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FE聖戦の系譜 長編小説コミュの第15章 開拓民の村

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ラケシスを助けたシグルド達には、新たな問題が降りかかり休む間もなかった。

アンフォニー、マッキリー、ハイライン城に囲まれ四面楚歌の状態のノディオン城。

ノディオン軍を援護するシグルド軍もオイフェのアドバイスの元、自軍を複数に分けこれら3つの軍への対応をすることとなった。

【対ハイライン・アンフォニー軍】
シグルド・キュアン・ディアドラ・エスリン・アイラ・レックス

【対マッキリー軍】
エーディン・ジャムカ・デュー・アゼル・ミデェール

【ノディオン周辺駐留】
フィン・ラケシス・アレク・ノイッシュ・アーダン


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エリオットを捕虜としたシグルド達は、エリオット開放の交換条件として、ハイライン城の無血開城及びノディオンへ今後一切手を出させないことを約束させた。

ハイライン軍を沈静化させたシグルド軍はそのままハイライン城で一夜を明かし、ノディオンへの帰還を予定していた。

しかしその夜、そんなシグルド達の元に一人のキズだらけの男性が運び込まれた。


「・・・ディアドラ、エスリン、男性の容態はどうだ」

「大丈夫。傷は多いですがどれも浅いものでした。
直に目を覚ますでしょう。」
とディアドラが言った。

ここはハイライン城の応接間の一室。
発見されたときは青白く血の気のひいた顔をしていた男も、ディアドラとエスリンの治療の甲斐有り今では落ち着いている。

「・・・・・う・・・・・・ん・・・」

「む?どうやら目がさめたようだな。」
シグルドが男のうめき声に気づいた。

ディアドラが治療の手を休め、男に声をかける。
「もし。もし。大丈夫ですか?」

「こ・・・・ここは・・・・?」

「ここはハイライン城です。
あなたは怪我をして町で倒れていたのです。
でも大丈夫。命にかかわるような大きなキズはなかったので、すぐに良くなりますよ。」
とエスリンが言った。

「ハイ・・・ライン・・・・・・・・・!!!」
しばらく考え込んでいた男が突然ベッドから飛び起きた。

「頼む!助けてくれ!早くし・・ない・・・・うっ!!」
男が痛みに顔をしかめる。

「大丈夫ですか?傷が浅いとは言ってもすぐには動けませんよ。」
そう言うディアドラの服をつかみ、男はさらに言った。

「はやく・・・・はやくしないと・・・村が・・・・俺達の村が・・・・!」

「村?村がどうしたんだ。」
シグルドが男の側に来て男の顔を見るようにしゃがみこむ。

「ここから北に行った所に、大きな森が在る。
そこには森を切り開き、土地を耕して作った集落がある。開拓民の村だ。俺達は額に汗して必死に働きようやく安定した生活を送ることが出来るようになった。
それなのに・・・・村の富や益に目をつけたマクベスとアンフォニーの連中が・・・・略奪にやってきたんだ!!」

「なに!略奪!!?」
シグルドが声を荒げる。

「マクベスの野朗は村に山賊とアンフォニーの兵士を放ったんだ!
俺は・・・・助けを求めるために兵士たちの目を掻い潜って村を抜け出した。
だが、途中で見付かって・・・・森の中を必死に逃げた。
その途中、崖から足を踏み外して・・・・落ちた。
その後のことは良く覚えていない。気がついたらここだった。」

「なるほど・・・・・君が傷だらけでいたのはそういうことだったのか。」
シグルドがうなずく。

「頼む!俺達の村を助けてくれ!
俺達の村には開拓民しかいない。武器なんてもっていない!
早くしないとみんなが・・・・みんなが・・・!」
男は必死にシグルドに訴えた。

「落ち着け。君の話はよくわかった。
・・・・・アンフォニーと無闇に争うのはこのましくはないが・・・・・」
シグルドの言葉に男が泣きそうな顔をする。

「だが!」
シグルドが続けて言う。
「暴力や略奪に蹂躙される村を放って置くということはできないな。」

「そうですわね。」
ディアドラが相槌を打つ。

「そうよね。キュアンも手伝ってくれるでしょ?」
エスリンがキュアンに言う。

「・・・・だな。」
キュアンもうなずく。



こうして、シグルド達はさらに北に歩みを進めていった。
森の中にあるという開拓民の村を救うために。




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