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PWL音楽論コミュのTHE HI-ENERGY STORY 4

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SAWによる「HI-ENERGY」専門レーベルと言えば、「DIVINE」、「HAZELL DEAN」
といったアーティストをはじめとする「PROTO RECORDS」が代表的である。
SAWのような従来に無い、新たなサウンド技術に唯一目を付けたレコード会社という点では、
実に鋭いセンスあるレーベルとも言える。

「PROTO RECORDS」は、82年設立当初では「ELECTRO-FUNK DISCO」をメインとしていたが、翌年83年あたりからブームに便乗し、「HI-ENERGY」専門レーベルへと切り替わっていった。
記念すべき「メジャーヒット第一号」となったのが、「HAZELL DEAN / SEARCHIN’」。(ENAT109)
ご存知、UKチャート最高位6位という大ヒットを記録。(84年4月付)
このあたりから序々にジャンルを移行したようだ。

その中でも注目すべき一枚が「AMERICAN FADE / I’M ALIVE」。(ENAT105)
なんと、プロデューサーは初期PWLプロダクションにおいて活躍した人物
「IAN GUENTHER & WILLI MORRISON」であった。
この時点では「THREE HAT PRODUCTION」所属でしたが、彼らは遡ること79年の時点で既に
「PETE WATERMAN」との接点がありました。

それが、「T.H.P ORCHESTRA / TENDER IS THE NIGHT」のカップリング曲、
「TWO HOT FOR LOVE」。
クレジット上では彼らによるプロデュースに加え、サウンド「EDIT」を担当したのが、
「PETE WATERMAN」。
サウンドとしては、フィラデルフィア全開な「SOUL-DISCO」そのもので、黒人女性ボーカリストを起用しながらも、かなりハイテンポな「DISCO-INTRUMENTAL」。
ちなみにグループ名「T.H.P」は彼らが所属する「THREE HAT PRODUCTION」の頭文字からきている。
この12インチには「PETE WATERMAN」サウンドのルーツがここにある。
9分というロングではあるが、トラックが進むたびに流れが次々と変化していく。
マニアは是非とも押さえておきたい1枚。

「PROTO RECORDS」では次々と「HI-ENERGY」ジャンルを着実にリリースし、その中で「SAW」以外にもクオリティ高い作品がある。

1枚目は、84年リリース「FANCY / SLICE ME NICE」。(ENAT120)

こちらは、ドイツ出身による「ELECTRIC-DISCO」をメインとするアーティストでしたが、ブームの流れに乗り、素晴らしい「HI-ENERGY」を作り上げた。
元ネタはあの「BOBBY ORLANDO」サウンドを基本音源とした内容だが、この曲には繊細なセンスが隠れており、サウンド・アレンジの重要部分を担っている。

それは、2小節後半に細かいタイミングに打ち込まれる「クラップ音」。
この終わり間際に打ち込まれたクラップには絶妙な「GROOVE」を感じさせると共に、「HI-ENERGY」としてのアピール部分となる。

2枚目は85年リリース「LEGEAR / CRASHIN’ DOWN」。(ENAT124)

これは非常にレア盤と言っていい。
国内盤「THAT’S HI-ENRGY」の解説中にあるプロデューサー「BEN FINDON」による傑作こそが正にこの曲。
しかしここでは「HI-ENERGY」ジャンルの定義を考えさせるサウンドに仕上げられた。
原曲イメージで言えば、「ELECTRIC-DANCE」に近い。
アーティストの方はUK出身の黒人だが、ボーカルは終始「ファルセット」のみ。
また、「US-DANCE」特有なギターの刻みも加えられ、この点では「HI-ENERGY」サウンドにフィットしない。

しかし、何よりも「HI-ENERGY」としてアピールする技術がある。
それは、破線に打ち込む「メイン・シンセ」と「クラップ&カウベル」による絶妙なタイミング。
「クラップ」のサンプル音は、どちらかと言うと「US-DANCE」テイストが強いが、「カウベル」と上手く絡み合わせた打ち込みは正に「HI-ENERGY」。
このサウンド・アレンジのみで全てもっていったというイメージである。
ただ、聴き方によっては双方のテイストを含んだ楽曲タイプであり、時には80年代中期に流行した「BREAK-DANCE」にも個人的にはフィットしていると思う。
プロデュース・パートナーは、ナント!あの「STEVE RODWAY」であった。

3枚目は85年リリース「MIRAGE / NO MORE NO WAR」。(ENAT128)

こちらの方はどちらかと言うと「FANCY」同様、ドイツ出身ともあり、サウンドは
「MODERN TALKING」を基本スタイルとしたイメージですが、楽曲タイトルに相応しい反戦をテーマとした力強い掛け声(WE! NO! MORE! NO! WAR!)が加えられ、
「バックグラウンド」ではバスドラムと裏打ちするパンチの効いたクラップが入る。
これは個性あるワンポイント効果となった。
この力強さは正に「GERMAN’S HI-ENERGY」を感じさせ、後半ブレイク部分でこの後に
「U-BAHNX / YOUNG HEARTS OF EUROPE」に繋いでみるのも面白い。
これは私の憶測ですが、リリース時期からすると「PETE WATERMAN」は事前にこのプロモ音源を聴いて、「U-BAHNX」サウンドのヒントとしたとも考えられる。

SAW関連では他に「MICHAEL PRINCE」のレコードレーベル「BOLTS RECORDS」がある。
ここでは、名曲「DIVINE / YOU THINK YOU’RE A MAN」のサウンド作りに関わった人物、
「GEOFF DEANE」単独ワークによる作品「SAFRON / PHYSICAL CONTACT」
(BOLTS 2)がある。

この12インチをお持ちの方はお気づきかと思いますが、ジャケットデザインが「MICHAEL PRINCE」と同じフォームとなっている。
この曲は「GEOFF DEANE」自身によるソングライト&プロデュース作品であり、彼のセンスが確認できる唯一の情報源となった。

楽曲イメージとしては「YOU THINK YOU’RE A MAN」のようなド派手サウンドとは違うタイプではあるが、原曲にフィットしたアレンジを上手く絡ませた技術を感じさせる。
シンプルなアレンジの中で際立つ「クロスハイハット」を軸に、ブレイク部分での「クラップ」の打ち込みタイミングもいい。
更に「レーザー音」サンプルの使い方にもスピーディさが演出され、全体的にも原曲のノリを大事にした仕上がりとなっている。

この曲は「YOU THINK YOU’RE A MAN」の完成度比率を検証する上で重要となるが、併せてもう一人、プロデューサー「BARRY EVANGELI」にも注目する必要がある。

単独ワークでは以前にも取り上げた「DIVINE / WALK LIKE A MAN」。(ENAT125)

こちらは前作となった「YOU THINK YOU’RE A MAN」サウンド路線をキープした部分が含まれており、メインフレーズの「ヒューマンボイス」サンプルや、メインフレーズ手前のスネアでインパクトを加えるといった手法(バーン!)がそうである。

全体的に安定感あるサウンドに仕上げられたが、ブレイク部分をはじめ、アレンジの組み立てに工夫が見られず、サンプル音源が単にひとつずつ加わるといった技術が目立つ。
また中間でのブレイクダウン(WALK!)が「4小節」長過ぎていて間が抜ける。

この曲は、UK最高位23位という大ヒットを記録したが、「FOUR SEASONS」による63年ヒット・カバーであったのと、前作「YOU THINK YOU’RE A MAN」サウンドを流用したという、ユニークな企画がヒットした理由だと考えられる。

「SAW」については、メインプロデューサー「PETE WATERMAN」による単独ワークで充分に実力が検証される。
マイナー作品ではあるが、「LIFE FORCE / MAN IN A MILLION」(85年リリース)
で見てみたいと思う。

原曲は割りとシンプルなイメージだが、ド派手且つパワフルに打ち込まれたクラップ連打に
「PETE WATERMAN」のエネルギッシュなセンスを感じさせる。
中間ブレイクの「乱れ打ち」も実にシャープで、シンセベースのディレイ技術を含め、繊細なチューニングに拘りが伝わる。
ドイツ盤12インチでは、オリジナル・プロデューサー「ROB DAVIS」のみの表記となったが、
「MIX-DIRECTION」という「サウンド総仕上げ」を見事に担った実力が表れている。

「YOU THINK YOU’RE A MAN」に関わった三者の単独ワークから完成度比率を個人的にまとめてみると、優先順位は「PETE WATERMAN」(SAW)、「GEOFF DEANE」、そして最後が
「BARRY EVANGELI」ということになる。
原曲イメージでは「GEOFF DEANE」によるクオリティセンスは大きかったようだ。

次回、「HI-ENERGY」メジャーヒットの世界に続く..

コメント(4)

JOJOさん>
コミュに参加頂き、ありがとうございます。
宜しくお願いします。

調べてみたところ、おっしゃる通りでした。
82年のアルバム「PORTRAIT」収録曲でしたね。
それもそのはず、一連のヒットは全て「BEN FINDON」によるものでした!
勉強になります!
JOJOさん>
ありがとうございます。
こちらの方こそ、宜しくお願いします!

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