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クトゥルー神話創作小説同盟コミュのパロディ掌編 「未来より来たりし者」

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「僕達はね、君の未来を変えるためにやってきたんだ」
 ある日突然、目の前に現れた少年がそう言った。僕の子孫だと名乗る彼は、どうやら未来における自分の境遇が気に入らないというので、時間を遡って歴史を書き換えようとしているのだそうだ……甲斐性というものを一切持ち合わせない、この僕の人生を変えることによって。
 そのために彼が用意してきたのが、一体のロボットだ。ずんぐりとした体型のそれは、現代の常識の範疇にある機械とは明らかに一線を画しているように思えた。何しろ笑い、泣き、怒るといった豊かな感情を表現できる、人間に近いと言う意味ではほとんど完璧なAIによって制御されているのだ。これだけでも彼らが未来から……少なくとも未知の技術を駆使することが可能などこかからやってきた、ということの証明にはなるだろう。
 
 少年によると、結果さえ知っていれば歴史を変えることなど造作も無いことであるらしい。ほんのささいなきっかけで人生が決まってしまうように、的確なポイントを見つけて理想的な方向に切り替わるように当人を動かせばいいというのだ。問題はそのポイントをいかにして見つけ出すかということなのだが……そのためにこのロボットが必要だったのだ。常に僕の傍にあることで、いずれ訪れる未来へのポイントとなる瞬間を見極め、少年の望む方向へと切り替えるために。
 
 「じゃあ、僕は未来に帰るよ。二人とも頑張ってね」
 そういい残して少年は去っていった。残されたのはまだ呆気に取られたままの僕と、興味深そうに部屋を眺め回すずんぐりロボットのみ。
 「……で、とりあえず僕はどうすればいいのかなぁ……?」
 そういいかけて思わず口を噤んだのは、部屋に立ち込める言いようもない悪臭に気付いたからだ。僕の記憶にある、いかなる臭いとも異なる性質の凄まじい悪臭に嘔吐感を刺激され、涙がボロボロと零れはじめる。窓を、窓を開けなくては!……だけど、駆け寄ろうとした窓は余りにも遠く、思いっきり手を伸ばしても届きそうになかった。どうして!?部屋がこんなに広いわけないのに!助けを求めようとロボットの方をみると、驚愕した表情で天井の片隅を見つめている。な、なんだあれは!壁や梁が全てグニャリと捻じ曲がり、脈打つように蠢いている。空間が歪んでいるのか?遠吠えとも哄笑ともつかぬおぞましい声が窓ガラスをビリビリと震わせると同時に、天井の歪みから巨大な何かが姿を現した。鋭い牙がおよそ整然という言葉を無視したような無茶な配列で並んでいる。まるで拷問器具のような、あれは口なのか?悪臭がさらにひどさを増し、凄まじい勢いで牙が迫り来る。あぁ、駄目だ!誰か助け……!


毎読新聞 一月四日朝刊より
小学生、自宅で変死
二日午後三時十五分ごろ、練馬区の会社員野比のび助さん(43)宅で長男のび太君(10)が死亡しているのを母親である玉子さん(41)が発見し、警察に通報した。警察の発表によるとのび太君の遺体は損傷が激しく、付着していた動物の唾液と思われる粘液状の物質から大型の獣に襲われたのではないかと推測されているが、現場が屋内であるということで関係者は困惑気味だ。なおのび太君の遺体周辺には破壊されたと思われる精密機械の部品が散乱しており、事件との関連を含めて現在、専門家による分析が急がれている。







ティンダロスネタです。
本当はもっとマトモな作品を投稿しようと思っていたのですが、ちょっと長くなりそうなのでとりあえずこっちを。

え〜、まぁ、なんといいますか・・・




ごめんなさい。

コメント(2)

可笑しく拝読させていただきました。
タイムワープをすることによる弊害がティンダロスとは、未来の科学者にとっては想定外の悪夢でしょうね。
未来からきた少年がどうなったかは……

考えてみれば、パロディ元の物語は相当量の過去改変を行っているので、業が深そうだと改めて思いました。
面白かったです!

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