脳神経内科コミュの片側顔面痙攣の治療について

はじめまして。

私の親類（60歳女性）が片側顔面痙攣の治療を検討しているのですが
神経減圧術とボツリヌス毒素治療のどちらにするか
また、その専門医選び　で悩んでいます。

手術の成功率は高いようですが、聴力の低下や髄液漏の可能性があると聞き、不安を覚えているようです。

?手術のリスクとメリット
?ボツリヌス毒素治療については治療を途中で中断したり、
間隔が空いた場合に何か支障があるのか？
?ボツリヌス毒素治療の場合、医師によって腕に差があるのか？
?緑内障を患っているが、治療にあたり気をつけることはあるか
（神経内科と眼科どちらでのボツリヌス治療が望ましいか）

以上の４点について知りたいです。

医師の方、同様の症状で治療経験のある方、
どうぞお教えください。

よろしくお願いいたします。

コメント(5)

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[1] mixiユーザー 03月06日 18:21

はじめまして。

ボトックス治療についてのご質問ですが、取り急ぎ簡単にですが、お答えさせて頂きます。(※資料を別の職場においてきてしまっている為)

?手術のリスクとメリット

リスクとしては、可能性は低いとはいえ、脳の障害による不可逆な後遺症が生じ得る事です。
メリットとしては、かなりの高い確率で、症状が完治し得る事です。
※手術と言えども根治率は100％でありません。再発例の報告もあります。

?ボツリヌス毒素治療については治療を途中で中断したり、
間隔が空いた場合に何か支障があるのか？

特にありません。
症状がまた治療前と同じ状態に戻る事はあっても、治療の過程で副作用などが生じていなければ、治療が中断したり間隔があいた為に支障が増える事は内と思います。

?ボツリヌス毒素治療の場合、医師によって腕に差があるのか？
これは『腕』の意味にもよりますが、もちろん医者によっても良し悪しはあります。
ⅰ)『治療成績(どの位良くなるか)』に関しては、技術よりも知識の差による影響があるかもしれません(※ただ痙攣する場所にうてば良いというものでもない)が、片側顔面痙攣の治療であれば、どの医者が医療をしても、治療成績にあまり大きな差はないと思います。
(※斜頸などの場合は、知識や経験がないと、治療もままなりません)
ⅱ)『手技の拙劣さに伴う副作用』に関しては、
下手な方では、良く内出血などを起こしてしまうという話は聞きます。
まぁ、顔や眼瞼の皮下出血程度なら(じきに治るので)まだ良いのですが、眼などに刺してしまうような話は、信じられないようですが実際にそういった例も世の中にはあるようです。

?緑内障を患っているが、治療にあたり気をつけることはあるか
（神経内科と眼科どちらでのボツリヌス治療が望ましいか）
緑内障自体がボトックス治療の支障になったり、副作用で悪化したりすることは知られていません。
神経内科でも眼科でも片側顔面痙攣の治療であれば支障はないと思うのですが、個人的には片側顔面痙攣の病態について造詣が深い方のほうが治療者としては信頼できると思いますので、経験症例が豊富で、片側顔面痙攣や電気生理学に関して関心の高い、神経内科の医師の治療を、私だったら希望したいと思います(※私は神経内科医なので・・・)。

以上簡単ですが，取り急ぎお答えさせて頂きました。

蛇足ですが、片側顔面痙攣の病態機序に関しては、世の中で認識されている以上に、実はまだまだ不明な面が多く、良く外来で説明をされる『血管による神経の圧迫』だけでは説明がつかない事柄も数多くあります。
電気生理学的なアプローチにより、中枢性の機序に関して研究されている方もいらっしゃって、近いうちに新たな知見も発表されるのではないかと思います。

最後に、
片側顔面痙攣とボツリヌス治療に関して、ボトックスの販売元であるグラクソ・スミスクラインのHPの解説へのリンクを張っておきます。
http://www.btx-a.jp/kao/index.html

[3] mixiユーザー 03月07日 09:06

＞shim様

早速のコメントありがとうございます。
神経内科医の立場からのご意見、大変参考になりました。

>片側顔面痙攣の治療であれば、どの医者が医療をしても、治療成績にあまり大きな差はないと思います。

というのを聞いて少し安心しました。
口コミサイトなどもいろいろみていたのですが
片側顔面痙攣についてはあまり活発でなく
近隣の病院を探すことができませんでした。
どの医療機関を選ぶかは患者個人に任されているにも関わらず
医療機関に関する情報（どんな治療を得意とするか、とか、各医師の治療実績・経験症例とか）は
明示されたものがないため、どの医療機関を受診しようか大変困っておりました。判断材料になるような情報を提供するシステムなどが発達してくれることを願っています。

緑内障については、ボトックス治療によって瞼が閉じない/閉じにくい時があったときに
いつも以上に目が乾いてしまうことが心配だなぁ、と思って書きました。
眼科医でボトックス治療をしているところはかなり少ないようですが
眼科医であれば緑内障の症状も理解した上で治療がしてもらえるのではないかと思った次第です。
でもやっぱり顔面痙攣自体は神経系のことですので、電気生理学に通じたかたの方が信頼できるのかなぁ。。。

あと１点質問なのですが
片側顔面痙攣の場合、腫瘍などによる神経の圧迫がないか確かめるためにMRIをやるとききましたが
MRIの検査は必須ですか？
やらないケースもありますか？

グラクソ・スミスクラインのリンクも参考になりました。
ありがとうございました。

[4] mixiユーザー 03月08日 22:21

＞ニンさん
実際の現場では、腫瘍が見つかる場合がそんなにも多くは無いことから、MRIを撮らないこともままありますが、ご指摘のように腫瘍などの可能性が完全に否定出来る訳ではありません。
慎重を期すのであれば、MRIを撮像する、という選択をして間違いはないでしょう。(※特に禁忌が無ければ)

pubmed( http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=PubMed )で、『hemifacial spasm tumor』を検索して頂ければ、腫瘍による二次性の片側顔面の症例報告などがすぐ見つかりますので、ご参考までに。

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