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妖精が舞い降りる詩コミュのやっちゃんといいます。去年の詩です。

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郷愁の旅          高木 康文

炎天の下 蝉時雨 線香の匂い やっとの熱い想いの墓参り
あれから 一年が経ったのだなあ
車は市街地のホテルへ ささやかながら
思い出と笑顔浮かべて 集うそれぞれの家の人たち

やがて写真を心に映し 白い手を振り合い ローカル駅へ
故郷の愛着を胸に 暑い鉄路を乗り換えながら 新幹線駅に着く
わずかの待ち時間後 流線型の列車が滑り込む
アナウンスと人の列に せっつかれるように ひとり 土産を手に乗り込む
席に座るともう 静かに動き出す
「のぞみ」東京行き スーパーエキスプレス
じきに 空気を切り裂く スピードを出して走る

郷愁から強引に別離させてゆき 涙がこみ上がる・・・

海辺の町が後ろに 後ろに 遠去かる
青い海 白い砂 釣竿かついで 麦わら帽子の無口な少年
紅い帯の夏祭りの君 光の粒 蛍を追いかけた
遠く近くさざなみの音 蚊帳と蚊取り線香の香り

ひとり 煙草の煙を吐き出して 走馬灯のように 心をまわす
車内販売の女性をとめて 缶ビールと 故郷の味がする おつまみを手にする

後戻りする隙間のない 生活 マンモスの都会へと向かう

やっと心の震えを止められる頃
静かなアナウンスが流れる
「ただいま 定刻どおりに・・通過いたしました・・」

故郷の山や河 夏の声 日光の降り注ぐ 音
暑い 熱い 一日旅行 胸にほのかな映像をしまい込んだ
心の絆が つぶつぶの汗をかいた

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