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PWL音楽論コミュのSAW-HOUSEにみるREMIX定義

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今回もまた、音楽論の核心となる話をしたいと思う。
「HOUSE-MIX」と言うと数多いように感じられるが、いわゆる「典型HOUSE」に相当する作品となると意外にも少ない。
これは、「SAW」が同じサウンドを繰り返さないという拘りでもある。

ピーク時であった、87年〜88年における「HOUSE-REMIXER」は数多く存在したが、その多くはジャンルの発祥元である「本格ダンス・ミュージック」をフィールドとしたサウンドが主流であった。

しかし、「SAW」のように「POP-IDOL」を中心に手掛けるプロデューサーが「HOUSE-SOUND」を取り入れるアレンジ技術の方が、実際には遥かに難しい。

「HOUSE-SOUND」というと、PWLリミキサーでは「PHIL HARDING」をイメージしてしまうが、
「SAW」作品における「HOUSE-VERSION」では、「PETE HAMMOND」の方が多い。
「典型 HOUSE」に相当する作品は以下のとおり。

・Mel & Kim--That's The Way It Is (House Remix)
・Rick Astley--Together Forever (House Of Love Mix)
・Bananarama--Love In The First Degree (House Remix)※「I Want You Back」CDシングル・オンリー

この他、ゲスト・リミキサーによる極めて珍しいケースとなったのは、
「Hazell Dean--Turn It Into Love (House Mix)」。
「USオンリー」となったバージョンだが、サウンド面ではどうなのか?
当時では、「別バージョンが存在する!」という事で話題となっていたが、果たして魅力はあったのか?

リミキサーは「MANDY」でもお馴染み、「Justin Strauss」らと共に活躍した人物「Murray Elias」。

しかし何度聴いても馴染めない。
それもそうである。
「哀愁ポップ」という原曲に対し、これを全く無視した「US-HOUSE」ビートを乗せたに過ぎず、
ここまでいってしまうと原曲はもう何でもよくなってしまう。

また、カップリングである「Disconet Edit」にも注目すべき点がある。
こちらの方は、リミックスサービス「DISCONET社」のスタッフ「Steven Von Blau / Mark Styles」も編集に加わったというバージョンなのだが、サウンド面では最高なクオリティを極めており、
オリジナル「Extended Version」を超えてしまった。

その理由は、オリジナルとの比較で理解することができる。
「Disconet Edit」に加えられたのは、オープニング部分での「メインフレーズ」となるシンセ音、
そして後半ブレイク部分でのリズムビートでのアクセントという2点。
たったこれだけである。

この2点を加えただけで、こんなにもクオリティ高いバージョンに変化してしまった。
変更されたのは、「ベースライン」と「ビートリズム」のみの部分で、ここが妙に「スカスカ」というか、サウンドに乏しい空間がある。

この空間に、本来である「サウンドアレンジ」が加わることで「哀愁ユーロ」らしさが演出され、結果的には原曲イメージに立ち戻った。

以前にも語ったように、「哀愁EURO-BEAT」が受け入れられない「UK市場」を意識した
「WATERMAN」が、迷いに迷った挙句、「R&Bポップ」にイメージチェンジしたという苦労が
「Disconet Edit」でも証明されたことになった。

話は「House Mix」(Murray Elias)に戻るが、実はこうしたギャップある「HOUSE-REMIX」というリミックス・パターンの方が圧倒的に多く、これは「本格HOUSE」出身によるリミキサーという面では止むを得ない。

しかし、この定義をモノの見事に覆したのが、唯一「SAW」であったのです。
サウンドに疎い人にとっては、単に「HOUSE-SOUND」に切り替えたというイメージに過ぎないかも知れません。

これらのリミックスバージョンは全て「PETE HAMMOND」によるものだ!
などと思ってしまう人が恐らく大半なのでしょう。

では、「PETE HAMMOND」単独ワークで同様の作品が存在するのでしょうか?

同じモノなど、ひとつもない。

しかも、同系「HOUSE-SOUND」に近い作品では、
「EIGHTH WONDER--Cross My Heart(House Mix)」のみ。
(UKリミックスオンリー)

この作品は「POP-MUSIC+HOUSE-SOUND」典型パターンであるが、「SAW-HOUSE」に通じる
サウンドクオリティは何処にも見当たらない。
それでは「SAW-HOUSE」の魅力とは一体何なのか?

では、上記3作品による「HOUSE-REMIX」で検証してみたいと思う。

まずは「That's The Way It Is (House Remix)」。

これはオリジナル音源を基に、ブレイク部分で「HOUSE-BEAT」が加えられたモノであるが、
注目すべきはこの「ブレイク部分」。
細かいピアノの打ち込みタイミングには「GROOVE感」があり、また後半では「ベースライン」キーを高くするアイデアによって、更にピアノのノリを演出しながら、スネアの16ビート連打でエンドという、彼らの得意である「12インチ・トラック」の流れが発揮されている。

続いては、実質上プロモオンリーとなった「Love In The First Degree (House Remix)」。

これに関しては、「原曲イメージにフィットしているか?」というより、
予め「HOUSE-SOUNDサンプル」が仕上がっていたという気がする。
インパクトある「ディレイ・シンセベース」と「メイン・シンセ」をはじめ、ポイントとなる
「オーケストラ・サンプル」(ジャジャジャジャン!)。
この「DUB-BEAT」のみで既に完成されている。

結果として「Love In The First Degree」に乗せられたようにも思うが、ブレイクとソング部分に違和感なく楽しめるところはまた素晴らしい。
ちなみに、「DISCONET盤」のみ収録となった「DISCONET PENTHOUSE DUB」にクレジットされた人物とは、「Turn It Into Love (Disconet Edit)」同様、「Steven Von Blau」であった。


そして、「SAW-HOUSE」の中でも最高なクオリティを誇る逸品こそが、
「Together Forever (House Of Love Mix)」である。

注目すべきは全体の流れ。
1コーラス・サビメロからスタートするイメージで、この後に「ロング・ブレイク」に切り替わるが、
ここでの「RAP」をはじめ、「HIP-HOP」なワンフレーズもあり、違和感なく2コーラスに入る。
2コーラス目では、オリジナル音源である「シンセ・アレンジ」が綺麗に入ってくるのだが、
「黒さたっぷりな」ブレイクに対しても、不思議と完全に絡み合っており、こちらでもエンドに至るまでノリが途切れることはない。
こうした絶妙なバランス感覚を持つ「POP-IDOLプロデューサー」が何処にいるのだろう?

これらに共通するのは、「HOUSE-BEAT」を流用しながらも独自の「GROOVE」を持ち、「12インチ・トラック」の流れを繊細に演出しながら、且つ、原曲にアレンジが見事に「乗っている」という点である。
これこそが、「PETE WATERMAN’S-GROOVE」。

同様なセンスを備え持った「ゲスト・リミキサー」を唯一挙げるとすれば、なんと言っても
「Clivilles & Cole」でしょう。

「I'M THE ONE WHO REALLY LOVES YOU(Stardom Groove Club Mix)」における
「サウンド・フィーチャー」は、原曲イメージを崩すことのない見事なアレンジ・ワークであった。

間違っても「JANET JACKSON / WHEN I THINK OF YOU」にソックリだ!
などと言ってはならない..。

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