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藤富保男コミュの藤富保男さん『詩の窓』第10回―イメージの比喩ー殿岡秀秋筆

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藤富保男さん『詩の窓』第10回――

藤富保男『詩の窓』(思潮社2011年12月25日発行)より
引用は特にことわりのないかぎり本書からです。

藤富保男さん『詩の窓』第10回――1−9「詩作にふれて(2)」より
その3

★イメージの比喩

藤富保男さんの詩から

   六
六時に女に会う
女と会う
一人の女に
一人の六時に
一人で六時のところに立って

六時だけが立って
誰もいない
(62頁)

☆Comment
六時に女と会う約束をした。よくあることだ。一人の女に会うとなると、少し親密な関係かもしれない。男は独りで約速の六時に待つ。ところが女はなかなかこないで、男一人で六時になっても立っている。
 ついに男の意識は時間だけになってしまう。なぜこない、どうしてこない。約束の時間だ。おれは待たされつづけるのだろうか。
 六時は時計の中でまっすぐ下に針をさしている。それが一で人立っている男の像と重なる。つまり隠喩ができている。
 男の内面は落ち着かないが、外見はただ所在なげに立っている姿をほうふつとさせる。
 難しい理屈はないのです。イメージ(情景、像)とペーソス(物悲しさ。哀愁)がただよいます。また、どことなくユーモア(思わず微笑させるような、上品で機知に富んだしゃれ、滑稽)があります。
 ぼく(殿岡)のように「思考する詩」などと大上段に構えないで、藤富さんの詩は斜(しゃ)に構えて(物事に正面から接するのでなく、ことさらずれた対応の仕方をすること)います。
 どちらがいいとかいう問題ではありません。藤富さんは藤富さんの好きなように、ぼくはぼくのやりたいように詩を書いているだけです。どちらかが詩であって、どちらかが詩でないというようなことはありません。どちらも自分の気にいった感性と考え方で詩を書いているだけです。
 詩の世界はそれぞれのやり方で自由に羽ばたいていけばいいのです。


(この項つづく)

(メールマガジン「詩を作る楽しみ」2012年4月2日号よりhttp://www.mag2.com/m/0000163957.html)

(http://blogs.dion.ne.jp/poem_and_fantasy/=詩とファンタジーのレシピ)

(http://plaza.rakuten.co.jp/poetry2005/=詩を作る楽しみ)

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