【YOCH計画2000 with H】コミュの#014 ざつよっち

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#014 ざつよっち～午後練の一幕～
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2000.06.23(Fri)
いよいよ期末テスト1週間前になってしまった。前述の通り、朝練派と午後練派と分かれる。ちゃおは午後派なので授業後、さっさと部室に来て1人黙々と練習をしていた。

「ちわ～っす」

うちのパートの先輩、川瀬先輩がやって来た！
…そういえばこの前、基礎練中にこんなこと言ってたなぁ…

『俺、1時間練のときは朝型なんだよな～…』
『ほぉ～、川瀬先輩は家近いからいいですねぇ』
『う～ん、家が近いから朝練なんじゃなくて、午後は勉強したいからさ』
『あ、なるほど…さすがです…』

今は午後3:30。

「…あれ？先輩、朝派じゃなかったんですか？」
「ん？……あぁ、2度寝しちゃってさぁ…」

いかにもだるそうな声で呟く。どうやら睡眠時間が足りないようだ。

「昨日は（夜）遅かったんですか？」
「あぁ。1時過ぎまで勉強してたよ」

さすが希高生。友達に聞いてもだいたいは同じような返事が返ってくる。

「…お？なんかせま場綺麗じゃない？？」

2日経ったので、多少枯れ葉は落ちているが、前に比べれば数段キレイだ。昨日休んだ川瀬先輩はYOCHがおととい掃除したことを知らない。無論、YOCHの存在自体知らないだろうが。

「おととい1年の男子で掃除したんですよ」
「へぇー、えらいなぁ。普通俺のやる仕事なんだけどな。やってくれたのか。今度から1年男子にも手伝わせるか」

川瀬先輩の係は雑用係。噂では男子は部長や指揮者等にならない限り、ほぼ強制的に雑用に回されるとか。係決めは9月に行われるが、その前から仕事をさせられるのは御免だ。

「…いや、本来の目的は掃除することじゃなかったんですけどね」
「ん？どういうこと？」
「もともとは『せま場に水道を引こう！』って計画だったんですけど、なんか逸れちゃって…」
「なに、じゃあ水道の方は“机上の空論”で終わっちゃったわけ？」
「え、いやいや、終わってませんよぉ～！せま場に水道欲しいじゃないですか！」
「…別に俺は要らないけどね」
「………」

まぁ、確かにパーカッションには不必要かもしれない。実際、俺自身もそんなに必要性を感じていない。「マンネリ化した部活動の中でこういう夢のあることがあるとなんだかやる気が出てくるんだよね、ちょっと刺激が欲しいからYOCHに参加しているんだよ！」、ってところか。

「…でも、もしできたら使いませんか？」
「使わないよ。別に今も学食の所まで行けばちゃんとした水道あるし」
「あっちまで行くの大変じゃないですか…？」
「不便はしてない」
「………」
「さーて、なに練習すっかな」

何事もなかったかのように川瀬先輩はその場を離れたが、ちゃおはしばらく口が開いているのにも気付かず、ただ呆然と立ち尽くしていた(´д｀)

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