US Press Original、MONO 6 eyes Deep Groove Label/深溝/CBS無、オリジナル盤Matrixは両面刻印の1
Miles Davisの口癖と言われる「So What(だから何だ?)」をタイトルに冠した一曲目からアルバムは始まります。[Blue In Green]は、Bill Evansが時間をかけた熟慮の末に和音の循環の中から優雅で美しい世界を紡ぎ出した曲でモダン・ジャズの歴史の中でも群を抜いて美しい曲の一つとされ、ミニマル・ミュージックの先駆とも言われています。しかし、Milesの名義で著作権登録されたため、作曲者であるEvansは生涯にわたってこれを不満に感じていたという。その後、Bill Evansのアルバムで幾度かこの曲が演奏された際には、作曲者はBill Evans単独か、Miles Davisとの共作という形で表記された。KIND OF BLUEは、モダン・ジャズの歴史上でも屈指の傑作アルバムとされ名盤中の名盤、20世紀を代表する1枚!モード・ジャズを代表する作品の一つです。そのコンセプト[モード・ジャズ/モーダル・ジャズ(Modal Jazz)]は以後のジャズ界に留まらず多くの音楽に大きな影響を与えた。世界的にも広く愛聴され、発表後半世紀近くを経ながらミリオンセラーを達成、現代までジャズ・アルバムとしては異例のセールス記録している。Miles/Cotrane/Evansを擁したメンバーよる、たった5曲が収録されているだけのアルバムですが、神がかり的な歴史的瞬間を捉えた音楽の記録、演奏内容が凄い。このアルバムだけで一冊の本が出るくらいの逸話に包まれています。ジャズのアドリブは原則として一定の[理論]に基づいておこなわれています。その理論のもっとも代表的なものがビバップと呼ばれるスタイルで、チャーリー・パーカーによって確立されたと言われています。このスタイルは、ひと言で言うと、コード(和音)とその進行に則して、アドリブで使える音やフレーズを決定していくというもので、コード進行(和音)を極度に細分化することによって、複雑で緊張度の高いアドリブを実現することが出来ます。ビバップからハードバップへと移ると、次第にコード(和音)進行が複雑になり、どのプレーヤーの演奏も似てきてしまいます。ハードバップも次第にマンネリ化し、大きな壁にぶつかることになります。Mile Davisは1958年のアルバム『Milestones』の中で新たな試みをします。それは、これまでのコード進行に縛られた演奏からプレーヤーを解放するために、“コード(和音)”という考え方を否定し、曲のコード進行をなくして、あるスケール(音階)にしたがってアドリブ(即興演奏)をするという手法でした。これによってアドリブの自由度が高まり、ジャズの新たな可能性が生まれたのです。このスタイルをモードジャズと言います。ハードバップがエキサイティングで迫力のある演奏がある、モードジャズは耽美的で繊細な美しさがあると言えます 。『KIND OF BLUE』がその典型で、これまでのジャズとは一線を画しています。1960年頃からはじまったモードジャズは、Bill EvansがMiles Davisにモード奏法を教えたのが始まりと言われています。「Mode」という現在でも非常に重要な音楽理論を用い、新しい流れを先導したとも言われる歴史的な作品です。