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藤富保男コミュの藤富保男さん『詩の窓』第24回―言葉で際にない別現実を構築するー殿岡秀秋筆

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藤富保男さん『詩の窓』第24回――3−8「二人は笑った」より

★言葉で実際にない別現実を構築する

バルト三国のうちのエスト二アの詩人、アンドレス・エヒンさんの詩です。
「犬アパート

犬製のアパート
吠え声の三部屋 鼻づらのバスルーム
そこの蛇口の冷たいしたたり と
蛇口の熱いよだれ
各階すべて犬製で
夜になると
天井の電燈を月だ
と思って吠えている」(196−197頁)

「おもしろいことにアンドレス君は次のように言っている。『遊び心がマジックに変るとすれば、それはもはや遊びではない』と。」
「ぼく(藤富)とウマが合うのは、実際にない別現実を構築するという点で、彼とぼくとーー中略――離れた国に住んでいて同じことを考えているようである。」(196−197頁)

☆辞書から
マジック=魔法。奇術。手品。

☆comment

 遊びが遊びの領域から手品という技術をもちいた不思議なことをして見せる芸になれば、それは遊びではなく芸である、といいます。奇術を売り物にできれば芸能の世界になるし、言葉のマジックなら詩という芸術になるというわけです。
 藤富保男さんはそれを「実際にない別現実を構築する」ことだと述べています。ここに藤富さんの詩精神があるといえそうです。
 ぼくが今書いている詩では、言葉の手品で読者を唸らせるようには作っていません。
 しかし、ぼくがもうひとつ追究して童話の世界では、まず「実際にない別現実を構築する」というのは当たり前のことになっています。だから、「犬アパート」の詩も、ぼくの童話の世界からみると発想がとても近いことに気づくのです。
 藤富さんはぼくに「詩も童話と同じ発想で書けばいい」とあるいは言うかもしれません。しかし、ぼくは詩では奇術をつかわずに人生と正面衝突する詩を書いています。そして童話では心の慰めになるような非現実の夢想の世界を描くことにしています。
 その夢想の世界を作るときの発想と「犬アパート」の詩の発想はとても近いものだとぼくは感じています。「犬アパート」は童話ではありませんから物語がありません。そこが詩と童話とをわける大きな違いになっています。

(この項つづく)

(メールマガジン「詩を作る楽しみ」2012年7月19日号よりhttp://www.mag2.com/m/0000163957.html)

(http://blogs.dion.ne.jp/poem_and_fantasy/=詩とファンタジーのレシピ)

(http://plaza.rakuten.co.jp/poetry2005/=詩を作る楽しみ)

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