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ピアノのせんせいコミュのピアノの勉強は理科系的勉強

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私は機会があって、八木秀次著『国民の思想』(産経新聞社)という本を読みました。この本の中に、教科の文科系と理科系に関して、次のようなことが述べられています。

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わが国では現在、理数系への進学が減っている。前出の藤原正彦氏は、それは今の日本の子どもたちに「がまん力」が不足しているからだ、という。理数系の大学に進学しようとすれば、文系よりはるかに多くの勉強量が必要であり、大学に入ってからもそれは同じである。それゆえ「がまん力」の不足している今の子どもたちは、理数系に進学しようとしない。
−−

この文章を読んで、私は文科系と理科系との教科における絶対的差はないんじゃないかという気がしてきました。実際、英語には「文科系」「理科系」という言葉はないですね。むしろ

人文科学(humanities)
社会科学(social sience)
自然科学(natural sience)

という分け方のほうが一般的です。

私の現在の考え方では、文科系と理科系の教科には、絶対的差はなく、どれも学問の一分野であるに過ぎない、ととらえるのが妥当であるように思います。

しかし、絶対的(本質的)相違は実質上無い代わりに、相対的差のようなものがあるのではないでしょうか。それはすなわち、この『国民の思想』で八木氏が紹介しているように、理数系に進学しようとすれば、文系よりはるかに多くの勉強量が必要であり、「がまん力」が必要である、ということです。端的に言えば、理系科目は文系科目よりも難しい、ということです。

では、理系科目に多くの勉強量とがまん力が要求される根本原因は何なのかというと、それはその科目の勉強だけやっていてはその科目を習得できない、という点にあると思います。

典型的なのは、物理学です。物理学を習得しようとすれば、物理学だけをやっていればいいのではなく、高度な応用数学の知識が必要になります。工学系の科目でも、信号処理とか画像処理の関係では、フーリエ解析などの応用数学が非常に重要になります。このように、理系の学問では、その科目の内部に、数学という科目外の要素がその内部に深く浸透して形成されているのです。このため、物理学や工学を習得するには、応用数学の習得にも多くの時間を費やし、しかもその科目と数学とがどのように有機的に結合しているのかに関しての理解力と洞察力も必要になるのです。この点が理系科目の難しさではないでしょうか。

代わって文科系科目の場合、基本的にはその科目の知識の習得がその科目の習得である、ともいえます。例えば法律の勉強をするのに、法律以外の知識が必要になるのかというと、基本的には法律のことを学びさえすれば良いような気がします。少なくとも、物理学を習得するのに物理学以外の教科である応用数学の知識が必要になるのと同質な(他の教科知識の)「必要性」は無いような気がします。

もう一度結論をまとめますと、文系科目と理系科目とでは、絶対的な差はなく、文系科目よりは理系科目のほうが難しい、という相対的な差しかない。そして、この相対的な差は、文科系科目の場合、基本的にはその科目の知識の習得がその科目の習得である、そういった「自己完結性」があるのに対し、理系科目の場合、その科目の勉強だけやっていてはその科目を習得できない、数学という複雑高度な学科の習得が並行して必要になる、という点にあるのではないでしょうか。

以上が前置きです。さて、ここから本論に入ります。

私は、理系科目の場合、その科目の勉強だけやっていてはその科目を習得できない、そこに理科系科目の難しさがある、ということを申し上げました。この点が、ピアノの学習と非常に似ているように思うんですね。なぜかというと、ピアノの勉強というは、楽器のハンドリング、すなわち鍵盤の叩き方やペダルの踏み方だけを学んでいたのでは習得できないわけです。もう一つ欠かせないのが、楽譜の読み方の勉強です。ピアノ以外のほかの楽器でも、もちろん同じことが言えますが、ピアノのような鍵盤楽器の場合は、演奏譜が大譜表になっています。このため、楽譜の読み方の勉強が学習者に対して非常に大きなタスクになっていると思われます。

物理の勉強が物理だけでなく、応用数学の勉強も並行して必要になるのと同じで、ピアノも鍵盤の叩き方やペダルの踏み方だけでなく、楽譜の読み方の勉強も並行して必要になる。しかも例えば物理の場合ですと、物理と数学とがどのように有機的に結合しているのかに関しての理解力と洞察力も必要になるのです。ピアノの勉強でも全く同じで、演奏譜の記載の解釈とそれを音にするときの楽器としてのピアノの操作(鍵盤の叩き方やペダルの踏み方)とが、どのように有機的に結合しているのかに関して、理解力と洞察力が要求されます。こういった点、非常に理科系的要素があるんじゃないかと考えましたがいかがでしょうか。

コメント(13)

非常に興味深いお話で、読ませていただきました。

ピアノの勉強の仕方について、私個人的な体験からの意見ですが、

一般的に幼少の子にピアノや、楽典、理論などを教えるときは、相手はお子さんですから、難しい言葉なんかでは理解できないので、説明は極力だれにでも分かりやすい言葉やイメージしやすい例えなどを使いながら進めて行きます。

今は大変良い教材もたくさんありますが、その中でも私が利用している「江口寿子さん」の教材は、まさに科学的に研究されていて、段階的に効率よく進めていくことが出来ます。

江口さんの教材は、小さいお子さんにもすんなり吸収しやすくなっているので、実際大人になってから始めた方にも応用できるんですね。

確かにピアノには、平行して勉強しなくてはいけない理科系的要素もありますし、情感を表現するためには、演技力のような要素、いろいろ複合しています。

これは、例えば料理でも同じことが言えて、科学的に調味料や素材や、火加減などの知識、おいしそうに見せる飾りつけなどに必要な感性、センス、そして、微妙な味付けなども必要ですし、やはり、何事も洞察力は必要ですね。

お答えにならなかったかも知れませんが、私が教えさせてもらう生徒さんには、ピアノだけでなく、理論や聴音、ソルフェージュ、総合的に、いつの間にか楽しく理解していたとなってもらえるよう、幼少から取り組んでいます。
レスをつけてくださった方々、ありがとうございます。ピアノという楽器は初心者や入門者にとって非常に難しい楽器だと思います。

よくヴァイオリンとの比較で、「ヴァイオリンは、ただボウイングするだけではヴァイオリンの音は出せないが、ピアノは猫が鍵盤の上を歩いてもピアノの音が出る」などと言われたりします。このことから、ピアノは音出しが易しい楽器だ、だからピアノは(演奏が)易しい楽器だ、というふうに理解しては間違っていますね。

私は昨日、バッハのト長調のメヌエットを練習していましたが、ピアノ曲集の一番最初に出てくるシンプルな曲であるにもかかわらず、非常に難しいと感じました。このことは、ピアノ曲というものは、どんなにシンプルであっても、ちゃんと弾くには多様な能力がいかに有機的に連携して発揮されなければならないかを教えています。

以前にNHKで大人の初心者を対象にしたピアノ教育番組を放映していました。小柄な丸顔の男の人(お名前は失念)が先生を務め、マラソンランナーの谷川真理さんが生徒兼アシスタントを務め、他に3人くらい中高年の生徒さんが出演されていました。

生徒のお一人(谷川真理さんであったかもしれません)がこのバッハのト長調のメヌエットを弾いていたのです。ところが、このシンプルな曲ですら、原曲からさらに音を間引いて簡易化したバージョンを弾いていたのです。
ふと思いついたのが音響学ですね。かのジャン・フィリップ・ラモーも物理学の勉強をした末、音楽理論を確立した、という話が残っています。

ベートーヴェンだってフックスの理論書を勉強したそうです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9


音響学の中でも演奏に直接関係するのが「倍音」ですね。倍音の知識が無いと、グランドピアノは扱えないと言ってもよろしいと思います。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%80%8D%E9%9F%B3

この知識がないと、音のバランスを考えることができないので、本に書かれている音符を完璧に弾いたとしても「ピアノが鳴らない」という現象が起きかねません。また、やはり倍音の知識が無いと、「なぜドミソの和音がよく響くのか」が説明できません。

コンサートでは、感覚的ではありますが、ピアノの性能や、ホールの響きによって、その場でダンパー・ペダルを調節します。慣れてくると、会場の反対側の壁から跳ね返ってくる自分のピアノの音が聞こえて来るようにもなります。

ピアノを弾く人が必ずしも微積分とかをやっているわけではありませんが、ある程度の物理的な知識があると、さらに音楽を楽しむことができるのではないかと思います。
楽譜を読むのには数学脳が必要なんでしょうね。
音符は分数だし、過去現在未来の同時進行。
拍子記号は何音符を何拍分という定義みたいな感じもします。

けれど、音大付属音楽中学から音大に進んだ私は数学を全て理解する時間も履修もせず聴音とか和声の時間になっていたので、微分積分が出来ません。

幼児でも理論、楽譜の記号はきちんと教えています。
別コミュで楽譜の読み方もきちんと教えて欲しいとピアノの先生たちに提示したら発言が色々ありました。

理論を大まかにでも理解していると、音源のコピーではなく、きちんと理解してるにつながると思います。
読譜時間を掛けなくても読み解く事ができるので、受験で忙しくなっても、ピアノ以外の楽器や合奏になっても音楽を楽しめると今は基礎を大切に指導しています。
空間認知から音価カードを使っています。

五度圏の事も小さい子には♯は右手で五個あがる、♭は左手を親指から指を折り数えながら5個下がると教えています。

ピアノの弦にマレット(木琴のバチ)やスーパーボールなど使い内部奏法をし、ピアノの構造と力のかけ方を見せ体験させていて。グランドピアノの下にもぐった時の音質と離れて聞いた時、ふたをしめた時、開けたとき、扉の向こうで音を聞いた時など「ぴあのとあそぼう」という教本を元にレッスンをしています。

音の振動の伝わり方は風船を用いたり太鼓を用いたりして、身体や指に触れさせた事もあります。
その後の理解度、表現力は格段にあがったような気がします。

古代の偉人は音楽も哲学も数学も学んでいたし、それぞれプロ級だったと聞いたことがあります。

私はオルフ音楽研究者ですが、現地小学校で 合奏を通して空間認知と力の入れから抜き方、また人との距離の取り方を学ばせている事と、音楽を通した理論を社会の中で開発、人事でも生かせることを直接伺ってきました。
構造、仕組み、組み合わせ方。 文化系というよりもやっぱり理数に近いのでしょうね。
興味深く、読ませていただきました。

あまり、難しいことは言えないのですが、カキコしたくなったので。

ピアノというより、音楽そのものは、理系的なものなのかなあと思っています。

学生時代に、オケをやっていたのですが、理系の方って、趣味で音楽をする人多いなあと思っていました。何か、通ずるものがあるんだろうなと。それが、けっこう、弦楽器に多くて。
>ピアノというより、音楽そのものは、理系的なものなのかなあと思っています。

私も音楽そのものは理系的なものであると思います。例えば練習を通じて演奏の問題点の改善を図るとき、物事の因果関係を科学的に探求しないとダメなんですよね。そうでないと、効果的な練習方法をあみだせません。

うちの近所で活動しているオケもメンバーの8割が理系だといいます。それも弦楽器に多いとのことです。弦楽器の演奏技術は、結構理論的に体系化していると思います。ピアノと同じくらいシステマティクです。すると、

作品解釈→演奏技術

を結びつける道筋が結構複雑多岐で、この複雑多岐なルートの中から有効なルートを見出すためには、論理的で明確な考え方が必要になるのだろうと思います。
楽譜って、設計図みたい〜、料理のレシピ見たいと思うことがあります。
オケの楽譜もピアノの楽譜も、こういう基本でやって〜という図を見せられているのだと思います。

理数的理解力は必要ですよね。
その上で音質とか音量とかその場の空間での響きや反響、残響なんていうのが経験から体得していくのだと思います。

建築士さんが、設計図どうりではなかった建物を建て、違法と罰せられています。ダレかが途中で気付き建築途中でも止める勇気、変更する部分の確認をしたら、ダレも住めなくなったマンションとかホテルとか無いんでしょうね。

料理で言うと段取りは同じでもまた積み上げていく順は変わっていても、付け足したり、減らしたり、その人その人の味わいがしみ出てくるのだと思っています。知らない内はレシピも必要です。見たことない料理を考えなく作る芸能人の方沢山いるような番組とかあるし・・・

音楽も同じ気が時々しています。

医師とか歯科医師はチェロを好んでひくとか聞くし、理系の方の中にはブラスバンド多い。合唱は文化系の割合も多いが、理系会社員とか研究員さん沢山知っています。
構造を考えると、自分の出番はどうするか見えてくるのだそうです。彼らとお話して、理論も耳も大人になって困らないように同時進行で生徒を教えたいと先生をさせていただいています。

ダラダラやって出来上がらない方とかは一端立ち止まり考えたりしてない分、tomtomさんがおっしゃるように効果的練習方法を見つけることが出来にくく、考えた人は上達もするのでしょうね。

機械はどういう構造になっているのか時々疑問に思うわたしはどっち系なのだろうか?・・・・
>機械はどういう構造になっているのか時々疑問に思うわたしはどっち系なのだろうか?・・・・

私は大学を卒業した直後、中小企業で機械設計をしていましたが、機械設計は非常に理系的作業です。

例えば機械に組み込まれている部品を交換する必要が生じた。ところがその部品の規格が変更になって寸法が変わっていたとします。すると、その変更になった寸法の部品を機械に組み込めるよう、周辺部分の設計変更をしなければならないとします。

すると、一つの寸法を変更することで、影響がマルチな方向に及ぶので、周囲のどの部分にどのよな影響があるかを全部予見しなければならないのです。そういう複雑多岐な影響をあますところなく考察する力というのは非常に理系的です。

逆にいうと、マルチな方向ではなく、比較的一直線に量をかせぐ考え方が文系的(あるいは非理系的)ともいえるような気がします。

話しは変わるのですが、今朝の新聞にサッカーのオシム監督が来るべきジャパンカップにどう臨むかについての記事が載っていました。野球やサッカーの監督業も理系的職業かもしれません。チームの勝利という果実を手にするまで、選手の育成や起用からはじまって対戦相手の分析に至るまで、さまざまなことをマルチに考えなければならないですからね。
DDRって
確かに良い所ついてますね!

なるほど〜!!!
NHk教育tvの高校生数学の番組で面白い取り組みがありました。
数学博士の秋山先生が出演されていました。

普通のハ長調を弾いた後 四と七を引いて日本音階にしたり、アラビア、沖縄など聞き分けチェックをさせていた。

弦楽器とけん盤楽器の配列の違いと半音づつ下がると1.06センチ違うと音が代わる弦。

エレクトーン奏者に協和音と不協和音を弾いてもらい、耳で聞き取りをした。ぶつかる音と離れた音の重音からはじめて三和音。
面白かったのは どみそ、れふぁら

なんと 鉄琴を半音づつ一回りの円にしてどみそを3人でたたきました。そこに直角三角形の4.3.5の比率のものを置いてみて、移調のように場所を変えていっせいのせ〜したら長三和音

また、れふぁらをたたいて今度はその直角三角形をひっくり返し比率が変わったこと、また別の場所で移調して「悲しい感じの音だね〜」とやっていました。

我が家にオルフ楽器のスタジオ49で購入した鉄琴のブロックがあるので、今度実験したくなった。

やっぱり音楽と数学は密接なつながりがあって、きれいにまた悲しい感じだけど響きのよい協和音は形がすっきり3角形になっていることを見せられた。

ピタゴラスが音楽と数学について密接だと言っていたというから 理数とは密接なのでしょう。
MIDIの勉強をすすめると実際にそう感じています。

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