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PWL音楽論コミュのSAWをリスペクトするプロデューサー

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今まで数々のSAW作品が世界各国でカバーされてきましたが、(日本でもWinkをはじめ、穴井夕子の
We Should Be Dancing等)正直、目立ったリメイクヒットには至らなかった。
これは恐らく、他の音楽プロデューサーではSAWサウンドを上手く表現し切れないのかも知れません。

英国においてSAWをリスペクトした一人の音楽プロデューサーが存在しました。
それはYELL!などのプロデュースでお馴染みであるNIGEL WRIGHT 。

NIGEL WRIGHTもまた、80年代前半からSHAKATAKプロデュースをはじめ、サウンドエンジニアとして数々の作品を手掛けた英国ポップミュージック界を担う一人。
SAWと同様に、84年のHI-ENERGYブーム時においても、ソングライターNIGEL STOCKと共に、当時のディスコを盛り上げていた。
有名なところでは、「KELLY MARIE / I’M ON FIRE」、「ASTAIRE / LOVE TRAP」などがある。
まあ、SAWほどの目立った活躍ではなかったものの、日本のディスコにおいては数あるヒット曲の中にこれらも含まれていた。
彼の特徴としては、例えるならIAN LEVINEのような強力なボーカル技術をメインに、サウンド全体でグイグイもっていく描き方で、どちらかというとSAWのようなド派手なアレンジ技術を絡めながら攻めていくようなタイプとは異なる。

そんな地味な印象が強いNIGEL WRIGHTではありますが、とても気になる一つの作品が存在する。

◆SOPHIE LAWRENCE / SECRET(91年リリース)

これはご存じのとおり、KYLIEサード・アルバム「RHYTHM OF LOVE」収録曲(90年リリース)でありますが、気になるのが91年後半というリリース・タイミング。
これは丁度MATT AITKENがSAW-PRODUCTIONを脱退した後の時期であった。

こんなMATT脱退直後に、しかもKYLIEアルバム曲を何故カバーしたのか?
その答えこそが、SOPHIE LAWRENCEバージョンを聴くことで理解できる。

分かり易いのが、サウンドアレンジ。
これは最もSAW音源に近い音色イメージというものが上手くキープされている。
理由の一つに、PETE HAMMONDをミックスエンジニアに起用している点も挙げられますが、
私にはもっと奥深いものを感じさせる。
このリリースしたタイミングが意味するものはいったい何か?

これこそが80年代のポップフィールドをリードしてきたSAWサウンドに対し、敬意を示した証。
91年後期ともなると、SAWサウンドをはじめ、ポップミュージック全体が低迷する時代へと移り変わり、ポップ・プロデューサーが生き残る為にはジャンルを変更するか、若しくは強引にもポップを貫き通すしか道はない。
同ジャンルを突き進むとしても、あえて同年代である別プロデューサーの過去作品を同イメージでリメイクするというのは通常考えにくい。

実はもう一つ、NIGEL WRIGHTの活動の中にSAWをリスペクトするシーンがあった。
それは、ハウスミュージックが流行した87年にディスコメドレーをシングルとして手掛けたプロジェクト「MIRAGE」がある。
これは女性1、男性2名による黒人ボーカルグループであり、当時にヒットしたあらゆる楽曲をディスコメドレー形式でカバーするという、正にダンスミュージックが流行したこの時代を象徴したシーンでもある。

ここで手掛けた作品に注目してみたい。
まずは「Jack Mix V」。
収録曲はF.L.M、MY LOVE IS GUARANTEED、TOY BOY、
LOVE IN THE FIRST DEGREEというSAW(PWL)作品によるラインナップ。(全14曲)

続く「Mix '87」では、Showing Out・Respectable・Heartache・Nothing's Gonna Stop Me Now・
I Heard A Rumour・F.L.M.・Whenever You Need Somebody・Toy Boy・Love In The First Degreeの他、ナント驚くことに、全くヒットしなかった「Ain't Nothing But A House Party」や、「Mr Sleaze」
(BANANARAMA)までもが収録されていた。
87年と言えば、SAWサウンド全盛時期ではあったものの、PWLワーク作品を含めると、全88曲中、
19曲を占めており、同ジャンルで活躍するライバル的存在であるプロデューサー作品をこんなにも堂々と取り入れるシーンというのも珍しい。

この他、「UK MIXMASTERS」なるプロジェクトではKYLIEヒットメドレー(Lucky 7 Megamix)までも手掛けていた。

SOPHIE LAWRENCEをはじめ、SAWワークを終えたSONIAなどを手掛けた「I.Q.RECORDS」
(91年設立BMGグループレーベル)とは、NIGEL WRIGHTの専用レーベルであったようだ。

改めてNIGEL WRIGHTとSAWに共通するワーク、YELL!に注目してみたい。
ポップミュージック低迷となる時代背景ともあり、アルバム「Let's Go!」のリリース枚数は非常に数少なかったようで、リリースは殆ど日本のみでUK盤はレア盤となっている。

アルバムは全9曲と、12インチバージョン3曲ボーナストラックを含む12曲入り。
プロデュースはNIGEL WRIGHT 、SAW、PETE HAMMONDのほか、DURAN DURAN・KAJAGOOGOO等(U-BAHN X含む)を手掛けたCOLIN THURSTONとMICHAEL JAYという豪華な顔ぶれ。

注目したいのは、COLIN THURSTONとMICHAEL JAY。
COLIN THURSTONの手掛けた「Give Me A Little More Time」はスローバラードで、流石は得意分野ともあり、まるで「SPANDAU BALLET / TRUE」(83年大ヒット)のような透き通るサウンド作りは素晴らしい。
ヒットメーカーMICHAEL JAYによるソングライト&プロデュースによる1曲「One Touch Too Much」の曲作りはまた見事で、正に彼らしいサウンドに仕上がっているのですが、サンプル音色をよく聴いてみると、PWLサウンドらしき音色が含まれていた。

クレジット上ではミックスエンジニア表記が無い為、詳細不明であるが、私の個人的感覚からすると、
これは非常にレアなサウンドワークであり、基本本源はMICHAEL JAY氏によるものですが、
後にPETE HAMMONDがミックスエンジニアとして加わったものと推測される。

更にトップを飾る「Let's Go Round Again」はPWL-REMIX(12インチと同音源)によるショートバージョンが収録されていますが、以前にも紹介したプロモ12インチバージョン(JBボイスサンプル入りのファーストバージョン)の中に、ファーストと同一イメージなショートバージョン(LET’S GO!という掛け声でスタート)が収録されており、こちらの方がNIGEL WRIGHTテイストの強いバージョンに仕上げられている。
この時点ではPETE HAMMONDによるPWLサンプル比率は30%程度であり、セカンド(正規バージョン)で遂に完全なるPWLリミックスに切り替えられた流れもある。

更にリズムパターンが大きく異なっており、ファーストではブレイク部分がノーマルなハウスビートと
なっているのに対し、セカンドでは例えるなら「KYLIE / Hand On Your Heart」のタイミングで打ち込むスネアにアクセントを付けたビートに切り替えられており、どちらかと言うと、こちらの方がサウンドに
上手くフィットしている。

NIGEL WRIGHTはPETE WATERMANよりも8歳年下、MIKE STOCKとは4歳年下であり、
英国ポップアイドルを手掛ける音楽プロデューサーという同じ立場からすれば、
SAWはやはり偉大な存在だったのでしょう。

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