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作・まさとコミュの夜が明ける前に

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ルールは二つ
・連続して書かないこと(3人ループでなくてもよい)
・タイトルに即した話を作る

挿絵をつけるのは自由とします
絵本と言うより小説的になる可能性も大きいですが
自由な発想で綴っていきましょう
本作品のタイトルは
「夜が明ける前に」とします

トヨかまっつん始まりをよろしく!!

コメント(17)

そのあまりの輝きに

まるで星たちは嫉妬しているかのように細い光を放ち

邪魔をしてはならぬと

雲たちも月をよけて西から東へと流れていった
月のきれいな夜には決まって何か起こる

という話はよく聞く

そんなものは迷信だとわかってはいるが

頭の片隅で

どうせならいいことが起こればなあ

と静かに願っていた
私は静かに眠りにつこうとしたが

なぜかそうできず

明日の仕事もないので

月にもう少しつきに近づこうと

フラフラと歩き始めた
夜も深いというのに

私と同じ気分なのであろうか

意外にも人影が

ぽつりぽつりと見えた
もう10年も前になるだろうか

あの晩も確か満月だった

いや違うかもしれない

そんなことはどうだっていい

ただとても寒かったが

左手だけは温かかった
ひとみはいつも決まって私の左側にいた

そうして柏の木のようなごつごつの左手を

ぎゅっとにぎりしめてくれる

その日もそうやって歩いていた
振り向くとそこには

あの懐かしい顔があった

そんなわけはない

ひとみはもう・・・

でもあまりにも似すぎていた

あの頃のままのひとみが・・・

私は返事をするのも忘れて

呆然と彼女を見つめた
「おじさん!何してるんですか!赤ですよ!おじさん!」

ふと我に返ると

わたしは赤信号の横断歩道を少し渡ったところにいた

自動車がすぐそこまで来ているのが見えた

「あぶない!」


・・・

・・・ドサッ

間一髪、歩道に跳び戻れた

月明かりのおかげで

自動車のほうもわたしに気付いてよけてくれたようだ


「大丈夫ですか!?」
「おかげで助かったよ」

そう言いながら立ち上がろうとしたが

うまく立ち上がることができない

足をくじいてしまったらしい

「どうやら大丈夫じゃないみたいだ」

皮肉っぽくそう言うと

彼女は私を見て笑っていた
「家は近くですか?」

「いや、ここからだと少し距離があるんだ」

本当はすぐ近所なのだが

彼女に尋ねられたわたしは曖昧に答えた

そうすればもう少し長く彼女と一緒に居られると思った
「君はどうなの?」

「私も少し距離のあるところです」

私はひとみの住んでいた町を思い出していた

ひとみの家もここから少し距離がある

「それじゃあ、気をつけてくださいね」

彼女はそう言って小さく丁寧におじぎをした
「あ、ちょっと!」

去っていこうとした彼女をとっさに呼び止めた

「はい?」

呼び止めたものの言葉に詰まってしまった

「・・・命の恩人の名前だけでも聞いておきたい

 いやなら別にいいんだが・・・」
「自分の名も名乗らずに乙女の名を知ろうだなんて

非常識じゃなくって」

それを聞いて私は身をすくめてしまった

彼女が冗談で言ったことは十分理解していたが

その言葉は

私が彼女とひとみを重ねていたことに

罪悪感を感じさせるに十分なものだった
「これは失礼、わたしは大槻といいます。こんな時間に若い乙女がひとりじゃ危ないよ」

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