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Baja1000 (バハ1000,SCORE)コミュの2008 BAJA500 参戦Report 02 -ジョニ男の場合-

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<前回はコチラ>
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RM 38-91.5 / OjosNegro - CheckPoint1 / 最高じゃね!?
 
 最初のBAJA PITを後にして、最初に迎えるのは小さな岩がゴロゴロしてるガレた山越え。
 この辺は日本でもあらかた走ってるぜって事で問題なくクリアしたい。
 注意するのは一箇所プレランで吹っ飛んだトコくらいかな。
 山の頂上付近に深さ50cmくらいのV字のギャップがあるんだけど、なんも考えずに突っ込んだらフロントフルボトム→大ウイリー→コース脇に刺さるというコンボを喰らった場所だ。
 知らない内にスピードで出てるので、なんてないセクションが時々危ない。
 後、よく穴が開いてる。落ちたらレース終了だからこれも気をつけないと。
「――ぬふっ!?」
 色々考えながら走ってると、例のV字ギャップにまたしても突っ込んでしまった。
 気持ち悪い音を立ててフロントが底付きする。
 跳ね上がるマシンを何とか抑えてオンコース。
 ――集中しろー。
 プレランの時よりも随分とペースが速いのが分かる。
 きちんと先を見て、アクセル開けていかないと。

 緩やかに山を下ると、いよいよ深い砂の路面が姿を現してくる。
 一口に砂といっても種類は様々だ。
 ここは比較的粒の大きい川砂で、リアタイヤが15cm程沈んでしまう。
 いままでの硬くて道幅の狭いトレイルとはまったく異なる乗り方が要求されてくるのだ。
 直進するのにも気を使うのだけど、徐々に路面は波打ち始め、フープスの連続へ。
 アクセルを開け続けなくてはフロントが切れ込んで転倒してしまう。
 自然とスピードが乗ってくるわけだけど、そんなスピードで不用意にフープスに突っ込めばどうなるかは押して知るべしだ。
 隣をCRFがすごい勢いでカッ飛んでいく。
「うー」
 あっという間に視界が真っ白になった。でもアクセルは戻さないぜー。
 川砂路面の特徴は、とにかく道幅が広いってことだ。
 身長ほどの立木がいくつか点在してラインを作るけど、何処を走ってもOK。
 ミスコースには注意しないといけないけど、ここはどのラインを通っても最終的にはオンコースに合流できることをプレラン時に確かめてるもんね。
 CRFがコースリボンを追って直進。
 ――んじゃ左から行こ!
 ライン変更。砂塵をかわして視界が開けた。
 開けた瞬間見えたのは、ボッコリ抉れた深いフープス。
「!!!」
 マズい!!なんて思う間もなく真正面から突っ込んだ。刺さる。
 固まった体はあっさりマシンから放り出された。
 一瞬だ。
 直後に2、3台のマシンが僕の横を大きく振られながら抜き去っていった。
「――!!!」
 なんか叫んでる。チクショー。
 慌ててマシンを起こすとライトカウルがプラプラしていた。
 うー。
 しかしまぁ、ここで一息ついておこうか。何となく集中力切れ気味だったし。
 マシンをコース脇に寄せて、ジャケットのポケットを漁る。
 ガムテープ。
 世の中の大抵の事象はコレで解決できるという。
 また余談だけど、人体の損傷(切り傷、擦り傷、骨折?)にはサランラップで対応できるんだとか。
 ライトカウルをグリグリと固定して、ついでに用を足す。
 ――ボチボチ行こうかな。
 5分くらい止まってただろうか。結構な台数に抜かれた。
 空キックの小儀式(=10回)でエンジンは簡単に再始動した。
 ソロソロと発進。徐々にペースを上げていく。
 けど、なんかおかしい。フォーク捻じれてる。
 また止まって捻じれを修正した。
 こんなところで焦ってトラブルを起すのは勘弁だ。
 この辺は変に冷静だったな。呼吸も落ち着き、ペースも戻ってくる。
 川砂を走りぬいたらまた山間を縫うアップダウンのあるダートロードへ。
 走りやすい路面でスピードは乗ってくる。
 また、吹っ飛んでしまった。
 ふぅ。
 上り坂の頂点で、カックンと左へ折れているのだ。
 曲がりきれず、脇に転落。
 ゴロゴロと4mは滑落した。
 ――プレランの時も落ちかけたのに、、、。
 学習能力が無いなぁ。
 このコーナーがあることは分かってたんだけど、場所を正確に覚えていなかったんだ。
 こんなところだから観客はワラワラいる(笑)
 何も言わないでもバイクを起すのを手伝ってくれて、コースへ押し出そうとしてくれた。
 まぁギアが入ったままのXRは動かないけど。
 こんな脱出は良くやってるから大丈夫だよー、と空キックの中儀式(=20回)でエンジンをかける。
 押し上げた。
 ピーピー!って口笛が休ませてくれないので、すぐに走り出した。
 幸い道はフラットになってきたので、休みながら――全開じゃあ。
 、、、怪我なくて良かった。
 んで、やってきました。全開ロード。
 これぞBAJAって感じの真っ白な砂に覆われたフラットダート。
 目が細かく、柔らかい。
 両サイドには小さなサボテンも生えてる。
 砂の下には岩も隠れている。
 プレランのときに思わずテンション上がってショーイさんに怒られた場所だ。
 今日は心置きなく行くぜ! キープレフトで!!
 何で左かって?
 プレランのとき一個も岩踏まなかったからデス!
 もちろんコーナーもある。
 コーナーにはギャップが出来ていて、上手く合わせないと振り落とされそうになる。
 また、なんか植物が張り出してるんだけど、日本の林道の感覚で掠めて行ったらコレが硬い。痛い。
 思わず仰け反ってしまった。
 しかしこの辺は最高だ。
 慣れてくるとコーナーも面白いくらい決まる。
 多分、全コースを通して最も乗れてた区間だと思う。まだ100マイルも進んでないけど。
 しばらく進むとまた観客の姿が見えてきた。
 ピットが近い。もう終わりかー。
 と、ある3人組の男に目が止まった。
 妙にコースに近い所に立っている。ニヤニヤ。
 目が合った瞬間、男の一人がいきなり リアル小便小僧に!!
 両サイドで爆笑する二人。
 80km/hオーバーでダートを走っていることも忘れて中指を突っ立てる。
「ふぁーっく!!」
 何だコレ!最高だ!!
 観客に中指立てながら、笑いながら走るレース!!
 その後も観客のパフォーマンスや小さな罠が続く。
 プレランの時には無かったちょっとしたコブ。
 120km/hくらいで走ってれば別だけど、僕のスピードなら余裕で減速が間に合うし、ぶつかっても吹っ飛ばない。
 この区間の記憶は、実はあんまり無い。
 ライディングに夢中だった。
 ピットのある国道が見えてきたときはガッカリしてしまった程だ。
 道路は地元の警察官によって交通整理が行われていた。
 レース車両を優先して通してくれる。

 ――BAJA PITあった!
 ピットにバイクを停めて、ガスと水分を補給。
 相当ハイになってたんだと思う。
 ピットで声をかけてくれていたのがフォレストの本林さんだって全然気付かなかったんだもん。
 本林さんが新品のゴーグルを渡してくれたけど、いらない、って(笑)。
 マシンにトラブルは無かったけど、フォレストのピットにもマシンを停めた。
 少し落ち着かないと。
 また、予定通りジャケットをここで脱いでいく。もう結構暑い。
「ゴーグル変えなかったの?」
「このままで良いっす」
「ダメ」
 あっさりとゴーグルを剥がれて新品に。
 、、、。
 よく見える。
 落ち着けー自分。
「ペースは良いよ。ビックリするくらい」
 おぉ、やっぱそうですか。
 ――完走楽勝かも。
「んじゃ、行ってきます!」
 着替えを住ませて、再発進。舗装路を1km程。
 ――あ、ホッパーさんだ!
 道の脇でダーヌポのホッパーさんが手を振ってくれていた。
 久しぶりの舗装路で、油断してたんだと思う。
「60マイル、、、」
 制限速度である時速60マイルを確かめるためにメータを一瞥し、視線を上げた。
 ――はれ?
 目の前にブレーキランプを転送させたピックアップのケツが!!
 慌てて避けるも、ハンドガードをテールランプに思いっきりぶつけてしまった。
 、、、割れた。
「ごごごめんなさいー!!」
 これ、ゴールの後に思い出したんだけど、今考えると一番危なかったんじゃないかな。
 あの時はすぐにダートに入ってすっかり忘れてしまったんだけど、、、。

 ゴゴゴンっと深いギャップにリアが振られ、一気にレースモードに引き戻された。
 だだっ広いダートの両脇では、各チームのピットが設けられてライダー交代などを行っている。
 ここで小さく順位アップです。
 人が見てるとアクセルが大きく開いてしまう。
 小さいギャップでもわざわざフロントを引っ張ってサービス。
 調子乗って走る僕の横を、またとんでもない勢いで他のバイクが抜いていく。
 ――何でこんなんがまだ後ろにいるんだ。
 この後も続くんだけど、いつまで経っても抜いていくバイクは僕より数段速いのだ。
 もしかして、自分ってあからさまに遅いのかな。
 そういや、今思い返しても止まっているライダー以外抜いていないぞ。
 スピードじゃ全然適わないみたいです。
 ピットエリアを抜けて、しばらく走りやすいフラットダートを突っ走る。
 見えてきた。Check Point 1。
 徐行して、ゼッケンの確認を受ける。

「Go!!」

 何か格好良いおじ様に負けじと親指立てて、ゲートを潜った。
 道は徐々にガレ道の様相を示し始める。
 そう、本レースの、文字通り山場とされているサミット(頂上)越えが始まるのだ。
 転げ落ちれば一発。
 気を引き締めていこう――。 
 

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RM --/ Pre-run? /プレラン?
 
 閑話。
 コースはレース一週間ほど前からオープンになる
 殆どのレーサーはコースを覚えたり、危険箇所のチェックの為に自分の担当区間を事前に走っておくのだ。

 ジョニ男の場合は、コースを覚える以前に乗り方を覚える必要があった。
 初めて走る路面。慣れない重いバイク。右側通行。などなど。
 正直言って序盤はコースを覚えるどころではなかった。
 何度もミスコースをして怒られた。
 一緒にプレランをしてくれたショーイさんには申し訳なく思ったが、とにかくライディングを身に着けること、自分のペースを作ることに集中した。
 それでも、プレラン初日は完全にコースに負けた。
 サンドでは転倒を繰り返し、連続するギャップに体力は根こそぎ奪われた。
 200マイルも走れずに、舗装路を使用して引き上げた。
 凹んだ。
「Baja、ナメてました」
 思わず口をついた。
 宿となったマイクススカイランチョでは、反省する間もなく眠りに落ちた。
 (ステーキは最高に上手かった)
 二日目、三日目で何とか形にはなったものの、制限時間的にとても不安を残すものとなった。
 とにかく、全力で走りきって何とか制限時間ギリギリ。
 これがプレランで導き出された結果だった。
 
 話が逸れた。
 サポートを頼まずに全て自分で手配を行う場合、一番難しいのがこのプレランだと思う。
 まず道を知らなきゃ話にならない。
 そしてガソリンスタンドの位置も知ってないといけない。
 (プレラン中はBAJA PITなんてないもんね)
 GPSも欲しい。

 そういう意味では、僕は本当に恵まれたプレランをすることが出来た。
 道は教えてもらえるし、ライディングの手本も見せてもらえる。
 無事に完走できた最たる理由はこのプレランにあることは間違いない。

 なんせ1回全コース回ってんだもん。
 ミスコースしようが無いよー。

 、、、、、、、、、、、、と、この時は思っていた。

コメント(2)

はじめまして。
ものすごい臨場感に思わず引き込まれました。
なんか自分も走ってる気分。

続き楽しみにしてます。
>ポヨヨンさん
ありがとうございます!
この区間は本当に最高で、逆に良く覚えていない程です。
1/1000でも伝われば幸いですー。

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