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PWL音楽論コミュの英国のDISCOオタクが選んだプロデューサー達

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今もなお、英国のミュージック・シーンをリードし続ける「打ち込み系アーティスト」と言えば、
「PET SHOP BOYS」。(以下PSB)

PWLとの繋がりは勿論のこと、彼らは様々なプロデューサーやリミキサーを起用しながら
オリジナル・スタイルを貫く、数少ないビッグ・アーティストである。

PWLとのワークと言えば、「ALWAYS ON MY MIND」や「IT‘S A SIN」、更に
「EIGTH WONDER/I’M NOT SCARET」は代表的なところである。

「PSB」は自ら、作曲・アレンジをこなし、そのセンスは「DISCO」というジャンルでも
「GOOD−MUSIC」に拘りを持った、かなりのオタク・アーティストであることが判る。

こうした、オリジナル・ブランドを持つ彼らにとって、サウンドの全面的プロデュースを依頼するイメージがあまり感じられないが、作品クレジットを確認してみると、時代ごとに流行した
リミキサーやプロデューサーを積極的に取り入れている。

HI−ENERGY界の大御所「BOBBY ORLANDO」をはじめ、「TREVOR HORN」、
「SHEP PETTIBONE」、「IAN LEVINE」、「LEWIS A MARTINEE」、
「JULIAN MENDELSSOHN」、そしてPWLでは「PHIL HARDING」といった、
豪華な顔ぶれである。

「BOBBY ORLANDO」は、「PSB」自身が大好きなプロデューサーであり、
デビュー・シングル「WEST END GIRLS」の全面プロデュースを依頼した。
「LEWIS A MARTINEE」は、あの「EXPOSE」のマイアミ・サウンドを手掛けたプロデューサー。
「TREVOR HORN」は前回でも紹介したとおり、
「FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD」等を手掛ける、ストーリー性のある
「芸術的感性」の天才プロデューサーであり、彼のサウンドの特徴として、曲が進行する毎に新しい音が次々と「おもちゃ箱」のように出てくる。

「SHEP PETTIBONE」は個人的にも大好きなリミキサーである。
彼の特徴は、基本的に元音源をキープしつつも「オリジナル・サンプル」を、よりクリアに
入れ換え、更にパワーアップしたリズムを加えるという、「オリジナル忠実派」なリミキサーである。
自分のお気に入りの曲の中に、「SHEP PETTIBONE」名義のリミックス作品があったとしたら、それは「オリジナル音源」を裏切ることのない、パワーアップされた「リミックス・バージョン」に進化しているに違いない。

代表的には、「JANE CHILD」、「MADONNA」、そして「DISCO界」では「FLIRTS」や
「ALISHA」等、幅広い多数のヒット曲のリミックスを手掛けた。

そんな様々なプロデューサーを起用しながらも、「PSB」としての個性が損なわれることなく、
名プロデューサー達の魅力ある技術やサウンドについては、全て素直に受け入れるというスタイルを心掛けているように感じる。

そして多くのプロデューサーを起用した中でも、「PSB」にとって「BOBBY ORLANDO」に続く、二番目として選ばれたゲスト・プロデューサーとは...。

それは、「PHIL HARDING」であった。
1985年、「OPPORTUNITIES」(初回バージョン)のカップリングとして
「IN THE NIGHT」という楽曲を「PSB」と共にプロデュースしていた。

この曲は、一度聴けばリアル世代であれば気付くと思うが、あの「BOBBY ORLANDO」サウンドをイメージして作られたとしか思えない程、当時の「HI−ENERGY DISCO」に仕上げられている。
(同様に、「LOVE COMES QUICKLY」のカップリングとなった、
「THAT‘S MY IMPRESSION」もBOBBYを意識したサウンドである。)

JEREMYさんサイトでは、86年リリースのリミックス・アルバム「DISCO」のみに収録されたという情報だが、実はこの元音源が「OPPORTUNITIES」のカップリング曲として既に
リリースされていたのです。

このリミックス・アルバム・バージョンの方は、「PSB & PHIL HARDING」プロデュースに加え、「ARTHUR BAKER」というUSリミキサーを起用したサウンドとなっており、こちらもオリジナルとは違ったノリを感じさせる魅力がある。

では、「PHIL HARDING」ワークとのキッカケとは?
それは、「PSB」自らが「ダンス・ミュージック・シーン」を常に注目する中で、
「BOBBY ORLANDO」同様、「HI−ENERGY」ジャンルで活躍していた
「SAW」にも注目していたからでしょう。

しかし、「SAW」プロデュースともなると、「PSB」のオリジナリティが失われる危険性もあるという
懸念があったのかもしれない。
SAWファンとしても、「PSB」とのコラボというのはあまり期待していなかったと思う。
まあ、そんな事は定かではないが、「PWL」は最終的にPHILをプロデュース・ワークとして提供することになった。

しかし、「IT‘S A SIN」や「ALWAYS ON MY MIND」は、オリジナルとしてではなく、
リミックス・バージョンとしてのワークとなった。

このリミックス・バージョンは両方とも「マイアミ・サウンド」をベースとして、
「IAN CURNOW」がミックス・ワークとして加わり、「繊細なシンセ音」や
「湿ったようなクラップ音」は、彼ならではの「サンプル音源」が全面に出ている。

この状況をみて判るとおり、「PSB」にとって、「PWL」はあまりにも位置付けが「天敵」という程に
「ライバル的」な存在であり、オリジナルとしては起用したくなかったのかも知れません。

その代わりに、「EIGTH WONDER」というPOP−IDOLの協同プロデュース・ワークを
メインで行なったような気がする。

しかし、88年リリースのリミックス・アルバム「INTROSPECTIVE」の中で、
「I’M NOT SCARET」(PSBバージョン)が収録されており、このバージョンに
「PHIL HARDING」のクレジットは無いが、サウンドの方は楽曲イメージに大きな違いがないところから、元々アレンジ部分についても「PSB色」が強い楽曲であった事が判る。

ちなみに「EIGTH WONDERバージョン」の12インチ「DISCO−MIX」よりは、リミックス・バージョンとなった「10インチ・リミックス」の方が実は「EXTENDED」イメージが強い仕上がりになっている。

この流れをみて判るとおり、「PSB」とは相当な「DISCO−MUSIC オタク」であり、
自分達が気に入ったプロデューサーは積極的に自ら起用し、「PSBカラー」を常にメイク・アップさせると共に、「PSB」に無い、新たな技術やサウンドを取り入れながら、
後の活動に活かしていくという、正に英国が生んだ「DISCO・オタッキー」。

彼らに認められた多くのプロデューサーやリミキサーは、「打ち込みサウンド・クリエイター」としての「太鼓判」を押されたに等しい。

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