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PWL音楽論コミュのPLEASE YOURSELFに見る拘り

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前回の「TECHNO―RAVE」で、「STOCK & WATERMAN」のPOP−MUSICに対する拘りについて語りましたが、
今回も引き続き、その拘りがハッキリと見えた1枚のアルバムについて語りたいと思います。

S&Wによる約2年間という短い活動において、数少ないアルバム作品の中でも全面的にプロデュースしたのは、「KYLIE/LET‘S GET TO IT」と、もう一つがBANANARAMAでは
「PLEASE YOURSELF」。

彼らの確固たる「POP−MUSIC」への拘りが、「PLEASE YOURSELF」に表れている。
このアルバムがリリースされた1993年は「POP−MUSIC」が低迷し、「HIP−HOP」をはじめとする「BLACK−MUSIC」が主流となった。

PWLにとって非常に不利な状況にも関わらず、本アルバム内容は以前にも比べ、よりシンプルな
ポップ路線一色に仕上げられた。
当時からすれば、「投げやり」若しくは「頑固一徹」としか理解されないかも知れない。

派手なセールス・アピールが全く感じられない様は、この地味なアルバム・ジャケットや、
曲目クレジットのフォーマットにも見られる。

しかしこのアルバムには、「GOOD−MUSIC」への追求に拘った、最高傑作に値する内容に溢れている。

PLEASE YOURSELF

Produced by Stock/Waterman

LP: 93 UK LONDON 828357.1
CD: 93 UK LONDON ???

Movin' On [Straight No Chaser]
Last Thing On My Mind
Let Me Love You One More Time
More, More, More [Album Version]
Is She Good To You
Only Time Will Tell
Give It All Up For Love
You'll Never Know What It Means
You're Never Satisfied
I Could Be Persuaded

「More, More, More」を除く9曲は、全てS&Wソングライトによるオリジナル。
アルバム全体の曲順バランスも絶妙で、A面にはシングル3曲を固める代わりに、
B面にはクオリティの優れた楽曲が寄せ集められている。

以前に紹介したとおり、「STEPS」と「SCOOCH」でのそれぞれのプロデュース・ワークの特色が見えたように、本アルバムでも「S&W」ならではの特徴が感じられる。

全体の楽曲イメージは、「CARPENTERS」のような純粋ポップ一色という程ではなく、また
「ABBA」のようなタイプでもない。
しかし、きめ細かいメロディ・ラインは正に「BRITISH−POP」そのもので、「力強いボーカル」でもない、「BANANARAMA」らしい従来の自然体な歌声に対して、「力強いピアノ」による打ち込みをベースに、ノリのある「PWL−BEAT」という、このあたりのサウンドが
「STOCK & WATERMAN」の典型である。

「Only Time Will Tell」や、「You'll Never Know What It Means」でのBEATは正にPETEらしい、激しいピアノとパーカッション・リズムの打ち込みは「PWL−SOUND」そのもの。

同じく「Only Time Will Tell」と「Give It All Up For Love」では、従来にない「マイナー・メロ」ながら、内容は申し分のない「GOOD−MUSIC」。

「You're Never Satisfied」はキュートでも個性あるアレンジがいい。

そしてラストを飾るのは、個人的にSAWソングの中でも「ベスト・バラード」にセレクトしたい程、
PWLでも珍しい「三拍子」のグッド・メロで、後半の「ギター・ソロ」も魅力的。

「LET‘S GET TO IT」同様にバッキング・ボーカルには、これまた従来にない「男性ボーカル」を起用する等、アイデアが発揮されている。

更にシングル・カットされた12インチバージョンは、シンプルなオリジナルに対し、違和感のない
「DANCE−MIX」に仕上げられた。

ファースト・シングル「Movin' On」の12インチ・ミックスとなった「Bumpin' Mix」は
「GARAGE−HOUSE」、セカンド・シングル「Last Thing On My Mind」ではド派手な
「Hi-NRG Mix」、サード・シングル「More, More, More」では「HOUSE−POP」という、
それぞれ見事な切り替わりを魅せており、落ち着いたオリジナル路線に対して、全くサウンドに
強引さがない。

このセンスこそがPWLの得意分野であり、「POP−IDOL」専門のプロデューサー部門では、
これほど完璧な独自スタイルを持つタイプは他にない。

更に「Movin' On」でのメイン・ミックス(Straight No Chaser)はアルバム・バージョンをそのまま
シングルとしてリリースしたあたりも、POP一筋を通している。

本アルバムからのシングル・カットが3曲のみとなった理由は定かではないが、もしも「第4弾」構想があったとしたら、「Is She Good To You」が有力候補だと思われる。

「BANANARAMA」に提供した楽曲はこれが全てではなかった。
恐らく「S&W」としての最終ワークとなったのは「Last Thing On My Mind」のカップリングとして
収録された「Another Lover」である。

この「Another Lover」に注目するファンがどれだけいるのだろう。
単に隠れた地味な楽曲という訳ではなく、この曲には「70‘S−DISCO」テイストのある
「BRITISH−POP」感があり、サビメロでの「バック・コーラス・ストリングス」が魅力的。

以前に「THE BEST OF STOCK & WATERMAN」シリーズのミックス・テープを作ったのですが、この中に思わず「PLEASE YOURSELF」収録曲をセレクトしてしまう程に、
このアルバムには「GOOD−MUSIC」が豊富に詰まっている。

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