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PWL音楽論コミュの究極のボーカリスト −Rick Astley−

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PETE WATERMANが探し当てた実力派男性ボーカリストと言えば、RICK ASTLEY。
彼のボーカルの魅力は、カバー曲である「WHEN I FALL IN LOVE」を聴けば他アーティストとの違いは歴然。
サウンドそのものがオールディーズな仕上がりになっているのも当然の事ながら、彼のボーカルまでもが同様な雰囲気があり、知らない人がこの曲を聴いた時、恐らく
「何年頃の曲だか判らない」と感じる程に個性豊かな美声の持ち主である。
他アーティストの場合、すぐに80年代の声だと判ってしまうでしょう。

まさに個性あるボーカルを武器にした、PWLが放つ究極の「爽やかポップ」の決定版である。
デビューアルバムである「WHENEVER YOU NEED SOMEBODY」は全く申分の無いパーフェクトな仕上がりで、SAW以外のPWLスタッフが加わったアルバムの中では、他に例がない程のクオリティ高い作品となった。

WHENEVER YOU NEED SOMEBODY

* Produced by Stock/Aitken/Waterman
+ Produced by Harding/Curnow
# Produced by Daize Washbourne

Never Gonna Give You Up * 3.35
Whenever You Need Somebody * [Album Version] 3.52
Together Forever * [Album Version] 3.24
It Would Take A Strong Strong Man * 3.39
The Love Has Gone + 4.20
Don't Say Goodbye * 4.02
Slipping Away + 3.52
No More Looking For Love # 3.10
You Move Me # 3.40
When I Fall In Love *   2.59

SAW独特な英国ポップなタイプが4曲、そして普段のSAWとは違ったR&B色が強い
「IT WOULD TAKE〜」は正に彼の為に作った楽曲に加え、あえて「PWLらしさ」を取り除いたサウンドに仕上げた「WHEN I FALL IN LOVE」。
そして、PWLアルバムのなかでもこれ程に他スタッフが力を発揮したモノはありません。

一番弟子であるPHIL HARDINGとコンビを組むIAN CURNOWが担当する
「THE LOVE HAS GONE」は個人的に、数あるプロデュース作品の中でも傑作に値すると思います。そして「SLIPPING AWAY」は思わず踊りたくなってしまう程のノリのある楽曲。

残りの2曲はDAIZE WASHBOURNEが担当。当時のPWLスタッフの中でも、SAW以外のプロデューサーと言えば彼の他にはいない。彼の実績はUKチャートでは見ることはできないが、日本のディスコでは「LANA PELLAY」や「BIG SMOKE」が大ヒット。今もなお「名曲HI−ENERGY」として記憶に残っている。
また「O‘CHI BROWN」のアルバムでもそのセンスが発揮されている。

この3つのプロデュースチームがクオリティ高い作品を生んだのは、まさにRICKの魅力あるボーカルがインスピレーションを活発にさせたのでしょう。

ファーストシングルとなった名曲「NEVER GONNA GIVE YOU UP」は歌ってみて頂くとお解りだと思うが、本当に難しい曲である。(どちらかと言うとTOGETHER FOREVERの方が普段のPWLポップに近いタイプであり、歌い易い。)

サビメロである「NEVER GONNA」の部分は通常はブレス箇所であり、歌うとしても本来はバックコーラスが入るパターン。ここを全て一人で歌うのは非常に肺活量を要するものがあり、この部分をあえてメインボーカリストに全て歌わせてしまうのがこの曲の個性的な魅力のひとつ。
更にこの曲は、RICKのようなパワーがなければ魅力が活きてこない。その証拠に、今まで同様な歌唱方法によるカバーは存在していないのが事実である。

日本でも、以前NHKでやっていた「青春のポップス」のような洋楽を歌う番組であっても、これらを歌った人は誰一人としていなかった。よく歌われるのは60〜70年代の往年オールディーズばかりで、確かにこの頃は名曲が多いのだが楽曲がシンプルなだけに言い換えれば「歌うには簡単」というものが多い。意外にも80年代の楽曲の方が歌いこなす技術を要するモノが多いのです。

そんな実力あるRICKをPETEはじっくりと温めていたようである。
彼がデビューする以前から、O‘CHI BROWNやLISAとのデュエットコラボはご存知だとは思いますが、実はその前からも彼は一人で歌っている作品が存在するのです。

それは、1986年にリリースされた「KNIGHTS & EMERALDS」というサウンドトラック・アルバムの中で、「MODERN GIRL」という曲を歌っていたのだ。
この曲は、あのMODERN GIRLではなく、WASHBOURNE & WATERMANによるソングライティングという非常に珍しい企画。
しかし楽曲を聴いてみると、80年代当時によくあるPWLらしくないポップスといったところ。(まあこれは仕方ないとしても、実はこれに収録されているPRINCESS/
TELL ME TOMMOROWが魅力ある別バージョン!)
この流れをみると、PWLアーティストでもこれだけ大事にされていた人はいないでしょう。

そして「O‘CHI BROWN」が歌った「WHENEVER YOU NEED SOMEBODY」を大ヒットさせたのも、RICKでなければ出来なかった功績のひとつです。またこの曲や、
「NEVER GONNA〜」のような「爽やかなストリングス」にフィットするボーカルも
RICK ASTLEYならでは。

このファーストアルバムのクオリティと、問題となったあのセカンドアルバムとの落差が
SAWとのトラブルの様が手に取るように解る。
「そんなにイヤならWASHBOURNEとPHIL貸してやるから、いっしょに作れ!」という
SAWの捨てゼリフに対して、「あー、じゃあそうさせて貰うよ!」というRICKの返し文句が目に浮かぶ。
やはり「NOTHING CAN DIVIDE US」はどうしても歌いたくなかったのでしょう。
(その気持ちはよく分かりますが...。)

改めてPWLサウンドは「綺麗な打ち込み音」だとは思うのだが、やはりBMGのような大手レコード会社によるマスタリング技術にはPWL RECORD独自の音との間に少し差があるような気がする。

またマニア向けとしては、あの「DON‘T SAY GOODBYE」の12インチバージョンが
イタリア盤でリリースされているというJEREMYさんの情報だが、これは単なるブート盤でした!(NEVER GONNAのリズムを重ねたDJプレイモノ)

私が感じるのは「NEVER GONNA〜」の12インチバージョンで、後半のブレイクリズムとボーカルだけの箇所でディレイ効果をつけて聴いてみると、より一層彼の実力を思い知る。

そんな彼の声を滑稽だと言う人もいるが、こんなに難しい曲は簡単には歌えないのである。

コメント(4)

Rickが「Modern girl」という曲を歌っていたのは知りませんでした。さすがです。

「Knights&Emeralds」についてですが、Princessの「Tell me tomorrow」に(  )でこの映画のタイトルが付いていたのを思い出しました。
このサントラにはアルバムとは別のバージョンが収められているのですか?
たっくん>
そーなんです。JEREMYさん情報に「Knights&Emeralds version」となっていたので、
必死でこのアルバムを探し続けました。
私個人的にはこのバージョンが一番カッコイイと思います。「D.J SATURDAY EDIT」やUS盤バージョンは殆ど音に変わりがない。
非常にFUNKYなMIXに仕上がっていて、マニア必須アイテムです!
「Tell me tomorrow」に(from the film〜)と付いていたので、映画のサントラからなのかなとは思ってはいたものの、正しい答えは知らないままでした。
日本盤の解説にも一切これに関する記述もありませんでした。
「Knights&Emeralds」自体がマイナー作品だったからなのか
もしれません。
今回、Kさんの文章で疑問が氷解しました。 

話は変わりますが、ネット上でもDAIZE WASHBOURNEに関する情報は少ないですね。
どういう人でどのくらいの期間活動していたのとか。
個人的には結構好きな音です。
たっくん>
お役に立てて光栄です。
私もWASHBOURNEは大好きですね。
活動期間は1986年〜88年までのようです。
「SCARLET FANTASTIC」の場合はちょっと遠ざかる音ですが、
O'chiの「Two Hearts Beating As One」はUSのLPバージョンが一番いいですね。
独特な電子ドラムがいい。
やはり彼は86年のO’CHIや、このRICKでのプロデュースでしょうかね。
そして、WILLI MORRISONとのHI−ENGは数少ない作品で
SAWとは違った路線でしたが、音はPWLしてましたね。

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