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PWL音楽論コミュのYELL!にみるSAWの陰り

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「YELL!」プロデュースを手掛けた1990年6月頃になると、PWLも今までにないパターンでの
戦略が出て来たように思える。
SAWが全面プロデュースを引き受ける際は、基本的にファーストシングルからの依頼が多く、彼らとのワークを終えたアーティスト達は、PWLお弟子達によるプロデュースに「格下げ扱い」となってしまったり、あるいは別プロデューサーへ移行してしまうケースが多い。

しかしこの「YELL!」だけは、今までにないパターンであった。
ファーストシングルとなったのは、意外にもPETE HAMMONDがREMIXを担当した
DAN HARTMANの大ヒットカバー「INSTANT REPLAY」からのスタートとなり、
UKチャート10位という大ヒットを記録した。

しかし、ここでのヒット要因は「大ヒットソングをPWLがリミックスしたから」と感じる人が多いと思います。
確かに大ヒット・カバーは要因のひとつであると思いますが、但しこれは
「PETE HAMMONDだから」ではなく、プロデューサーであるNIGEL WRIGHTの活躍があってのことでしょう。

彼の実績は、MADONNA・TAKE THAT・BOYZONEといった、SAW同様に
POP−IDOLのスペシャリストであるのは既に証明済み。
80‘POPの基本的アレンジセンスや、DANCE−POP的感性が優れている。
この基本ベースがあるからこそ、PWLリミキサーの味付けが活きているのだ。
決して、PWLリミキサーの才能を否定するものではないが、ヒットの要因割合に間違いはないでしょう。
以前にも書かせて頂いたとおり、SAWあってのリミキサーという位置づけは、別プロデューサーで
あっても同様なワーキング・イメージだと思います。

そして、遅れ馳せながら「セカンド・シングル」を担当する事となったSAW。
楽曲は、あのBOY KRAZYも歌った「ONE THING LEADS TO ANOTHER」。
しかし、チャートの方はUK81位と、これは割りと予想通りの結果であった。

このバージョンを聴いた方はお解りだと思いますが、まず楽曲自体がシングル曲としてはインパクトがあまりにも無さ過ぎるのは否定できない。
その典型であるサビメロ部分が地味過ぎていて仕方がなく、恐らく私の憶測では、ストックしていたこの曲を、結果としてYELL!に提供したに過ぎない。

その証拠として、既にシングルリリースしたこの楽曲を、後にBOY KRAZYがアルバム曲として再収録されたのは、あまりにも扱いがヒドイ。
なにも、この曲のクオリティ自体を否定しているのではなく、シングル曲として「力不足」であるという事が言える。
ちなみに、BOY KRAZYバージョンと比較した場合、殆どの方はこちらを評価するでしょうし、
恐らくその見解に間違いはないと思う。

では、YELL!バージョンの何処に問題があったのでしょうか?
そもそも、シングル曲に相応しくないのは当然ながら、地味な原曲ながらもこのイメージに合った
シンプルなアレンジが有効なのだと思う。

決して、YELL!の男性ボーカルと楽曲との相性が悪いのではなく、YELL!バージョンの「PWL HOUSE−BEAT」特有アレンジの派手さが、原曲とのギャップがあり過ぎる気がする。
言い換えれば、BOY KRAZYバージョンのアレンジでYELL!が歌った場合、シングル曲として
成立するかはとも角、少なくとも、もっと自然に聴く事ができたのではないでしょうか?
しかし、BOY KRAZYの方を聴いてみても、コレと言ってそれ以上のインパクトは感じられないが...。

そして、もうひとつ言える事は、SAWソング・ストックがいよいよ残り少なくなってしまったという表れでもある。

SAWシングル曲を挟んで、サード・シングルとなったのは当時、日本中が最も誰もが聴いたカバー曲第二弾、「LET‘S GO ROUND AGAIN」。
実は、このバージョンは「REMIXバージョン」であったのです。

それは、UKプロモ・オンリーでは2バージョン存在していて、JEREMYさんの情報にもあるように、ファースト・ミックスとして、シングルバージョンのイメージアレンジによるシンプルな
「12VERSION」と、その後にPETE HAMMONDが「REMIX」名義で担当した正規盤バージョンがある。

この正規盤バージョンはあの「INSTANT REPLAY」でもREMIX名義で
PETE HAMMONDが担当している通り、PWL独自のサンプル・ボイスが派手で、ベースラインにも強力なインパクトがある。
「12VERSION」の方は、正規盤に比べ「JBサンプルボイス」が強調されていて、どちらかと言うと、NIGEL WRIGHT色が濃く、判り易いところで、クラップ音が特徴あるPWL音とは少し違う。
この曲も同様に、プロデューサーセンスがメインであって、PETE HAMMONDは
「盛り立て役」に過ぎない。

しかし、ファースト・プロモには「7VERSION」と「DUB−MIX」が収録されているのは非常に嬉しいところ。特に「DUB−MIX」は、「12VERSION」とMIXすれば、更にカッコイイバージョンに進化すること間違いなし。

YELL!に関しては、その後にメインボーカル?である「PAUL VARNEY」が幻となった
「IF ONLY I KNEW」(SAWオリジナル)や、S&Wによる「SO PROUD OF YOU」を
リリースするなど、翌々考えてみればPWL RECORDも「ビッグ・アーティスト」と契約することが次第にシンドくなってきたのが、手に取るように分かる程、ファンとしては非常に痛さを感じさせるモノがありました。

しかし、日本中に「LET‘S GO ROUND AGAIN」を記憶させた「YELL!」の
功績は大きい。

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