第1回「修行の旅」
当時、20歳になってもクルマが買えず、
相変わらずポンコツのホンダK0とマッハに乗っていた。
今のようにローンが無い時代。
「月賦」で買えるのが精一杯。
そのころ、エンジンに興味を覚えた私は、
縁あって神奈川県綱島にあった、トヨタTOSCOのラリーエンジンチューナーとして活躍していたK氏を紹介してもらい、寝泊りしながらプチ弟子入りをさせてもらった。
K氏の自宅を見て、けっして裕福ではないことがわかった。
ハナタレ小僧ときれいな奥さん、そして食事となれば、
丸いちゃぶ台を囲んで楽しく食事をする。
それは、今貧乏であっても、
エンジンとモータースポーツに魅せられたK氏の
表れだったのかも知れない。
それを支える奥様。
自分も将来、そう在りたいと思った。
K氏のおかげで、TOSCOの偉い方を紹介していただいたり、
100Eエンジンの組み付けを見学したりと、
多くのノウハウを習得させていただき、ノートにメモを取った。
そう、すでに役目を終えたトヨタ7もあったな。
1976年頃の話で、トヨタであれば、
2T-Gエンジンが主流の時代だ。
そして私は、トヨタのお膝元、愛知のショップへ修行に出かけた。
ここには、2T-Gの修理書製作に関わったチューナーがいると聞いていた。
続く。
当時、20歳になってもクルマが買えず、
相変わらずポンコツのホンダK0とマッハに乗っていた。
今のようにローンが無い時代。
「月賦」で買えるのが精一杯。
そのころ、エンジンに興味を覚えた私は、
縁あって神奈川県綱島にあった、トヨタTOSCOのラリーエンジンチューナーとして活躍していたK氏を紹介してもらい、寝泊りしながらプチ弟子入りをさせてもらった。
K氏の自宅を見て、けっして裕福ではないことがわかった。
ハナタレ小僧ときれいな奥さん、そして食事となれば、
丸いちゃぶ台を囲んで楽しく食事をする。
それは、今貧乏であっても、
エンジンとモータースポーツに魅せられたK氏の
表れだったのかも知れない。
それを支える奥様。
自分も将来、そう在りたいと思った。
K氏のおかげで、TOSCOの偉い方を紹介していただいたり、
100Eエンジンの組み付けを見学したりと、
多くのノウハウを習得させていただき、ノートにメモを取った。
そう、すでに役目を終えたトヨタ7もあったな。
1976年頃の話で、トヨタであれば、
2T-Gエンジンが主流の時代だ。
そして私は、トヨタのお膝元、愛知のショップへ修行に出かけた。
ここには、2T-Gの修理書製作に関わったチューナーがいると聞いていた。
続く。
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コメント(21)
私はある偉い方に仰せつかって、
綱島から2T-Gドライサンプ･ツインブラグエンジンを2機、
タウンエース君に積んで、一路、愛知県へ。
とあるガレージで二泊三日をすることになったが、
このガレージ、なんともグレート!
レース用から国内外ラリー用の2T-Gまで手がけるところ。
チューナーさんは、さすが修理書に関わっただけあり、
物事すべてが正確。きちっと教えてくれる。
とくにバルブタイミングは、「その正確さをを決めるのは自分だ」、
「数値的なマニュアルにこだわらなくていいんだ」、「チューニングは自分の感性を信じるんだ」ということを教わった。
そして、とにかく楽しむこと、そして「やるときゃやる」
「遊ぶときは遊ぶ」のメリハリも必要だということ。
20代前半だった私には、夜の豪遊には
ちょっとついていけませんでしたが･･･
あっというまの二泊三日。
わずかだったが、充実した日々の中に、多くのノウハウを
詰め込んで、東京に戻った。
その頃、同級生Mが、カローラ高島屋で整備士としてメキメキと頭角を現し、
正統派ではない自分はあせりを感じていた。
カローラ高島屋といえば、当時のレース界では、、泣く子も黙るトヨタの準ワークス的存在。
そこで名チューナーとしてカローラ高島屋の指揮をしていたO氏が、
いずれT氏とともにト○スを立ち上げる。
そう、「2T-G魔法のピストン」で一世風靡することになる。
続く。
綱島から2T-Gドライサンプ･ツインブラグエンジンを2機、
タウンエース君に積んで、一路、愛知県へ。
とあるガレージで二泊三日をすることになったが、
このガレージ、なんともグレート!
レース用から国内外ラリー用の2T-Gまで手がけるところ。
チューナーさんは、さすが修理書に関わっただけあり、
物事すべてが正確。きちっと教えてくれる。
とくにバルブタイミングは、「その正確さをを決めるのは自分だ」、
「数値的なマニュアルにこだわらなくていいんだ」、「チューニングは自分の感性を信じるんだ」ということを教わった。
そして、とにかく楽しむこと、そして「やるときゃやる」
「遊ぶときは遊ぶ」のメリハリも必要だということ。
20代前半だった私には、夜の豪遊には
ちょっとついていけませんでしたが･･･
あっというまの二泊三日。
わずかだったが、充実した日々の中に、多くのノウハウを
詰め込んで、東京に戻った。
その頃、同級生Mが、カローラ高島屋で整備士としてメキメキと頭角を現し、
正統派ではない自分はあせりを感じていた。
カローラ高島屋といえば、当時のレース界では、、泣く子も黙るトヨタの準ワークス的存在。
そこで名チューナーとしてカローラ高島屋の指揮をしていたO氏が、
いずれT氏とともにト○スを立ち上げる。
そう、「2T-G魔法のピストン」で一世風靡することになる。
続く。
「魔法のピストン･･･」
当時はマジにそんなピストンがあるんだ、と信じていました。
大体、エンジンの構造も良くわかっていない私が、
なぜ1600ccのエンジンが「魔法のピストン」を使うと、
1750ccになるのかさえ、よくわかりませんでした。
そうこうしているときに、妹の彼氏がMGミジェットのエンジンを
高速走行中にブローさせ、相談にやってきました。
無知同然の私は、彼にエンジンを海外から入手することを提案。
輸入関係の仕事をしていた彼は、ハワイからなんなくエンジンを入手して、
私のところへ持ち込んできました。
「こりや、やるっきゃない」と、青空ガレージでエンジンの交換を行い、
ブローしたエンジンを見たところ、
なーんと、クランクのメインベアリングは3ベアリングで、
サニーB10に搭載されていたA10エンジンとそっくり。
それにしてもOHVエンジンのレイアウトやデスビの位置まで良く似ている。
いやいや、まてよ、MGミジェットのエンジンの方が古いので、
真似したのはA10エンジン?? というハテナマークのまま、
作業は完了。
トラブルは3ベアリングの焼き付きでした。
4気筒で3ベアリングという設計は、当時の高速走行に耐えることができなかったのか、やはり5ベアリングじゃないとまずいでしょ、
という認識を持った。
つまり、2T-Gは5ベアリングなので、だからチューニングの素材として最適で、
耐久性もあるんだ、と一人納得。
続く
当時はマジにそんなピストンがあるんだ、と信じていました。
大体、エンジンの構造も良くわかっていない私が、
なぜ1600ccのエンジンが「魔法のピストン」を使うと、
1750ccになるのかさえ、よくわかりませんでした。
そうこうしているときに、妹の彼氏がMGミジェットのエンジンを
高速走行中にブローさせ、相談にやってきました。
無知同然の私は、彼にエンジンを海外から入手することを提案。
輸入関係の仕事をしていた彼は、ハワイからなんなくエンジンを入手して、
私のところへ持ち込んできました。
「こりや、やるっきゃない」と、青空ガレージでエンジンの交換を行い、
ブローしたエンジンを見たところ、
なーんと、クランクのメインベアリングは3ベアリングで、
サニーB10に搭載されていたA10エンジンとそっくり。
それにしてもOHVエンジンのレイアウトやデスビの位置まで良く似ている。
いやいや、まてよ、MGミジェットのエンジンの方が古いので、
真似したのはA10エンジン?? というハテナマークのまま、
作業は完了。
トラブルは3ベアリングの焼き付きでした。
4気筒で3ベアリングという設計は、当時の高速走行に耐えることができなかったのか、やはり5ベアリングじゃないとまずいでしょ、
という認識を持った。
つまり、2T-Gは5ベアリングなので、だからチューニングの素材として最適で、
耐久性もあるんだ、と一人納得。
続く
続き
実は、2T-Gエンジンに出会う前、
(※出会うとは分解・組み立てをはじめてやった時のこと)
自分はT型エンジン搭載車を乗っていた。
TE25スプリンターSR。
OHVエンジンなのにクロスフローヘッドを搭載した、
高性能OHVエンジン。
ある日、友人が乗る2Tエンジン搭載のカリーナSRに乗るチャンスがあった。
乗ってみると、さすが排気量200ccの違いは歴然で、
トルクフルな走りは、ますますT型エンジンに魅了されていった。
そのカリーナで調子に乗って走っていたが、トンネルに入ったところで
前方は渋滞。あわててシフトダウンとブレーキングで追突は免れたか、
見事にエンジンブロー。
原因はシフトダウンによるオーバーレブ。
はじめてのエンジンブロー。しかも他人の車。
すごく責任感じるも、出した修理屋の社長が
「パーツは取り寄せてあげるから、自分たちで修理してみたら?」
と、切り出してくれた。
友人もメカ好きだったので、この意見に賛同。
それから休日ごとに、エンジンと格闘することになった。
しかし、エンジンの中で一体、何がどのようになっているのか、
さっぱりわからない。
すでにミジェットのエンジンは修理した体験があるが、
このクロスフローヘッドをもつ2Tエンジンに対しては知識なし。
(※この頃、同じレシプロエンジンであっても、エンジンが違うと別世界なものと考えていた。)
エンジン内部の基本構造は雑誌やカタログなどに掲載された「透視図」などによって、「ああ、ここにカムね、プッシュロッドね」くらいしか知らなかったから、いざ作業をするとなると、どこから手を付けていいのやら見当もつかない。
そこでまた修理屋の飲んだくれ社長さまが、
「エンジン修理書をデーラーで借りてくるか、買っちゃったら?」と提案された。
当時、修理書をコピーすることさえ簡単にできない時代。
なんたって、今のようにあちこちにコンビニなんてないのだから。
夏の夜9時頃に、「アイスクリーム食べたい」と思っても、
その時間に売っている店がない。みな閉まっている。
そんな時代です。
えっ、どこに住んでいたかって? 東京です。
結局、修理書を取り寄せ、その修理書を手にして覗いた時、
自分の中に衝撃が走りました!
「なーんだ、そーなんだー!」ってね。
カタログや雑誌では知っていたけど、
「このようになっていたんだ」という事実を知ったわけ。
ちょっと感動したり、納得したり、嬉しくなったり･･･
つづく
---------------------
腹減ったので、後ほど、
。
実は、2T-Gエンジンに出会う前、
(※出会うとは分解・組み立てをはじめてやった時のこと)
自分はT型エンジン搭載車を乗っていた。
TE25スプリンターSR。
OHVエンジンなのにクロスフローヘッドを搭載した、
高性能OHVエンジン。
ある日、友人が乗る2Tエンジン搭載のカリーナSRに乗るチャンスがあった。
乗ってみると、さすが排気量200ccの違いは歴然で、
トルクフルな走りは、ますますT型エンジンに魅了されていった。
そのカリーナで調子に乗って走っていたが、トンネルに入ったところで
前方は渋滞。あわててシフトダウンとブレーキングで追突は免れたか、
見事にエンジンブロー。
原因はシフトダウンによるオーバーレブ。
はじめてのエンジンブロー。しかも他人の車。
すごく責任感じるも、出した修理屋の社長が
「パーツは取り寄せてあげるから、自分たちで修理してみたら?」
と、切り出してくれた。
友人もメカ好きだったので、この意見に賛同。
それから休日ごとに、エンジンと格闘することになった。
しかし、エンジンの中で一体、何がどのようになっているのか、
さっぱりわからない。
すでにミジェットのエンジンは修理した体験があるが、
このクロスフローヘッドをもつ2Tエンジンに対しては知識なし。
(※この頃、同じレシプロエンジンであっても、エンジンが違うと別世界なものと考えていた。)
エンジン内部の基本構造は雑誌やカタログなどに掲載された「透視図」などによって、「ああ、ここにカムね、プッシュロッドね」くらいしか知らなかったから、いざ作業をするとなると、どこから手を付けていいのやら見当もつかない。
そこでまた修理屋の飲んだくれ社長さまが、
「エンジン修理書をデーラーで借りてくるか、買っちゃったら?」と提案された。
当時、修理書をコピーすることさえ簡単にできない時代。
なんたって、今のようにあちこちにコンビニなんてないのだから。
夏の夜9時頃に、「アイスクリーム食べたい」と思っても、
その時間に売っている店がない。みな閉まっている。
そんな時代です。
えっ、どこに住んでいたかって? 東京です。
結局、修理書を取り寄せ、その修理書を手にして覗いた時、
自分の中に衝撃が走りました!
「なーんだ、そーなんだー!」ってね。
カタログや雑誌では知っていたけど、
「このようになっていたんだ」という事実を知ったわけ。
ちょっと感動したり、納得したり、嬉しくなったり･･･
つづく
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腹減ったので、後ほど、
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