勇名を馳せた。
永井尚志の広島出張に近藤内蔵助の名で随行。
慶応3年9月13日(1867･10･ 10) 朝彦親王は、原市之進暗殺の後釜に
近藤の登用を提言､京洛政治の支柱として重きをなす。
慶応3年12月18日(1868・1・12)伏見街道墨染で
阿部十郎ら御陵衛士の要撃に遭って
右肩に銃創負い、鳥羽伏見の戦いには参戦できなかった。
甲州勝沼の敗戦後、慶応4年4月3日(1868・5・25)下総流山で投降。
同月25日(1868・5・17)板橋で斬首。
その首級は､板橋の一里塚に晒され
閏4月8日(1868・5･29)京の三条制札に梟首された。
戒名は、貫天院殿純忠誠義大居士と号す。

●近藤周平(こんどう・しゅうへい)
生　嘉永元年5月20日(1848・6・20)
没　明治34年(1901)12月2日
午前10時
備中松山藩谷三治郎の三男で、谷三十郎、谷万太郎の実弟。
本名を谷昌武、正武等と称す。
池田屋騒動では、近藤、沖田､永倉､藤堂らと斬り込む。
その活躍で、近藤に望まれて養子となり、近藤周平と改称。
慶応3年6月10日(1867･7･11)の幕府召し抱えでは
谷周平と旧姓に戻っている。
長兄三十郎すでにこの世になく、次兄万太郎は幕府召し抱えに名がない。
新撰組において谷兄弟の存在は影が薄くなっていた。
谷三兄弟の墓は、大阪市北区兎我野町の本伝寺にある。
周平の名は、昌武と刻まれている。

●近藤芳助(こんどう・よしすけ)
生　天保14年(1843)5月某日
没　大正11年(1922)7月5日

江州国友村の出という。
江戸市ケ谷近藤勇道場の近燐に住し、若年からその道場に通った。
元治元年10月15日(1864・11・14)伊東甲子太郎らの加盟と同時入隊。
慶応4年8月21日会津母成峠の激戦で新撰組から離脱。
幕臣川村三郎を名乗る。
明治平定後、横浜に住し、『新撰組往時実戦談書』を残す。
明治21年(1888)横浜の市会議員選挙
後の県会議員にも当選。
横浜市西区の赤門東福寺に墓。
寿院徹心正澄居士と号す。