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文章力No.1の座を競う『B-1』コミュのhappy!!第2話〜3話

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第2話 日本でも戦前は学校に通わせないで家庭教師に学校でやる勉強を教えてもらっている子供もいたし、今でもヨーロッパの貴族の子弟の中には基礎教育は家庭教師から受けたという人もいるという。
 戦後最大、580万部突破の大ベストセラーとなった黒柳徹子の『窓際のトットちゃん』に出てくるトモエ学園みたいな学校を作ってはいけないという法律もない。極端な話、学習塾が小学校を名乗ったっていいわけだ(むしろそちらの方が評判がよかったりして…)。
 私の場合、金八先生に影響を受けて大学に行った。でも、東大を出て中学教師では親に申し訳ないし、世間体も悪いからという理由で高校教師になったのだった。
 客観的に考えて、大学に行った最大の理由は教員免許をとるためということになるのだろうか。もちろん親友と呼べる友達ができたのは事実だが。
 私の中学時代からの友人で北村(あの番組の弁護士とは一切関係がありません)というヤツは試験の時以外はほとんど大学に行かず、単位だけとって後は司法試験向けの予備校に通っていたが、彼のようなやり方をするなら本科生で通わなくても通信教育でもいいと思う。そういえば昔、「中卒東大一直線」という話を聞いたことがある。中学を卒業して高校に行かずに大検を受けて高卒の資格をとって東大受験を目指すというやり方だ。合格だけが目的ならこの方法や北村の方法もけして悪い手段ではないと思う(この間の思考時間は約10秒)。
 さて、話をアキのことに戻そう。彼女の学力からして、大学に行かないのは実にもったいない。ウチの高校もここ2年間は東大合格者0だし…。でも、アキが大学に行かないというなら私がそれを否定する理由はない。それにアキは女の子だ。下手に東大なんて行ったら結婚が遅れるかもしれないし。でも、惜しい。アキが東大に行けば担任の私の鼻も高い…(この間の思考時間20秒)。アキが東大に受かった時の事を想像しているとしびれをきらしたアキがせかすように再度問いただしてきた「先生、早く答えてよ。どうして、大学に行かなければならないの?」
「ご、ご両親が賛成してくださるなら、鈴木の好きなようにしたらいいと先生は思うよ」やむなくこう回答したが、モアベターな回答は他にあるはずだ。うーん東大の問題より難しいななどと反省していると
「先生、なんてことおっしゃるんですか。今時、大学も出ていないこなんてろくな男がよってや来ませんよ。私は絶対に反対ですからね」とアキの母親は案の上、アキの意向には大反対のようだった。
「お母さんがなんと言おうと私は大学に行かずに正己の会に就 職するからね」
 アキの意思は固そうだった。
「鈴木、先生にもう少しその正己の会について教えてくれない か」
「先生も興味を持ってくれたの?じゃ・あ・、今度の日曜に正 巳さんの所に連れてってあげるよ。正巳さんに会えばぜった いに先生も私の気持ちがわかるはず」
「お母さん、それでよろしいでしょうか?」
「ま、東大出の先生が直接確かめてくださるんというならおま かせしますわ」
「ありがとうございます」
2 正己の会
 日曜日、私はアキと共に中野にある正己の会の総本部に向かった。中野までは私の住む立川から中央線で約40分。アキは週末はこの本部に通いつめているのだという。
 日曜だというのに中央線はすいていた。私はアキから少し離れて座席に腰を下ろした。43歳の私と17歳のアキの2人組は今ハヤリの援助交際に見えなくもない。無意識にそう思ったのがこの距離間になったのだろう。ところが、アキの方が私にピタリと体を寄せてきた。そして、こう語りかけてきた。
「先生、従軍慰安婦についてどう思う?…南京大虐殺なんてな かったよね」
「なんだ、いきなり。お前そんなことをいつも考えているの  か?」
「私も正己の会に入会するまでは本なんて教科書と参考書しか 読まなかったから学校の勉強以外のことには全然関心がなか ったんだけど、正己の会ではみんなすごくいろんなことを勉 強しているの。私ね、中卒の人が今の政治について語りあっ たり、たくさん本を読んでいる姿を見て学歴って何だろうと 思ったの。いい大学に行っても麻雀をやったり、遊んでばか りしている人たちって大勢いるでしょ。東大だって例外じゃ ないわ。東大出て、官僚になって汚職で捕まっている人だっ ているし。そんな人たちより大学なんか行かなくてもたくさ ん本を読んで勉強して、語りあって、世の中をよくすること を真剣に考えて行動している人の方がずっと立派だと思う  の。私は東大を目指していたから他の文系の子たちとは違っ て日本史も世界史も勉強しているのは先生も知っている(※ 東大は2次試験で社会を2科目選択しなければならない。通 常の文系学部は1科目)でしょ。教科書や参考書だけでは東 大の論文試験には受からないと思ったから本屋さんでたくさ んの本を買ってきて読むことにしたの。そしたら南京大虐殺 なんて嘘だということが書いてあったの。従軍慰安婦という 言葉も当時、そんな言葉はなかったの。あれは小説からとっ た言葉なの」
「あのな、鈴木、先生は歴史には詳しくはないから確かなこと は言えないけど南京大虐殺や従軍慰安婦は歴史的事実なんじ ゃないのか?」
 日曜日の昼時、中央線ではなかなかお目にかかれないようなこんなヘビーな会話をしている間にあっという間に電車は中野駅に到着した。今日は中央特快に乗ったからなおさら早く着いた。
 それにしても今時(※原文は96年執筆)の女子高生と言えば、茶髪にルーズソックスというスタイルでプリクラやカラオケのことで頭の中が一杯の子が多いのに歴史についてこんなに語れる子がいるのには驚いた。日本もまだまだ捨てたもんじゃない。いや、まてよ。アキは正己の会に入ってから変わったんじゃないのか?とするとアキの言うように正己の会は素晴らしい会なのかもしれない。などと考えていると正己の会の本部に到着した。
 正己の会の本部は中野駅から徒歩5分のビルの1室にあった。
 エレベーターを降りると一人の若者が立っていた。
「早かったな。こちらの方が先生か」
 ジャージ姿のラフな格好の若者はアキに気さくに声をかけた後、私の方を見て言った。
「はじめまして太田正巳です。山中先生ですね。お待ちしてい ました」
 なんとこの若者が例の太田という人物だった。会の代表というからてっきり年配の人を想像していたからびっくりだ。
 年を聞くとなんと弱冠20歳だという。
 その後、私は2時間程アキを交えて太田さんと話をした。(つづく)

コメント(4)

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第3話 2時間の会話の中で私はすっかり太田さんに惚れ込んだ(本当は太田先生と呼びたいくらいだが、太田さんは先生と呼ばれるのが好きではないらしい)。アキが東大進学をやめてまで正己の会に入るというのもうなづける。この会なら本当に世界を変えるかもしれない。私はこの短い会談の間に直感的にそう感じた。
 太田さんの全著作(と言っても3冊だが)と勉強術についての本(今年話題の131万部突破のあの本ではない。私が3年の担任だと言うと太田さんはあの本を手厳しく批判された上で、是非、読んで欲しいとこの本を渡された)をいただいた私はこれから夜の7時まで勉強会があるのだというアキを残して大急ぎで家に帰った。もちろん、太田さんの著書をじっくりと読むためである。
 太田さんによれば3部作と呼ばれる3冊の著書を読めば太田正巳という人物の経歴や思想と正己の会の目指しているものの概要がわかるという。3冊の本を読んだ後も尚、正巳の会や太田正己という人物を支持する人なら誰でも会に入れるとのことだった。
3 イイシラセ
 私の住む1DKのアパートについたのは16時ちょうどだった。ポストには夕刊と『イイシラセ』が入っていた。
『イイシラセ』というのは(中身をざっとしか読んでいないから間違っているかもしれないが)「幸福の科学」という宗教のPRの本である。数ページの小冊子で黄色い表紙に赤い文字でイイシラセと書いてある(※物語の舞台である97年当時)。
 この1ヶ月間、日曜日になると必ずポストに『イイシラセ』が入っているのだ。信者の方が配っているのだろう。まことにご苦労なことである。ただ、あまり宣伝効果はないようで、月曜の朝になると共同のゴミ箱に『イイシラセ』がピンクチラシと共に捨てられているのだが。
 いつもはすぐにゴミ箱に直行するはずの『イイシラセ』だが、今日は太田さんと話をして気分が高揚していたせいかとりあえず部屋まで持っていくことにした。
 部屋に入り『イイシラセ』をテーブルの上におき部屋に入りお茶でも飲もうと冷蔵庫をあけると「ター・ター・ター・」と森高千里の「気分爽快」のメロディが鳴った。私は森高のファンで、誰にも言っていないが、実は森高人形も持っている。
 言うまでもないが、このメロディはPHSの着信音だ。「気分爽快」の着信音が鳴って私はひと安心した。というのは最近、実家の母からよく電話がかかってくるのだ。実家の番号の着信音は爆風スランプの「runner」が鳴るようにセットしてある。
 母は43にもなって独身の私にやたらお見合いの話を持ってくる。この前も女性の写真を送ってきた。当の私はというと結婚願望は特にはない。
 電話は梶本という近所のおばちゃんからだった。田舎からみかんを送ってきたからくれるというのだ。この梶本のおばちゃんからはいつもいろいろ頂いている。ま、もらうばかりなのだけれど。
「ピンポーン」
 早速、玄関のチャイムが鳴った。
「山中さん、梶本です」
「どうぞ」
「こんにちは。これ、さっき電話で話したみかんよ。私とお父 さんだけではとても食べきれないから、是非、食べてちょう だい。みかんはね。ビタミンが豊富だから…」
 こうして梶本のおばちゃんの話は延々とつづく。どうしてこんなに話好きなのだろうか。おばさんになると皆こうなのだろうか。などと頭の中で考えながら適当に相槌を打つこと10分。話の最後に飛び出す例の決まり文句が今日も飛び出した。
「ところで、山中さん、頼みがあるの。いつものことなんだけ ど、『アレ』をまたとってもらいたいのよ。来月は新聞啓蒙強化月間なの。『ひとつき』でいいから、お願い」
『アレ』というのは聖教新聞のことである。梶本のおばちゃんは創価学会員なのだ。おばちゃんにはいつも親切にしてもらっているので、私は年に2回位、おばちゃんのすすめに応じ、聖教新聞をとっている。
 聖教新聞は月の購読料が2000円もしない安い新聞である。もっとも、新聞と言っても創価学会の機関紙なのだが。そうは言ってもテレビ欄はもちろん、スポーツ新聞並みの社会面とスポーツ欄もあるので最低限の情報はこの新聞だけで得られる。月に2000円でいろいろ親切にしてもらえると考えれば安い買い物かもしれない。都会の一人暮らしは何かと危険が多いものだが、こうやって近所づきあいをしていれば少しは危険が防げると思う。
 それにしても私の住む立川は宗教王国である。先ほどの幸福の科学の支部があるのに加え、創価学会、エホバの証人、真如苑と私が知っているだけでもこれだけの宗教団体がある。特に真如苑は本部があり立派な建物が立っている。真如苑の信者である鈴木蘭蘭もたまに本部を訪れるらしい。一度生蘭蘭を見てみたいものだ。もっとも、本当に見たいのは森高だけど。
「いいですよ。『3ヶ月』ですね。おばちゃんにはお世話になって るからとりますよ」
 おばちゃんが「ひとつき」と言ったのに私が「3ヶ月」と答えたことにあれ?と思った人がいるかもしれない。
 おばちゃんによると創価学会の新聞啓蒙でひとつきというのは3ヶ月を指すらしい。私も初めて聖教新聞をとった時は1ヶ月契約のつもりだったら、次の月も新聞が入っていた時はびっくりしたが今はすっかり慣れている。
「ありがとう。山中さん。じゃぁ、まだ月の途中だから、明日 からサービスで入れさせてもらうわね。今度、一度座談会に も来てちょうだいね」(つづく)


 

 
 
や、山中先生っ!!
東大出なのに!(東大出だから?)
口山田さん 東大出の人は世間知らずで素直な人も多数いるようです。

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