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PWL音楽論コミュの原曲イメージをリセットする

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大ヒットした楽曲に個性が有れば有る程、その作品はリスナーにとって基本音源となり、
後にリリースされるリメイク作品を聴く際には、原曲イメージがかえって邪魔してしまう。
これはオリジナル作品のイメージが頭から完全にリセットされていない。

しかし、この「聴き分ける」耳を養うというのは実は容易な事ではなく、
よほどの音楽好きな人でなければ出来ない。
ただ、これは長年聴き続けることによって鍛えられるもので、「原曲イメージを取り払いたい」という
一心で、ただ気持ちを貫くことである。
これが出来ないと、リメイク・モノを受け入れられない。

しかし、オリジナル曲を覆すほどのリミックス・バージョンやリメイク作品に出会うことも、実は重要なキッカケとなる場合がある。

今回はその中でも、「柔軟な切り替え」を要すると思われる作品について触れてみたいと思う。

まずは、「LAURA BRANIGAN / Whatever I Do (Wherever I Go)」。(87年)
ご存知、オリジナルは「HAZELL DEAN」ですが、どうしても「HI−ENERGYサウンド」という
イメージが抜けない人は多いと思う。
その要因として、それらしいクラップが打ち込まれた「PWL−EURO」に仕上げられている一方、
ギター音が全面にアピールされたポップ感が、その理由のひとつなのでしょう。

しかし、LAURA本来の持つボーカル魅力を理解することでリセットできる。
ヒット曲「SELF CONTROL」、「THE LUCKY ONE」等、持ち前の「ハスキー・ボイス」と
「POP−DISCO」がフィットするアーティスト・タイプとしてインプットすることで、「HI−ENERGY」イメージが自然に取り消され、ギターを全面にアピールしたポップ・バージョンとして受け入れることができる。

個人的にこのバージョンは「ハイ・トーン・ボイス」が光る「Bメロ部分」から、サビメロで追いかけるように叫ぶ「力強いシャウト」、このあたりに魅力を感じる。
もうひとつは、同アルバム収録曲「SHATTERED GLASS」と同サンプル音源を使用しながら、
それぞれの楽曲個性を引き出しているところである。
これは一見、作業上の「手抜き」として思われがちですが、確かに全盛期という多忙な中であっても、これは名プロデューサーとして「才能の魅せ場」でもあり、同サンプル音源という限られた中での
アレンジ・センスが発揮された。

ちなみに本アルバム「TOUCH」の収録曲であった「Whatever I Do」は、USプロモ7インチで
「CRY WOLF」とのカップリングとして存在していた。
もしも「SHATTERED GLASS」が大ヒットしていたら、シングル・リリースも候補として考えられていたようですが、最終的にサード・シングルは「CRY WOLF」が採用され、カップリング曲は「TOUCH」
(アルバム同タイトル曲)に変更された。

続いては、「RICK ASTLEY」の大ヒット曲、「FKW / NEVER GONNA GIVE YOU UP」。(93年)
これについては以前も書かせて頂いたが、RICKのようなパワフルで且つ、ゆったりとソウルを表現出来るアーティストはなかなか存在し得ないが、93年にPWLレコードよりリリースされた「FKW」バージョンは、当時「HADDAWAY」といったパワフルに歌いこなす「EURO−HOUSE」が流行した事もあって、いち早くこのスタイルを取り入れたというモノ。

聴いてのとおり、早いBPMの中で「力強く」そして、「淡々と歌う」この歌唱方法によって、オリジナルに無い攻撃的な楽曲として進化した。
サビメロ部分での「NERVER GONNA GIVE〜」フレーズ・サンプリングが活かされ、新たなノリを生んだ。(最もクオリティを極めたのは「Seize The Day」カップリング収録となった
「DMC REMIX」。)

もうひとつは、こちらも大ヒット曲「RESPECTABLE」をリメイクし、2001年に
新星「STOCK & AITKEN」として活動をスタートした「GIRLS@PLAY」。

ファースト・シングル「AIRHEAD」に続くセカンドとしてリリースされたのですが、プロデュースの方はセールス不振により「STOCK & AITKEN」ワークが実質上終結した為、これを受けPWLとの馴染み深い関係である「ALMIGHTY PRODUCTION」が引き継ぐ形となった。

バージョン・クオリティの方は、PWLサウンドを継承したGOODな仕上がりで、オリジナル
「MEL&KIM」サウンドの個性ある「ベースライン」を軸に横ノリなハウス・ポップという原曲に対し、
こちらは近年イメージにフィットしたストレートな「縦ノリ」DANCE−POPに仕上げられた。

しかし、原曲本来の持つユニークで軽快なノリを損なわず、こちらも新たなバージョンとして見事に
生まれ変わった。

続いては「STOCK AITKEN WATERMAN GOLD」収録となった幻のバージョン「MANDY / GOT TO BE CERTAIN」。
インスト・アレンジは「KYLIE」と同音源で、歌唱方法をアーティストの実力に合ったメロに変更したというモノ。

大きな違いは、「しゃくり技術」を一切使わない歌唱方法で、音符に対しストレートに歌ったもので、
サビ部分での「GOT TO BE CERTAIN〜」の語尾を短く切る「MANDYバージョン」に対し、
「KYLIE」の方は持ち前の「しゃくり技術」で伸ばすことで「遊び」を魅せた。

初めに「KYLIEバージョン」を聴かされた為、ストレートに歌う「MANDY」の方が堅苦しく、馴染みづらいイメージがある。
しかし、双方タイプによるパターンを見事に表現させた「SAW」のセンスは素晴らしい。
流石は「ポップ・アイドル・ミュージック」のスペシャリストである。

こうした繊細な才能を持つ同ジャンルのプロデューサーは何処かに存在するのだろうか?

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